過剰でなにが悪い

ミューズ『ライヴ・アット・ローマ・オリンピック・スタジアム』
ミューズ ライヴ・アット・ローマ・オリンピック・スタジアム
だいたい好きなバンドは小さいハコで観たいっていうのがファンの心理だけど、いかなる面でもとにかくデカければデカいほどいいのが、ミューズ。7月にローマ・オリンピック・スタジアムで6万人の観客を熱狂させている模様が収録されているこの作品こそ、まさにミューズのそんなぶっ飛んだスケール感を味わえる優秀な映像作品。4K(フル・ハイビジョンの4倍の画素数)で撮られていることも、実にミューズらしくて、6万人の観客のパノラマから、マシューのアップまで、とにかくすべてがあまりにも鮮明に映るんで興奮させられる(映画館で観たっていうのも大きいが)。視聴覚スペクタクルとしてはまさに最高級だろう。面白いのは、これが単にライヴを撮っているだけではないこと。メンバー、特にマシューはこれが映像作品になることを完全に意識しているわけで、目の前にいるファンだけではなく、いちいちカメラに向けて見せ場を作っている。しかも、これがまたナルシズム全開なのが痛快。さらにイメージ映像に出ている役者が実際にステージに登場して、メンバーが演奏する中、寸劇を披露するんだけど、深い意味がありそうで、恐らくないあたりが、これまたミューズらしくて微笑ましい。インタヴューを挟むとかは皆無で、観客の狂乱ぶりを含めて、あくまで会場で行われていることだけを映した映像だが、まったくだれることなく最後まで見せ切るところがとにかく素晴らしい。最後、演奏のことはなにも書かなかったけど、ミューズだけにそれは保証済み。個人的にはクリスの存在の重要性、そしてラスト“スターライト”の大合唱に感銘を受けた。(内田亮)
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