エンドレス・サマー・ポップ

デロレアン『アパー』
発売中
ALBUM
前作『スビザ』リリース後は時流もあってチルウェイヴにひっくるめられもしたが、こうして新作が届いてみると、非英米の宅録ポップの真髄ここにありき!というのを再確認して嬉しくなる。北米インディよりも、ザ・タフ・アライアンスら00sスウェディッシュ・エレクトロ・ポップ勢に近い、ヨーロッパ的なチープ・シックが◎なバル
セロナ発のフォー・ピース、デロレアン。ア・サニー・デイ・イン・グラスゴーの3rdなどと並び、あえてチルウェイヴ文脈を無視して『スビザ』を聴きまくっていた身としては、本作にはめちゃくちゃ心躍らされる! 〝ウォーク・ハイ?をはじめとするニュー・オーダーっぽいアプローチが板につき、持ち前の浮遊感をわずかにダイナミックなバンド・サウンドに乗せて漂わせる。このバンドの要であるメロディのビッグさにも磨きがかかった。女子ヴォーカルのゲストはチェアリフトのキャロラインとグラッサーことキャメロン・メジロー、という間違いなしの『トゥルー・パンサー』人脈。これを予定調和と呼ぶなら、踊らないでよし。11月のホステス・クラブ・ウィークエンダーでの来日は、初回のトロ・イ・モワを思い出させる貴重な体験になるのでは。 (羽鳥麻美)