Psycho le Cémuが今歌う「光」と「影」とは? 復活後初のオリジナルアルバム『Light and Shadow』インタビュー

お芝居とか変なことしなくても、ライブ1本2時間半とかを見せれるようになったっていう意味での進化はできた


――今まさにこの衣装でのツアー中ですが。まずライブが先にあって、アルバムが出るのがツアーファイナルの直前(5月9日)っていうのはこだわりだったんですか?

「1回、曲を配信で出しながらツアーを回るっていうのをやってみようってアイディアがあって。MVも途中から公開して、小出しにしていきながら、ツアーでどんどんアルバムのフルに近づいていくっていう感じに」

――新しい試みですよね。ツアー前半のお客さんとかだと、何もない状態だったわけで。

「そうですそうです。逆に言ったら新曲をライブで聴けるってことですね」

――それってメンバー的にも緊張感ありますよね。

「めちゃくちゃあります(笑)。今回6パターン作ったんですよ。セットリストとお芝居と。初めてじゃないですかね、6パターンもツアーで作ったのは。むちゃくちゃになりますよ(笑)」

――ツアータイトルが『Doppelganger ~ゲルニカ団 漆黒の48時間~ ~PLC学園 最期の48時間~』となっていて、1日目がこの黒い衣装のゲルニカ団、2日目に、カラフルなドッペルゲンガーっていう2パターンが発表されてて。さらに事前にツイッターで「正義 or 悪」のお題に対して投票してもらって、毎回お芝居の結末が変わるんですよね。

「そうなんですよ。ドッペルゲンガーの正義が勝った時は、アンコールで青いPLC学園の学生服で登場するんですけど、ダークサイドが勝ってしまった場合は、血糊のついた黒い学生服で、ちょっと濃いメイクで出てくるっていう。それを見たさに、行くライブ増やそうかなって人もいてくれたり(笑)。結構ダークサイド落ちが少ないんですけど……たまたまなんでしょうけど、『私ダークサイド落ちしかあたってないから、正義バージョンが見たい』とか(笑)」

――お芝居の結末が変わってくるって初めてですよね。

「そうですね。それと、逆にお芝居何もしなくて、ずっとかっこつけてるライブも初めてでしたね。ダークなほうは、お芝居なし、本編MCなし、ほぼシングル曲なしで。結構挑戦やったんですけど、強みになりましたよ。お芝居とか変なことしなくても、ライブ1本2時間半とかを見せれるようになったっていう意味での進化はできたと思います。だからリハーサルすげえ短いっすよ(笑)。演劇の部分とダンス曲も少ないですし、決めごとがないんで。でも成長しますね。みんな気合い入ってますよ」

――このゲルニカ団のキャラクター設定ってあるんですか?

「それがファイナルの豊洲PITでわかるんですよ。ふたつがガチャンと一緒になって、ちゃんと完結するように考えていて。気持ち良い感じにはなるかと思います」


幼馴染でずっとやってるんですけど、もうわいわい、ほんとに小学生ですよ(笑)


――楽しみですね! 思えばPsycho le Cémuが復活する時、もしかしたら衣装とかシンプルになって復活する可能性もあるのかなと思ってたんですよ。でもやっぱり5人がこういう衣装で、今も遊び心を忘れてないというか、仕掛けとか、ライブも作り込んでやってくれるのはさすがですよね。

「……それしか怖くてできないっていう(笑)。いきなりライダースにジーパンでとか、僕ら怖くてできないです。ライブのサプライズも、ファンの期待との闘いですね。そういう恋愛する男の方いるじゃないですか。ああいうのに陥ってますよ。自信がないんでしょうね(笑)」

――飽きさせないようにと(笑)。

「休止してる間はヴィジュアル系シーンに全然いなかったんで、最初勉強するところから始めましたし。初めてゴールデンボンバーさんを見た時は、『それがあったかー!』と思いましたよね(笑)。僕ら、ドラマーがドラムセットから出てきて前で踊るとか、楽器持たないっていうのも新しいこと発見できたなって思ってましたけど、そのままエアーバンドでいっちゃうんや!みたいな(笑)」

――今も昔もサイコのスタイルはオリジナルだと思いますよ。

「先日フランスの『Japan Expo Paris』に出させていただいた時、休止前にアメリカツアー回ってた時と近しき反応が返ってきたのは、時代関係なくおもしろいのかなとは思いましたね。Psycho le CémuのあとにMAN WITH A MISSIONさんでしたからね。どっちも盛り上がってくれてて」

――日本でも、最近は若いお客さんとか、曲は知ってたけどライブを見るのは初めての人とかも多いんじゃないですか?

「多いと思いますね。昔『コロッケ!』ってアニメの主題歌を、『サイコロ コロッケ』って名義でやってたんですけど、その世代の子らが来てくれてるんですよ。年月感じますけど(笑)。あとクレヨンしんちゃんが『ごめんなサイコルシェイム』とか『おやすみなサイコルシェイム』って言ってくれてるって――作者の方が好きだったみたいで。それをあとから知ったんですけど、友達の姪っ子とかに『しんちゃんがバンド名言ってるで』って言われて『なんのこと?』って(笑)」

――(笑)。いろんなところで広がってるんですね。これからもこのスタイルで突き進んでくと思うんですけど、この先やってみたいこととかありますか?

「今メンバーで喋ってるのは、ここからさらに同じことを繰り返すっていうよりは、もうちょっと突き詰めていって――海外の映画っぽい感じのニュアンスとかやってみたいなって話はしてます。まあ、60くらいでこの衣装とか、ちょっとおもしろいと思うんですよね(笑)」

――そこまでやり続けるぞと。

「もうあと1周くらいなんで(笑)。でもすごく楽しくツアーやらせていただいてますし、5人集まったらもうアイディアの出し合いばっかりなんで」

――その空気感っていうのは昔から変わらず?

「ちょっと仲悪いほうが、バンドってぴりぴリしててかっこいいじゃないですか? そのかっこよさがないですね、僕ら。幼馴染でずっとやってるんですけど、もうわいわい、ほんとに小学生ですよ(笑)。武道館っていう目標をひとつ立ててるんですけど、それもありつつ、もう一度ライブひとつひとつ噛みしめながら、楽しみながらやれてるって感じですね」

――では、ひとまずの集大成となる豊洲PITに期待ですね。

「長いライブになりますんで(笑)。楽しみにしてて下さい」

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