収録曲のうち5曲は、K以外のヴォーカリストが歌っている。しかし、PTPの世界観は全く揺らいでいないのだ。メンバー、そしてゲスト・アーティストも含めて、Kの「不在」という事実に情緒的なアプローチをすることなく、ひたすら音楽的な高みを目指したことが、今作最大の勝因だ。というか、それこそが、Kという男と向き合う、唯一の手段であることを全員がわかっていたのだろう。
アルバム・タイトルには「遺伝子」という意味が込められている。受け取り方は人それぞれだと思うが、この作品を聴いた後では、安易なセンチメンタリズムは抹消されるだろう。(徳山弘基)