何者にも囚われないクールな闘志

シシド・カフカ『カフカナイズ』
2013年09月04日発売
ALBUM
シシド・カフカ カフカナイズ
ライヴで見せるパワフルなパフォーマンスのみならず、ミュージック・ビデオやテレビCMを通してシシド・カフカの代名詞ともなっているドラム・ヴォーカルのスタイルよりも、シングル既発曲含め実に全16曲収録の1stアルバムとなる今作で真っ先に鼓膜と頭に飛び込んでくるのは、ロックとポップの高純度結晶を両手に携えたクールでキュートでワイルドな「表現者」の佇まいだった。彼女のロック・サイドとポップ・サイドを遠心分離器にかけて対峙させるようなリード曲“ラヴコリーダ”(とそのMV)にも顕著だったが、エッジィなロックンロールからポップ・パンクまで多彩に咲き乱れる今作は、彼女の本質は個々のサウンド・スタイルではなく、センチメンタリズムやメランコリアに足を取られることなく悠然と時代を闊歩してみせる闘志とアティテュードそのものにある――ということを何よりリアルに物語っている。もちろん彼女の鮮烈なビート感自体も大きな魅力ではあるが、それこそドラム叩かずに歌ったって彼女のアイデンティティは濃密にあふれ出してくるに違いない、と思わせてくれる快作。(高橋智樹)
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