アルバムが発売されるまでの2年間のライブやレコーディング風景などの映像がステージ上のスクリーンに流れる。既に発売され、その長い月日が詰まった厚みが絶賛されているアルバムではあるが、改めてその重みを感じる。メンバーが登場し、まずはアルバム1曲目の“ペダル”から。時おり志村のMCを交え、アルバムの曲順どおりにライヴが進んでいく。初めて披露された曲が多いことや、テレビの収録が入っていたこともあり、緊張感がつきまとい危なっかしい場面も何度かあったが、生まれたてのような躍動感、アレンジの斬新さが随所にあふれていた。
『TEENAGER』に込められた、ときめきも妄想も覚悟も、歪だが強いエネルギーを持ったロックとして、堂々と鳴っていく。“B.O.I.P.”のフリーキーな掛け合い、“ロマネ”の力強い王道感、“星降る夜になったら”の胸のすくような疾走感。志村の奔放なパフォーマンスも大いに会場を沸かせ、ラスト曲“TEENAGER”まで、曲順が決まっているだけに、一秒一秒を大切にするような特別な空間が流れていた。
アンコールでは志村がPAのスタッフに「曲順変えてごめんなさい。やる予定のなかった曲をやります」と前置きした上で、“花屋の娘”を披露。レアかつ人気のある曲だけに、フロアは一気に大沸騰。そして、続けざまに“銀河”を演奏し、興奮の中、このスペシャル・イベントは幕を閉じた。最新アルバムの曲が、さらに活き活きと鳴らされるであろう3月からの全国ツアーが本当に楽しみになった。(小松香里)