念のために書いておくとジミ・ヘンドリックスは40年以上前に亡くなっているので来日公演は、ない。
名エンジニア、エディ・クレイマーとジミ専属リサーチャー、ジョン・マクダーモットによってじっくり進められている発掘作業の最新報告は２トラックを除き69年の音源で固められているせいもあってアルバムとしての統一感が強い。結局、オリジナル・アルバムという形にすることの出来なかったウッドストックでのバンド、ジプシー・サン＆レインボーズ、そしてバンド・オブ・ジプシーズでのスタジオ・ワークは刺激的で、とくにライヴとは違うバディ・マイルスのプレイや、ウッドストックではあまり存在感が無いもう一人のギタリスト、ラリー・リーのプレイが興味深い。個人的にはジミが無名時代にバックをやったロニー・ヤングブラッドとの一曲には興奮させられるが、同時に新たな疑問が浮かぶという困りものだ。(大鷹俊一)
