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    ドミコ×ホリエアツシ、スペシャル対談! 出会いから意外な共通点まで大いに語る

    ドミコ×ホリエアツシ、スペシャル対談! 出会いから意外な共通点まで大いに語る

    ふたりじゃないとできない(さかした)



    ──結成時のストレイテナーとドミコは、2ピースという共通点がありますよね。ストレイテナーは徐々にメンバーが加わって、現在のバンドスタイルが確立したわけですが、ドミコの今後の志向としてはどうなんでしょう? 増やしたいのか、ふたりのままで貫きたいのか。

    さかした まあぶっちゃけると、今やってる演奏とかはふたりじゃないとできない感じになってると思うんです。曲によっては4人とかでもやってるんですけど、ふたりじゃないとできない部分もあって。ドミコの曲ってシンプルだし、何も凝ってるところはないんですよね。それってやっぱふたりじゃないと、そこを響かせるのは難しいっていうところもあるし。

    ──ホリエさんは初期にベースレスでやってた時はどういう感覚でしたか?

    ホリエ ふたりでやってて限界を感じた時に3人目が現れたっていうか、4人になった時も然りなんですけど、まあそういう巡り合わせで。もともとふたりで始めたのも、「いつか出会うだろう」っていうか、ひとりのメンバーを探すために時間を費やしてる場合じゃないっていう焦りがあって。もともと東京に出てきて1年間は、東京で知り合った人を含めて3人でやってたんですけど。ふたりになってまたゼロからスタートみたいな時に、その1年間で積み上げたものがなくなっていくのがすごくもったいないと思ったんです。だからすぐにでも曲作ってライブをやってふたりで始めようって、それが気づいたら5年くらいそのまま(笑)。ふたり編成のイメージがやっと定着した頃に、3人になるっていう(笑)。

    ──ふたり編成でやるということにこだわってたわけではないんですね。

    ホリエ そうですね。なんかラクっていうのはすごくあったと思いますけどね。ひかる君みたいに何人分かの音をひとりで出してる、みたいなことを僕はやってたわけではなくて、単純にギター弾いて歌ってただけだったので。たぶんドミコだと、そこに表されてるものにもうひとり加わった時、まずついてくのが大変だと思う。ふたりの呼吸に合う人はなかなかいないんだろうけど、ストレイテナーの場合は、ただ単に性格が内向的だっただけで、自分たちが心さえ開けばもう少し早くメンバーは増えてたと思います(笑)。

    さかした 僕らも内向的なんで、もう少し心を開けば3人目が見つかるのかも(笑)。

    ホリエ でもドミコは音楽的に完成されてるから、ふたりでやっていきながら考えればいいと思うけどね。ただ、これから先、出るステージがでかくなっていく時に、ふたりでポツンと立ってるだけだとつらくなるかも(笑)。今くらいのサイズ感だと、ひかる君の音が足されたり、また戻ったりする様子を、みんなハッとしながら観て楽しめるんだけど、ステージが大きくなってそこまで細かいことが伝わらなくなった時に、どういう観せ方をしていくかが鍵のような気もしますけどね。

    さかした ホリエさんはふたりの時はどうしてたんですか?

    ホリエ 僕らはいろいろやりましたね。ふたりで立つのが寂しくて、ステージに人形置いたりとか(笑)。

    さかした あはははは。かなり血迷ってますね、それは。

    ホリエ 最後にそれを客席に投げるっていう。

    さかした メンバー投げるみたいに(笑)。

    ホリエ 宇宙飛行士の人形を置いてたんですよ、1メートルくらいの。ふたりで横並びで立ってるわけでしょ、ドミコは。ストレイテナーもある時期からは必ずそういうふうにやるようにしたんだけど、物理的にドラムの位置を動かせないハコもあったりして。そういう時は、もうほぼ縦並びで立つことになって、それがとにかく恥ずかしくて、それで宇宙飛行士を(笑)。

    さかした なるほど。そっか、僕らも何か立たせたいですね。

    ──さかしたさんの中で、メンバーを増やそうとか考えたことはないですか?

    さかした そうですねえ。全然想像したことがないです。音源だと曲によってはベースも入ってるけど、自分で弾いちゃってますし。でも1回、ワンマンの時に演出でふたりでできる曲をあえて4人編成でやったり、スタジオ入って久々にバンドというものをやった時は感動しましたけどね。ドミコの曲ってルーパーとか使ってるから難しいように見えるけど、すごいシンプルなんですよ。だからあれを4人で分けてやると、とんでもなく簡単なんです(笑)。

    ホリエ あはははは。なるほどね。

    さかした なんだこの曲、っていうくらい、すっげえ簡単で(笑)。

    ホリエ それはなんとなくわかる。entでは音源は僕ひとりで作ってるんだけど、バンド編成でギターをOJ(大山純)に弾いてもらう時、4小節くらいのフレーズをひたすらループして弾き続けてるのを見ると、あまりにも酷だなって思うんだよね。そういうことになっちゃうもんね。

    さかした そういうことになっちゃいますね(笑)。


    意図めいたものがないのが、僕もドミコを好きな理由なんだと思う(ホリエ)



    ──さかしたさんは、ドミコをリスナーにどういうふうに受け入れてほしいとか、考えたりしますか?

    さかした 僕はもう、出てきたものをそのまま曲にしていくっていう、ただの工場みたいなものなので(笑)。ほんとなんか落書きみたいな感じで、無意識に出たものを、じゃあこうデザインするか、みたいな。全然計算とかしないで作っていくので、まったく何も考えてないです。

    ──例えばロックが好きな人に聴いてもらいたいとか、そういうことも?

    さかした ほんとはそういうことも考えたほうがいいんでしょうけど、ほんと、3歳児が砂場で何か作ってるのを、お母さんに見せて自慢するような感じなので(笑)。

    ホリエ そういう変な意図めいたものがないところが、僕もドミコを好きな理由なんだと思う。「この言葉を絶対耳に残そう」とか、そういう意図もまったくなさそうだし。

    さかした 意図しようとすると恥ずかしくなってくるんですよね。考えれば考えるほど、無意識に出てきたものより微妙っていうか、無意識なものには勝てないなって。無意識なものを、頑張っていいようにチョイスするっていう方法のほうが自分にはあっているんだと思います。

    ホリエ ドミコは意外と全然想像つかないようなところにウケる音楽なのかもしれないよね。ジャンルとか関係なく。

    さかした けっこうお客さんとかで、J-POPとドミコが好きっていう人もいたりするんですよ。だからどんな人が好きになってくれるんだろうっていうのは、自分でもまだわからないですね。

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