武藤彩未、テーマは「80’s×現代=レトロポップ」――デジタルシングル『IMAGE BOARD』について語る

武藤彩未、テーマは「80’s×現代=レトロポップ」――デジタルシングル『IMAGE BOARD』について語る

歌っている時は、女優さんの気分です。曲によってそれぞれ主人公が変わって、歌う度にその世界に行ける感覚があるので

――“Favorite”は、聴いているとなんだかすごくほっとします。

「私が歌うと懐かしく感じるってよく言われます。昭和歌謡を聴いてきたので、私の歌い方のDNAにそういうものが刻み込まれているのかもしれないですね」

――日本語の響きを大切にしているのが伝わってきますし、聴いていると物語もすごく浮かびます。

「歌っている時は、女優さんの気分です。曲によってそれぞれ主人公が変わって、歌う度にその世界に行ける感覚があるので。私はシンガーソングライターというよりも、たとえば松田聖子さんみたいな歌手のような感じというか。自分で歌詞を書くことはあって、今後もそれは大事だと思っているんですけど、いただいた歌詞を歌うほうが好きなんですよね。そのほうがいろんな世界に行けますし」

――川嶋あいさんが作詞作曲をした“holic”も、物語がすごく見える歌です。

「川嶋あいさんは、現代のアーティストさんで憧れている方のうちのひとりなんです。曲を作っていただけるなんて夢のようでした」

――8年前の8月20日に渋谷公会堂で川嶋さんのライブをお父様と最前列で観たと、ツイッターで書いていましたよね?

「はい。お父さんが、あいさんのこと大好きなんです。私は家族から影響を受けることが多いんですよね。あいさんとシティポップって、ジャンルは違いますけど、なんとなく近いものを私は感じています。あいさんは尾崎豊さんに憧れていたそうですし、80年代の音楽のテイストがあるのかなと思います」

――“holic”も懐かしいテイストがありますが、音色やビートは現代的ですね。

「『今の時代のシティポップ』という感じの曲だと思います。ピュアな女の子の気持ちが詰まっていますね。『あいさんにとって私はこういう女の子に見えてたのかな?』と思ったりもして嬉しいです(笑)」

――(笑)《ドライヤーの風で飛ばしたい 臆病な弱さを》って、すごくイメージが湧きます。

「素敵な表現ですよね。今回の曲をいただいて、改めてあいさんのすごさを感じました。あいさんはレコーディングにも立ち会ってくださったんですけど、(歌入れの時に)『いいね! いいね!』っておっしゃってくださって、ひたすら優しかったです。サビの前はリズミカルなので、『このリズミカルさを強調したらサビが活きるんじゃない?』っていうアドバイスもいただきました」

――お父様、レコーディング現場に来たかったでしょうね。

「さすがに止めました、仕事ですから(笑)。地元のイオンのイベントにあいさんが歌いにいらした時に、大きな花束を渡していたくらいの大ファンだったんですけど。そんなあいさんに曲を書いていただけたのも、最高の誕生日プレゼントです」

「心地好い」と感じていただけるような音楽を、これからも突き詰めていきたいと思っています

――改めて申し上げるのも変な感じですけど、音楽が好きですよね?

「はい、大好きです。日本の昭和歌謡は洋楽からの影響が大きいので、そういうものもいろいろ聴きたくなっています。本当に終わりがないです。どんな音楽も全部繋がっていますからね。聖子さんから松本 隆先生へ行って、はっぴいえんどや、その周りの方々の作品も聴くようになって、70年代の音楽にも興味が出てきて……っていう感じなので、まだまだ聴きたい音楽がたくさんあります。知れば知るほど『音楽って楽しいなあ』っていう気持ちが大きくなっています。最近は楽器もやり始めているんですよ。松本 隆先生の影響でドラムを叩いています。『風街オデッセイ2021』のグッズで松本 隆先生の顔のイラスト入りのスティックがあったので、保存用と使う用の2セットを買いました(笑)。そのスティックを使って練習を頑張ります。音楽って仕事ですけど、本当に好きなので、そういう気持ちになれるのは幸せなことだと思っています」

――3月20日には「SANUKI ROCK COLOSSEUM 2022」に出演されてましたが、活躍の場もどんどん広がっていますね。

「フェスがなかなか開催できない状態が続いていましたけど、機会が少しずつ増えているので、少しでも多くの方々に私の歌を聴いていただきたいと思っています」

――大好きな音楽の魅力も、ご自身の作品を通して幅広い層のみなさんに伝えたいんじゃないですか?

「そうですね。(これまでは)シティポップの魅力についてとか、そんなに深く考えたことはなかったんですけど、日常の中で疲れた気持ちを洗い流してくれる感じがあるように思うんですよ。グルーヴも心地好いですし、爽やかさと軽やかさ、いい意味で重くない感じが今の時代に合っているのかもしれないですね」

――古きよき音楽を現代のリアルな表現として形にしていくというのは、今後も武藤さんが追求していきたいことですか?

「はい。ソロの女性シンガーとして、周りにはないもので勝負していきたいです。あと、わかりやすく場所で言うならば、武道館のステージに立ちたいというのもあるんですよ。憧れの松田聖子さんも武道館で歴史を作ってきたので、同じ場所に立ちたいです。そういう場所に行くためにももっともっといい音楽を作って、広めていきたいです。『心地いい』と感じていただけるような音楽を、これからも突き詰めていきたいと思っています」

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