メジャーデビュー決定! オメでたい頭でなによりの頭の中、そしてまとめ盤『オメコレクション』の衝撃に迫る

メジャーデビュー決定! オメでたい頭でなによりの頭の中、そしてまとめ盤『オメコレクション』の衝撃に迫る

オマージュをすることも、僕なりの表現なんです!(赤飯)


――赤飯さんは、このバンドの結成前から歌い手として大活躍していましたよね。

赤飯 はい。それがあってこその今の僕ですね。でも、「自分の言葉で歌いたい」という気持ちも、どんどん大きくなっていったんです。

ぽにきんぐだむ 今も自分の言葉で歌えてない気もするけど……歌詞、オマージュが多いし(笑)。

赤飯 オマージュをすることも、僕なりの表現なんです! まあ、僕はもともとモノマネも大好きで、そこに自分の思いをのせるのに楽しさを感じていたんですよ。そして、ずっとバンドをやりたいという気持ちも抱いていたんです。

――メンバーのみなさんは、最初は赤飯さんのライブのサポートで誘われたんですよね?

ぽにきんぐだむ はい。営業の仕事をいろいろ受けていた中のひとつだったんですけど、「気が合うね」ということになりました。

赤飯 みんなそれぞれにミュージシャンとしていろいろやってるんですけど、こいつ(ぽにきんぐだむ)と出会った時は、「イケメンやし、ルーツも同じやし、いい感じやな」と。

――共通のルーツは、どんな音楽だったんですか?

ぽにきんぐだむ ラウドミクスチャーです。

――90年代末から00年代初頭くらいのラウドの直撃を喰らった世代ですよね?

赤飯 まさにそうです。KOЯNとかリンプ・ビズキットとか聴いてましたから。

ぽにきんぐだむ 僕はチャリで高校に通学しながらシステム・オブ・ア・ダウンを聴いてました。

――ミト充さん、maoさん、324(G)さんとは、どういう経緯で知り合ったんですか?

赤飯 ミト充とは別のイベントの現場で出会って、歌った時に気持ちよくて、打ち上げの時に「よかったらウチでやらへん?」と。maoとは昔からニコ動界隈で繋がりがあって、上手いのも知っていたし、「あいつならいい化学反応が起きるんじゃないの?」と思いました。あと、今日来てない324は一番古い知り合いです。

――凄腕のミュージシャンが集いつつ、面白い方向に行っているというこのギャップの理由は、何なんでしょう?

赤飯 純粋にかっこいいことをやってるバンドは、ほかにたくさんいてるし、「真正面からやっても100%負けるな」と。それは、メンバー全員の共通認識です。

mao かっこいいことを10年以上の活動で培ってきたバンドに、1、2年の活動で追いつくことはできないと思ったんです。

赤飯 だから「自分たちにしかできなくて、しかも好きなことをやれば、オリジナリティになるのではないか?」と。そして、「チョケたい気持ちをラウドにのせるのがウチらのスタイルであり、それイコール『オメでたい』では?」と。

――オメでたさや笑いの要素がありつつ、感動的な瞬間もあるのも、みなさんのオリジナリティに繋がっていますね。例えば“オメでたい頭でなにより”なんて、すごくにぎやかですけど、聴いていると妙にグッとくる曲じゃないですか。

赤飯 僕は「頭空っぽで明るい」というのではなくて、「この人、どこか寂し気やな」とか、切ない感じが出ているものが好きだったんです。だからウチらの音楽も、こういうものになってるんだと思います。僕が鬼の形相で歌ってても、目の前のお客さんは泣いてくれたりもしてますし、とてもありがたいことです。

これを聴いてもらって、友だちの輪を広げたい(mao)


――みなさんのまとめ盤が元日にリリースされて、2018年の日本のロックシーンの幕開けを飾ることになったわけですが、今作はどういう経緯で制作されたんでしょうか?

赤飯 このCDはインディーズでの区切りとなりますし、おかげさまでいろんなみなさんにオメでたのことを知ってもらえる機会が増えたので、「これを聴いてもらえればライブをしっかり楽しめるよ」というものを作りたかったんです。

ミト充 入門編になってると思います。曲順はmaoが最初に仮案を考えてくれたんですけど、その段階からライブのセトリを想定したものになってました。

mao これを聴いてもらって、友だちの輪を広げたいです。

――“憂き浮きウォッチング”で描いているように?

mao はい。

――“憂き浮きウォッチング”は、数年前に終了したお昼のテレビ番組のことを彷彿とさせますが……様々なオマージュが反映されているのも、みなさんの面白さですね。

ぽにきんぐだむ お茶の間で家族で楽しむあの感じを音楽で表現したいと思ってるんですよ。

――盛り込まれている要素の大半は、みなさんよりもひと世代上のものですよね? 「年齢サバ読んでるのかな?」って思ったんですけど。

ぽにきんぐだむ 違います(笑)。昭和の頃って日本全体に活気があったので、そういうのを自分たちなりに再現したいんです。

赤飯 昭和の頃にあったような、みんなでひとつのものを楽しむあの感覚を味わえたらいいなあと思ってます。「ラウドミュージックをお茶の間に届けたい」という気持ちもありますし、紅白でシャウトするのが目標です。

――特に色濃く感じたのは、昭和40年代、昭和50年代辺りの香りです。例えば“あられ雛DANCE!!”は、昭和50年代半ば頃に人気だった某男性アイドルトリオのことを思い浮かべる瞬間がありました。

赤飯 そのメンバーだった内のおひとりのラジオに先日出させて頂いたんですけど、「この歌詞に出てくるの、俺のバンドじゃん!」っておっしゃってました(笑)。

――(笑)。“VIVA!ハピバ”も、視聴率がモンスター級だった昭和の番組の香りがすごくしますし……あと、いろんなサブカルチャーの要素が入っているのも刺激的です。“生霊の盆踊り”って、映画『死霊の盆踊り』がタイトルの元ネタ?

赤飯 はい。僕、左足に女の生霊が憑いているんです。それをそのまま歌にしました。大江戸線のエスカレーターで、すれ違った女の人が「お邪魔します……お邪魔します……」って言いながら僕を拝んだんですよ。その様子はミュージックビデオでも再現しました。

――生霊が憑いているってことは、このバンドは実は6人編成? 霊界を味方につけているバンドってこと?

赤飯 そうです。おわかり頂けましたでしょうか?

ミト充 だから俺は時々ライブハウスで霊を見るのかも……。ライブ中にドラムセットの横に女性の霊がいたんですよ。

mao 霊もいてくれるっていうのは、考えようによってはオメでたいですね。

――魔界から来た悪魔がやっているバンドもあるわけですから、みなさんは霊界との繋がりを深めたらいかがでしょうか?

赤飯 そうしましょう。霊界の曲も作りたいですね。

mao 『妖怪ウォッチ』の曲みたいにポップにしようね?

赤飯 うん。霊界と言えば丹波哲郎さん……タンバリンを使う?

mao ……っていうようなことをいつも考えて曲を作ってるんです。

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