3年ぶりのアルバム『Honesty』、
主催フェスへの思い--SHANKの現在地に迫る(2)
常に何か裏切りたい。前にやったことをなぞりだしたら終わる
――今作も起伏があって、すごく面白いと思いました。グランジやレゲエやスカっていう、いろんなジャンルが好きなことがわかる1枚になっていて。改めてですけど、ほんとにいろんな音楽に影響を受けてきたメンバーが揃っているんですね。
「そうですね。最初はスカバンドからはじまったんで。まあ、そんな幅広いってこともないと思うんですけどね。自分が聴いていて面白いアルバムにはしたかったので」
――ザ・ビートルズのカバーもびっくりしました。
「ビートルズはすごく好きで、ほかにも好きな曲はたくさんあったんですけど」
――そこで選んだのが“Don’t let me down”っていう。あまりカバーする人もいないんじゃないんですか?
「そうですね。カバーは毎回入れてるんですけど、満を持してのビートルズです。許諾的なOKももらえたので(笑)」
――この曲を選んだ理由はあるんですか?
「ビートルズをカバーするにあたって、いろんな曲をやってみたんですけど、純粋に1番しっくり来たのと、アルバムに入れる色としてもいいなっていう」
――もっと初期のポップな曲をやるっていう手もあったと思うんですけど。
「いろいろやったんですよ、“TWIST AND SHOUT”とか。ビートルズってすごいんですよ、展開とか拍の取り方が。今聴いてもむちゃくちゃ新しい。だから、今までで一番難しかったです、カバーが」
――あと、ゆったりはじまる“Wall Ride”もいいですよね。速い曲中心のバンドが、こういう曲をやるとグッとくるというか。レゲエを感じる曲ですが、スカからはじまったバンドということは、レゲエもルーツにあるんですか?
「そうですね。そこまでレゲエを掘り下げたことがあるわけではないんですけど、カラッとした、悪いおっさんがやってそうなスカが好きで。サブライムとかそこまでのニュアンスは出せないにしても、昇華してできたらなって今回は入れ込みました、そういう要素は」
――なんでそういう方向性になったんでしょう。
「やってて楽しいことやろうっていうところと、ライブを見越して作るんで、だんだん持ち時間やセットが長くなるにつれて、速い曲ばっかやってられなくなってきて(笑)飽きますし。だから、こういうのにちょいちょい手を出したっていう」
――やっぱり、元々いろんな音楽が好きだったっていうベースがあったからできるところもあるでしょうし。
「そうですね」
―― “Mighty Clash”や“Life is…”みたいに、ぐいぐい前に来る曲もありますよね。
「やっぱりライブが根本のバンドなんで、そこは意識しますね」
――ライブを楽しんでほしいと思った結果、いろんな曲が増えていくというか。
「そうですね。自分らが楽しいことやりたいっていうのが根本ですけど、それもあります」
――決まりきった楽しみ方だけじゃなく、いろんな楽しみ方をしてほしいっていう気持ちもあるのかなって、聴いていて思いました。
「そうですね、常に何か裏切りたいですし。前にやったことをなぞりだしたら終わるのかなって。決め込まないでやるようにはしてます」
――そんな中でも、アルバムのオープニングとエンディングが、開放的な曲でサンドイッチされているなって。構成も考えられたんじゃないですか?
「そうですね。最初はやりたいことを考えて、できる曲をバーッて作って、全体像が見えてきた時にだんだん足していって。毎回そうなるんですよね」
――ラストの“Honesty”は壮大ですよね。
「最後っぽいなっていう感じはしました」
――前の“Prepare Yourself”とのギャップもいいですよね。
「確かにそういうのは意識してました。暴力的なやつの後にそういう曲をやるのは、ライブでもよくあるので、癖になってるのかも(笑)」
――それも裏切りっていうか。
「ああ、自分の中でもやってて緩急がないと面白くないですしね」
――じゃあ、曲そのものだけじゃなく、流れも重要視しているという。
「そうですね、だからマスタリングとかも毎回こだわってます。今、CDを一枚通して聴く人が減ってると思いますけど、なんでこの曲間にしたとかも聴いて欲しいですね」
正直にやることって体力がいるんですよね
――ジャケットも印象的ですよね。
「これは友達がオーストラリアで映像監督をやっていて、その人が撮っている写真です。その人の作品が好きで、前から使わせてもらっていて。前のミニアルバム『SHANK OF THE MORNING』を出した時から、次にフルは出そう、これをジャケにしようとは決まっていて」
――曲よりも先にジャケが決まっていたと。
「そうなんです。だから、CDのケースを取ったところに、この写真を使っていたんです」
――そんな仕掛けもあったんですね。
「何年も前にこの写真を見た時に、いいなと思って。言葉にしなくても意味ありげな写真ってあるじゃないですか。その人の写真って、そういうのが多くて」
――そういう仕掛けも、バンド自身が楽しんでますよね。
「見つけてニヤッとしてほしいんですよね」
――そして6月までツアーがびっしりで。
「CD出してツアーやりたいってなると、この時代は、先手先手を打たないとライブハウスがとれないんで(笑)。でも、今回はフルアルバムだし、あまり最近行けてないところもゆっくり回りたいので、長めに組ませてもらいました。全国、ある程度はくまなく回ります」
――ライブでどういう楽しみ方をしてほしいとかはあります?
「特にないです。自由に……自由にってよく言いますけど、難しいですよね。まあ、金払って、時間割いて来てくれてるんだから、こうしろとは言いたくないですね。俺らも一緒に楽しめればなっていう前提で、マナーは守りつつ遊びましょうっていう。決めごとはないです。こういう曲だからこうノッてくれとか、俺らがこうしてほしいとかは一切ないんで、感じたように観てノッて頂ければと思います」
――俺らも自由に楽しむから、おまえらも自由に楽しんでくれと。
「そうっすね」
――自由に楽しむために努めているところってあるんですか? さっき自由って難しいともおっしゃっていましたけど。
「んー、『Honesty』っていうタイトルもですけど、正直にやることって体力がいるんですよね。でも、そこは曲げないようにしています。嘘がないように、ステージ上で。そうしていれば続けていけるのかなって思っています」
――カッコつけはじめると歯止めがきかなくなりますしね。
「そうですね。だんだんカッコつけきれなくなってきたし(笑)」
ミュージックビデオ
リリース情報

『Honesty』
発売中
パッケージ価格 : ¥2,200(税抜)
品番 : CTCD-20045
<収録内容>
1. Surface
2. Mighty Clash
3. Life is...
4. Gloria
5. Frustration
6. Don't let me down
7. Hope
8. Wall Ride
9. Prepare Yourself
10. Honesty
ツアー情報
「Honesty Tour 2017」
2017年2月11日(土) 長崎 Studio DO! w/ Dizzy Sunfist, locofrank
2017年2月12日(日) 熊本 Django w/ Dizzy Sunfist, locofrank
2017年2月14日(火) 鹿児島 SR HALL w/ Dizzy Sunfist
2017年2月15日(水) 宮崎 SR BOX w/ Dizzy Sunfist,スーパーがんばるズ
2017年2月17日(金) 大分 club SPOT w/ Jolly Bobby SEX
2017年2月18日(土) 小倉 FUSE w/ Jolly Bobby SEX, WEAKEND HEROES
2017年3月3日(金) 高知 X-pt. w/ PAN, ROTTENGRAFFTY
2017年3月4日(土) 松山 WstudioRED w/ PAN, ROTTENGRAFFTY
2017年3月7日(火) 岡山市 表町LIVEHOUSE IMAGE w/ BUZZ THE BEARS, PAN
2017年3月9日(木) 神戸 MUSIC ZOO KOBE 太陽と虎 w/ BUZZ THE BEARS …and more
2017年3月11日(土) 高松 MONSTER w/ The Chorizo Vibes
2017年3月12日(日) 徳島 club GRINDHOUSE w/ The Chorizo Vibes
2017年3月14日(火) 米子 AZTiC laughs w/ The Chorizo Vibes, OLEDICKFOGGY
2017年3月15日(水) 出雲 APOLLO w/ The Chorizo Vibes, OLEDICKFOGGY
2017年3月17日(金) 広島 CAVE-BE w/ Northern19
2017年3月18日(土) 周南 LIVE rise SHUNAN w/ HEY-SMITH
2017年3月20日(月・祝) 福岡 LIVE HOUSE CB w/ HEY-SMITH
2017年4月6日(木) 寝屋川 VINTAGE w/ Day Tripper
2017年4月7日(金) 京都 KYOTO MUSE w/ GOOD4NOTHING
2017年4月9日(日) 富山 SOUL POWER
2017年4月11日(火) 新潟 Live Hall GOLDEN PIGS RED STAGE
2017年4月13日(木) 苫小牧 ELLCUBE
2017年4月15日(土) 帯広 STUDIO REST
2017年4月16日(日) 札幌 DUCE SAPPORO
2017年4月18日(火) 八戸 ROXX w/ MOROHA
2017年4月19日(水) 盛岡 the five morioka w/ MOROHA
2017年4月22日(土) 郡山 CLUB #9
2017年4月23日(日) 宇都宮 HEAVEN'S ROCK Utsunomiya VJ-2
2017年5月9日(火) 松阪 M'AXA w/ MEANING
2017年5月10日(水) 岐阜 柳ヶ瀬 ants w/ MEANING
2017年5月12日(金) 静岡 UMBER
2017年5月15日(月) 横浜 F.A.D YOKOHAMA w/ COUNTRY YARD
2017年5月16日(火) 千葉 LOOK
2017年5月18日(木) 水戸 LIGHT HOUSE w/ KEMURI
2017年5月20日(土) 前橋 DYVER
2017年5月21日(日) 熊谷 HEAVEN'S ROCK Kumagaya VJ-1
2017年6月2日(金) 滋賀 U☆STONE w/ waterweed
2017年6月5日(月) 福井 CHOP
2017年6月7日(水) 金沢 vanvan V4
2017年6月8日(木) 上越 EARTH
2017年6月10日(土) 松本 Sound Hall a.C
2017年6月11日(日) 甲府 NAO Studio KAZOO HALL
2017年6月13日(火) 秋田 Club SWINDLE
2017年6月15日(木) 酒田 MUSIC FACTORY
2017年6月24日(土) 沖縄 Output w/ dustbox
提供:BAiTFiSH RECORDS
企画・制作:RO69編集部