デジタル・ネイティヴの世代らしいチップ・チューンを多用したポスト・ダブステップというのがファーストだが、やや個性に欠ける気がして、あまり感心しなかった。
3年の間に〈プラネット・ミュー〉からシングルを出したり、自らのレーベルを立ち上げるなど活動の幅を広げる中、機材やソフトウエアなど制作体制の見直しもあったようで、音楽的にも音色的にもリフレッシュ。ダブステップ以降のベース・ミュージックを基本としながらも、80年代っぽいディスコ・ハウスのファンキーなビートや、初期のケン・イシイを思わせる叙情的でどこか歪んだ音色のシンセを乗せたサウンドは、エレガントでオーガニック、かつファンキーなもので、非常に心地よく、レトロ・モダンな音色やフレージングも新鮮に響く。楽曲もヴァラエティに富んでいるし、実用性もたっぷり。これは買いだ。 (小野島大)