今、そしてこれから起きること

アルーナジョージ『ボディ・ミュージック』
2013年07月31日発売
ALBUM
アルーナジョージ ボディ・ミュージック
ディスクロージャーの『セトル』と並び、UK、いや世界のユース・ミュージック・シーンで今起こっていることの意義と新しさの最良の例題となるべき作品が、このアルーナジョージのデビュー・アルバムである。アルーナジョージやディスクロージャーの凄さとは、イノヴェイティヴなサウンドを彼らの世代のリアルとして鳴らし、そこに一片の難解さもスノビズムも存在させないことだろう。たとえばアルーナジョージの本作はR&Bにチルでアンビエントな音響を掛け合わせた―こう文字化するといきなり分かりづらくなるそれを、ビヨンセ級のメジャー感を保ちながら当たり前のように、あくまでも平熱でやってのけている。モデルばりの美貌を誇るアルーナが典型的宅録ヲタのジョージの脳内理想を片っ端から具現化、アウトプットしていくという2人の相互関係も象徴的だ。インディとメジャー、ダンスとポップといった境界はおろか、もしかしたらこのアルバムはもっと大胆な越境、たとえばこれまでJ・ポップとしてのR&Bしか聴いてこなかったような日本のティーンにも前置き省略して刺さりそうなポテンシャルを感じるのだ。 (粉川しの)
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