現役高校生バンド南無阿部陀仏、ロックに青春を捧げた3年間を語る初インタビュー

現役高校生バンド南無阿部陀仏、ロックに青春を捧げた3年間を語る初インタビュー

みんなに好きって言ってもらえた代表曲を入れられたから、(今回の作品を)高校生のうちに作れたのは、今後の糧になるなと思います(阿部)


――そんな高校3年間の集大成として完成させた『若者よ、耳を貸せ』です。さっき、アントニーくんは「高校3年間の全部が詰まってる」って言ってましたけど、どんな作品になったと思いますか?

まえす 誰かの背中を押す曲もあるし、ラブソングとか、荒れ狂った曲もあるし、いろいろな人が共感できるような作品になったんじゃないかと思いますね。

アントニー ジャンルが全然違うもんね。

そーや 作ってるときの恋とか悩みが全部入ってるから、自分たちの3年間を物語ってます。

阿部 自分たちが作ってきた曲のなかでも、みんなに好きって言ってもらえた代表曲を入れられたから、これを高校生のうちに作れたのは、今後の糧になるなと思います。

――タイトルトラックでもある“若者よ、耳を貸せ”は、同世代の人に聴いてもらいたくて作ったんですか?

まえす 自分たちが高校3年生っていうのもあって、卒業したら、大人だなっていう感覚があるんですよね。でも、何をやったら大人になるんだろう?ってすごく悩んでるんですよ。でも、その先に飛び込むことを思い悩んだり、立ち止まったりしても、何も出てこないし、結局は、自分を信じなきゃ何もできないっていうことを歌いたかったんです。高校3年生って、ほとんどの人がそういうことを考えてると思うから、そういう人たちに少しでも「がんばろう」って思ってほしいんです。

アントニー たしか曲を作ったときは、1個上の先輩が文化祭でいなくなるから、それを後押しできたらっていう気持ちで作ってたんだよね。卒業していく先輩を応援したくて。

――それが1年後の自分たちの気持ちにもハマる曲になったわけですね。誰かのために書いたつもりが、結局、自分たちの背中を押してるというか。

まえす たぶん僕が曲を作るのは、誰かのためでもあり、自分のためでもあるんですよね。自分と同じように悩んでる人もたくさんいると思うから、同じ立場として「がんばろう」って言いたくて。

常に悩んでるんですよね。大人になることもそうだし、人を信じるっていうこともそうだし。でも、最終的には、つらいことも、うれしいこともあるけど、一緒に笑っていようよって思うんです(まえす)


――最後に収録されている“ミサンガ”はライブハウスが似合う曲だなと思いましたけど、いつ頃できたんですか?

まえす これは高校3年生の夏に作った曲です。最後の文化祭で部活を引退するってなったときに、後輩が、「先輩たちがいなくなったらヤバイです」とか、「会えなくなるのが寂しい」って言ってくれて。音楽をやってる限り、想いはつながっていくっていうことを歌おうと思ったんです。いまは別れたとしても、音楽をやっていれば、ライブハウスでも会えるし、悲しい顔をしないで、笑顔でバイバイしようっていう歌ですね。

――《優しい人になりたい/強い人でありたい》というのは、まえすくん自身の願いですか?

まえす それは、常に自分が思ってることなんです。なんだろう……いい人でありたいと思ってて。もともと自分はメンタルが強くなくて、つらいことがあったら、逃げちゃうことがあったし、メンバーにも迷惑をかけたなっていうのがあるから、強い人でありたいっていうのはあるんですよね。

そーや 僕、この曲の歌詞がすごく好きで。聴く人によってはラブソングと捉えるかもしれないし、友だちへの歌にも聴こえる。それがいいと思うんですよね。いま読んでたら、泣きそうになりました。

アントニー 改めて見ると、まえすの歌詞っていいんですよね。

阿部 うん、いい。

――南無阿部陀仏の音楽には、まえすくんの人間性が歌詞にすごく出てるんだろうなと思います。常に何かに悩んでて、不器用なんだけど、それが原動力になって曲が生まれてる。

まえす たしかに、常に悩んでるんですよね。大人になることもそうだし、人を信じるっていうこともそうだし。でも、最終的には、つらいことも、うれしいこともあるけど、一緒に笑っていようよって思うんですよ。だから、“ミサンガ”は《笑っていてほしい》で締めくくってるんです。喋りで自分の気持ちを整理して伝えるのが苦手なんですけど、歌にすると、ちゃんとできるんだなと思いますね。

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