ヨンシー参加の転機作

デス・ヴェッセル『アイスランド・インターヴァルズ』
デス・ヴェッセル アイスランド・インターヴァルズ
デス・ヴェッセルことジョエル・シボドーの、6年ぶりとなる3作目である。もともと王道のシンガーソングライター系、2000年代半ばの一連のネオ・フォーク・ブームの一員として登場した彼だが、本作はフォーキーでトラッドなメロディを基調にしつつも、より音響的なアプローチが採られたモダンなアルバムになっている。ミニマムな音でミニマムな世界を描いていた彼が、マキシマムなイメージを喚起するミニマムの力を得たアルバムと言えそう。シボドーの年齢性別不明なファルセットは空間と奥行きを感じさせる本作のプロダクションにはまっている。そんな本作に大きく寄与したのがシガー・ロスのヨンシーとの出会いだろう。ヨンシーの『GO』ツアーで出会い意気投合したという彼ら、本作のレコーディングはヨンシーのパートナーのアレックス・ソマーズのスタジオで行われ、ヨンシーとシボドーが共作しヨンシーが歌うナンバーも収録されている。驚くことにこのヨンシー参加曲がアルバム中で最もアコースティックで、アコギのアルペジオにそっと寄り添うように歌うヨンシーの歌声は、シガー・ロス・ファンも必聴。(粉川しの)
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