スコット&リバース、「和」と「わびさび」を極める新作『ニマイメ』のすべてを語り合う(2)

目標はふたつ。紅白歌合戦に出たい。あと本当の邦楽アーティストとして認めてもらいたい(リバース)

――では今のモチベーションはどこにあります?

リバース 目標はふたつ。紅白歌合戦に出たい。あと本当の邦楽アーティストとして認めてもらいたい。※CDショップで邦楽セクションにCDを置いてほしい。※

スコット がんばって日本語で歌詞を書いて日本語で歌ってるのにね。

リバース シバフノアオイ? ……隣の芝生は青い!

――(笑)ただ現場というかライブでは邦楽アーティストとして認められてないと思うことはないんじゃないですか?

スコット まあそんなにないけど。でもこうやって日本人と同じようにRO69にインタビューしてもらうのはうれしい。

――それはよかったです。アルバムの話に戻ると、最初にサウンドについて触れましたが、例えば“僕らの未来”は現在のアメリカのR&B系ポップにも通じるようなトラックで。なぜそうしたんですか?

スコット もともとギター、ベース、ドラムでバンドサウンドのトラックを作ってから、もうちょっと進化させたいって話になって。最後の最後にトラックメイカーとコラボして。もうちょっとモダンな感じにしたかった。

リバース “僕らの未来”とか、“風吹けば”とか、“君はサイクロン”とか、すごく冒険した。前のアルバムは日本語だけが冒険ですけど、今回はもう日本語しましたから、ほかの冒険もしたい。だから日本語と、トラックと、全部。

――しかも時代感も冒険してますよね。“君はサイクロン”は昔の歌謡曲風だし。

リバース はい。“風吹けば”は80年代です。

スコット スコット&リバース的タイムトラベル!

――タイムトラベルって楽しいですもんね。結局スコリバのやりたいことって《愉快な音楽を/日本の皆に届けよう》(“スコリバのテーマ”)という歌詞に集約されてる気がしますけど?

スコット まさにそうです。みんなと一緒に冒険!のプロジェクト。

――ほかの歌詞についても、ふたりでやって楽しかったところから始まったのでシンガーソングライターじゃ歌えないというか、ふたりだからこその内容だと思います。《僕らにできること この手つなぎ合わせ》(“Doo Wop feat. キヨサク(MONGOL800)”)とか。そこはどうです?

スコット 歌詞については無意識だけど。

リバース ※ウィーザーは長い間ひとりのフロントマンとして活動してるけど※スコリバは、僕として、漫才スタイル(笑)。※パートナーシップをすごく感じます。※

スコット 一緒にやってる感はあるね。

――ダブルフロントマンですもんね。

リバース うん! 

スコット 僕はアリスターでもツインボーカルだったし、今MONOEYESでも何曲か歌ってるから、完全にひとりなのはソロのときだけ。で、ソロでツアーをやるときはすごいさみしい(笑)。やっぱりもうひとりフロントマンがいるとすごい楽しいし、バックアンドフォースができるから。

リバース スコットのソロツアー、参加したい!

――ソロじゃなくなっちゃいますけど(笑)。

リバース 僕はバックバンドです(笑)。

スコット それはもったいない(笑)。

リバース でもおもしろそう。たくさん街、クラブ?

スコット クラブとか、いろんなところに行く。

リバース ※ファンの人との距離も近いだろうし。※

スコット 楽しいけどさみしい。ひとりで移動してて。

リバース 楽しそうです。参加したいです(笑)。

ポジティブシンキング、感謝のこと、朝と寝る前に両方メモを書く(リバース)

――ちなみにそれ何してるんですか?(リバースが発言の一部をメモしている)

リバース 日本語の勉強と、毎日、ポジティブ、考えよう。朝一、書く。

――毎日朝にポジティブなことを書いているわけですね。

スコット 今日は何を書きましたか?

リバース 宣伝が大好きですって(笑)。ポジティブシンキング。感謝のこと。朝と寝る前、両方書く。

――メモから歌詞につながることもあるんですか?

リバース うん。

――じゃあ日常生活と音楽制作の壁がまったくないんですね。

リバース そう、音楽作るのが大好きです。おもしろい。

――それが現在の年齢になっても変わらないってすごいことだと思います。

スコット 変わらぬ……想い。

――おお、まとまりましたね(笑)。で、さっきのパートナーシップと今の日常の話がラストの“パンツ脱ぐ”に表れてるなと。ふたりでアコギを持ってこの言葉を歌い続けるっていう。なぜこの曲を収録したんです?

スコット 遊び感じゃない?

リバース 僕の日本語のオリジナル歌詞。

スコット そうだ、リバースの日本語歌詞デビュー!

――それがこの言葉(笑)。

リバース グッドスタート!(笑)。本当は、毎日家で日本語の歌を作っています。ときどきTwitterにデモを上げています。ほかの歌、覚えてますか?

スタッフ 歯磨きしたいみたいな歌を子供と一緒に歌ってます(笑)。

――本当に生活密着型なんですね。

リバース 自然に、普通に生活するときに歌ができます。オムツを替えるときに“パンツ脱ぐ”(笑)。

――アルバム全体からも感じるし、この曲をふたりで歌う音源を収録するという点でも、やっぱりいつまでも遊んでいたい、冒険したいってことですね?

スコット それは間違いないです。

――最後にスコット&リバースの活動は、自分のキャリアや人生にとってどんなものなのか教えて下さい。

リバース 日本語がペラペラになります。妻と仲良くになります(笑)。※自分とは違うミュージシャンの意見ややり方をいつも学んでいます。そしてあなたが言ったようにたくさん楽しみたいってことですね。※

――スコットさんは?

リバース ※彼女を作れる?※

スコット それは関係ないと思う(笑)。このプロジェクトはすごい楽しいし、リバースは素敵なソングライターだからいろんな影響をもらえる。MONOEYESはストイックな感じなのに比べて、こういうふざけた感じ?(笑)。たまにこういうのがあるといい。楽しいし、できるだけ続けていきたい。

――この先も続けて下さい。

リバース サンマイメ?

――次作はまた4年も先になっちゃいますかね?

スコット 最初のアルバムも4年ぐらいかかったから、すぐには期待しないで(笑)。

提供:ソニー・ミュージックジャパンインターナショナル

企画・制作:RO69編集部

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