「迂回」っていう中途半端な感じがいいかなと思って。遠回りしがちじゃないですか、僕ら(笑)(Suzuki)
――1曲目が“Early Morning Ⅱ”ということで、前回のアルバムの『Early Morning』を冠した曲名になってますよね。
Suzuki 曲をつくってる時に、「前のアルバムの曲名Ⅱ」っていう仮タイトルをいっぱいつけてたんですよ。で、この1曲目だけ誰が言い出したか、“Early Morning Ⅱ”がいいということになりまして。他の曲は全部違う曲名がついたんですけど。歌詞書いて、ふと曲名を考えてたら、意外とこの曲の主人公、前作の主人公と同じっぽいなと思って。前作全体の主人公というか、実はそいつだったんじゃないかなと。で、そいつが前いた街からどこかに出かけていくみたいなことかもって思ったんですよね。
――アルバム1枚通して、時間の経過というか、生活のなかで朝から夜に向かっていく感じがあると思ったんですけど。
Suzuki 別にそんなに考えてないんですけど、なんかそういう風になっちゃうんですよねえ。その時間の経過と一緒に、いろいろ心境が変化していくじゃないですか。だから、1曲ごとに、「こいつは今ここにいるから、こういう曲」っていう感じになりやすいというか。でも、自分でもあとで歌ってる時に、「ああ、この曲はこういうことなのかな」みたいな感じで捉えていくことが多いですね。だから歌詞できた時は初対面の人で、そこから「この人、実はこういう人だったんだ」みたいな。
――“Early Morning Ⅱ”と最後の曲“夜風が窓を”って、その登場人物が立っている場所って全然違うじゃないですか。
Suzuki そうですね。雪山にいる男か、住宅街にいる男かみたいなくらい違う気がする(笑)。“Early Morning Ⅱ”はちょっと違う世界観というか、非現実的な世界のお話だなって思ってます。
――私は“それぞれ”と“予定”がすごく好きで。Suzukiさんが書く歌詞って散文詩的という印象があるんですけど、この2曲はちょっと違いますよね。言葉ひとつひとつに連なりがあって、率直に伝わってくる。
Suzuki うん。なんかそういう散文な感じが多かったんですけど、こうやって歌詞を書き続けた結果、自分のなかでもう言葉がなくなってしまったんじゃないかと(笑)。だから、この曲においては何かを話さないといけないなと思ったのかもしれませんね。“予定”はレコーディング2日目くらいに、もう起きるのも辛いみたいな(笑)、まさにその時の自分自身ですね。――なんか変わったのかな、俺?(笑)。
Yamazaki そうかもね(笑)。
――(笑)。タイトルは「迂回」という意味の『KIERTOTIE』で。
Suzuki 最初、「DETOUR」っていう単語をどっかで見たことがあって、これかっこいいなと思って。その単語も「迂回」っていう意味なんですけど、でも「DE」って否定の意味でちょっとネガティヴだから違うなと思って。そこから日本語の「迂回」っていうほうをフィンランド語とかポルトガル語とかいろいろ翻訳してみたんですよ。そしたら『KIERTOTIE』が出てきて、これ字面もかわいいし、いいかなと思って(笑)。
――どうして「迂回」っていう言葉にSuzukiさんはピンときたんでしょうか? 「DETOUR」は否定的な意味があるから避けたってことは、「迂回」に対して、Suzukiさんはネガティヴなイメージがないっていうことじゃないですか。
Suzuki うーん、『KIERTOTIE』っていう言葉自体、何のことなのか、あんまりよくわからないじゃないですか。「迂回」っていうその中途半端な感じがいいかなと思って。遠回りしがちじゃないですか、僕ら(笑)。
――ピラミッドでレコーディングしたり?(笑)。
Suzuki そう(笑)。そういうこともあるのかなって。毎回同じ場所にいるんじゃなくて、違うところに一応移動はしてるっていう。
この4人で何か音楽以外のおもしろいものを見つけたら、次に形になるのはそれかもしれないし。家を建てるのが楽しくなったら、次のアルバムは「家」っていう可能性は大いにある(笑)(Suzuki)
――なるほど。前身バンドもあわせたら、この4人でもう10年以上一緒にバンドをやってきたわけですけど、自分たちで変わったと思うところはありますか?
Suzuki 高校生の、15、16歳とかで出会って、今28、29歳なんですけど。13年前から知っているこの3人の、ツアー中に車とかで寝てる顔を見るとこの人たちはおじさんに近づいてきてるなってすげえ思う(笑)。
――ははは! 年齢には逆らえないので(笑)。
Yamazaki でも中身はあんま変わってないですよ、ほんとに。だから未だに遠征の車のなかとかはほんとにひどいというか。
Suzuki 最近寝るっていうのを覚えたよね。それまでは、運転席と後ろの席でずっと一緒に喋り続けたり、DVD借りてきてみんなで見たりとか。ただ、やっぱりずっと起きてると疲れる(笑)。
――でも、そのメンバー間の空気があるからこそ、ピラミッドでレコーディングしようっていうアイディアが降りてくるんだと思います。
Suzuki そうですねえ。この4人で何か音楽以外のおもしろいものを見つけたら、次に形になるのはそれかもしれないし。家を建てるのが楽しくなったら、次のアルバムは「家」っていう可能性は大いにある(笑)。だから、メンバー4人の今の共通項がバンドみたいな感じで。だから、もしかしたら次は、ねえ?
Yamazaki 温泉掘りになるかもしれないし(笑)。
Suzuki ね(笑)。まあバンドは続けていくとは思うんですけど。結局こういうことができる人って、この3人以外にはいないし。こうやって10年以上もバンドやってると、バンドってものがすごく特殊な集合体っていうのはあると思うんですけど。こんなに一緒にいるのに、こんなに知らない人は他にいないというか。お互いのこと、意外とよく知らないんですけど、一部分においてはよく知ってるっていう。奇妙な関係ですね(笑)。
ミュージックビデオ
リリース情報
2nd ALBUM『KIERTOTIE』
2015年12月02日(水)release
XSCL-18
1,800yen (+tax)
- 01. Early Morning Ⅱ
- 02. Fall
- 03. Sunday
- 04. Work and Holiday
- 05. Target
- 06. それぞれ
- 07. 予定
- 08. Distress of Casual boy
- 09. Gardens
- 10. 夜風が窓を
ライヴ情報
told×裸体 Wレコ発インストアライヴ
2015年12月17日(木)
START 19:00
東京・タワーレコード新宿店7Fイベントスペース
ミニライヴ(told/裸体の交代制2マン)&『told×裸体Wネーム・ステッカー』プレゼント会
※ミニライヴ観覧自由
2015年12月21日(月)
START 18:00
大阪・タワーレコード梅田NU茶屋町店6Fイベントスペース
アコースティックミニライヴ&特典引き換え会
※入場フリー
told 2nd Album “KIERTOTIE" Release (De)tour 2016
2016年01月22日(金)
東京・新代田FEVER
OPEN 19:30/START 20:00
act:told, 快速東京, TOKYOGUM
2016年01月23日(土)
大阪・心斎橋pangea
OPEN 18:30/START 19:00
act:told, TOKYOGUM, and more...
提供:ソニー・ミュージックエンタテインメント
企画・制作:RO69編集部