2013年11月号のDie単独インタヴューでも「これからのDIR EN GREYはもっとラフでいい」という発言があったが、まさにその言葉通りの、ロックバンド=DIR EN GREYの本性が刻まれたような衝動的なシングルだ。とはいえ、執拗なまでの構築性や幾重にも仕掛けを施し、等身大のバンド像を安易には認識させてはくれないあの究極的な知性が退行したわけではない。5つの異なる生命が渾然と同居し、やはり複合的なサウンドスケープがやはり見事な精度で組み上げられている。さすがの完成度である。ただ、これまでと異なるのは、その圧倒的な情報量や構築性が5人それぞれの息遣い、生理感覚として伝わってくることだ。ここからは確かに5つの「層」を聴き分けることができるはずである。そう、だからこれは、彼らが今こそ初めて明かしたDIR EN GREYの「輪郭」と言ってもいい。すべてはこの5つの音に帰還されるのである。5つの肉体と知性による荘厳なる建造物の如き、DIR EN GREYの音像。そんな彼らの偉業は、この生身の楽曲を聴くと、なおさら奇跡的なものに思えてくる。(小柳大輔)