TOKYO METROPOLITAN ROCK FESTIVAL 2014(1日目)@新木場 若洲公園

TOKYO METROPOLITAN ROCK FESTIVAL 2014(1日目)@新木場 若洲公園 - 9mm Parabellum Bullet9mm Parabellum Bullet
新木場駅からバスで15分。都内ではあるものの、オフィス街に高層ビルからは離れた場所にあるのがTOKYO METROPOLITAN ROCK FESTIVAL 2014(以下METROCK)の会場だ。昨年立ち上がったこの野外フェスは今年もチケットの全券種が早々にソールドアウト。雲ひとつない快晴の5月24日、2日間開催の初日。後方に大きな風車がそびえるメインステージ=WINDMILL FIELD、海沿いのSEASIDE PARK、新進気鋭のアーティストが集まったNEW BEAT SQUAREの3ステージに、16組のアーティストが出演した。
TOKYO METROPOLITAN ROCK FESTIVAL 2014(1日目)@新木場 若洲公園 - MAN WITH A MISSIONMAN WITH A MISSION
TOKYO METROPOLITAN ROCK FESTIVAL 2014(1日目)@新木場 若洲公園 - 惑星アブノーマル惑星アブノーマル
TOKYO METROPOLITAN ROCK FESTIVAL 2014(1日目)@新木場 若洲公園 - WHITE ASHWHITE ASH
METROCK 2014、昨年に引き続きWINDMILL FIELDのトップバッターとなったMAN WITH A MISSIONからキックオフ。指を曲げて両手を上げるガウガウポーズで狼たちの登場を待ちわびるオーディエンスは気合い十分といった様子。現在ツアー中ということもあってか、アルバム『Tales of Purefly』収録曲にライヴ定番曲を織り混ぜた選曲。「ファッキンアメイジング ナ アーティスト ト 最後マデ楽シンデクレルト約束シテクレマスカ!?」とこの日1日の充実を会場全体で約束したのだった。NEW BEAT SQUAREで鮮やかな青い衣装をまとった惑星アブノーマルが変幻自在の世界で魅せる一方、SEASIDE PARKではWHITE ASHがソリッドなサウンドを鳴らす。〈オカズがなくてもごはんと味噌汁だけでもおいしい!〉的なシンプルなカッコよさが彼らの魅力だが、その一方、「耳と口と鼻と目と……メトロックー!!」という唯一無二であろうアジテートでオーディエンスを笑わせる。ちなみにこれは昨年もやったもので、これから毎年やります、とのこと。
TOKYO METROPOLITAN ROCK FESTIVAL 2014(1日目)@新木場 若洲公園 - きゃりーぱみゅぱみゅきゃりーぱみゅぱみゅ
TOKYO METROPOLITAN ROCK FESTIVAL 2014(1日目)@新木場 若洲公園 - ゲスの極み乙女。ゲスの極み乙女。
TOKYO METROPOLITAN ROCK FESTIVAL 2014(1日目)@新木場 若洲公園 - OKAMOTO'SOKAMOTO'S
続いてWINDMILL FIELDにはきゃりーぱみゅぱみゅ。色とりどりの衣装を着たきゃりーキッズとともに目にも鮮やかなパフォーマンスを繰り広げる。ワールドツアー真っ只中、もはや世界のポップアイコンとなりつつある彼女は「今年1本目のフェスなので頑張ります!イェイ!」とキュートに意気込みを口にしていた。きゃりーから振り付けのレクチャーがあった“みんなのうた”“にんじゃりばんばん”や、auのCMでおなじみの新曲“きらきらキラー”など7曲を披露。きゃりーが「早く終わったら観に行きたいと思います」と言っていたのはゲスの極み乙女。だ。入場規制になったNEW BEAT SQUARE周辺には、首を伸ばして少しでも中を覗こうとしている人々がたくさんいて、注目度の高さがうかがえた。14時台の最も暑い時間帯、SEASIDE PARKに登場するや否や「いけるのか? いけるのか!? そんなもんじゃないだろ、METROCKー!」と煽り倒していたのはOKAMOTO'S。曲のなかに散りばめられた各パートのソロが見事。4月まで行っていた全国ツアーでバンドがブラッシュアップされたのだろう。そんなアクトに応えてオーディエンスも腕を上げたり飛び跳ねたりするため地面が揺れる揺れる。どストレートにロックを鳴らし、会場をガッツリさらっていくサマは観ていて爽快だった。
TOKYO METROPOLITAN ROCK FESTIVAL 2014(1日目)@新木場 若洲公園 - 星野 源星野 源
TOKYO METROPOLITAN ROCK FESTIVAL 2014(1日目)@新木場 若洲公園 - グッドモーニングアメリカグッドモーニングアメリカ
TOKYO METROPOLITAN ROCK FESTIVAL 2014(1日目)@新木場 若洲公園 - UNISON SQUARE GARDENUNISON SQUARE GARDEN
「(休養中は)Wiiカラオケで自分の曲を唄ってたんだけど、今日こういう場で、この天気で、この曲がやれて嬉しいです」。WINDMILL FIELD 3番手の星野 源は、7曲目“夢の外へ”を始める前にそう語った。ギター、ベース、ドラム、パーカッション、キーボード(ときどきフルート)という編成で披露したのは全8曲。引き出しの中身をひっくり返したかのようなポップチューンはフェスにもってこいだし、快晴の空に溶け込むようなバラードは野外で聴くと時間を忘れさせてくれる。長髪のカツラとサングラスと不自然な裏声を装備したホシケル・ジャクソンが登場した新曲“桜の森”がラストを飾った。そして再び入場規制となったNEW BEAT SQUARE。ぎゅうぎゅう詰めになったオーディエンスを目の前にして、グッドモーニングアメリカの歌がステージ狭しと空へ空へと上っているころ、SEASIDE PARKには斎藤宏介(Vo・G)のポリープ摘出手術後1発目のライヴとなるUNISON SQUARE GARDEN。斎藤・田淵智也(B)・鈴木貴雄(Dr)の正三角形のアンサンブルが会場の熱をグイグイ上昇させていく。ステージに目を向けると田淵が走り回ったり、鈴木がスティックをこまめに回したり、演奏だけではなくビジュアル面でも文字通りアクロバティックなのがユニゾン。いつも通り、30分間のガチンコアクトを繰り広げた。
TOKYO METROPOLITAN ROCK FESTIVAL 2014(1日目)@新木場 若洲公園 - 斉藤和義斉藤和義
TOKYO METROPOLITAN ROCK FESTIVAL 2014(1日目)@新木場 若洲公園 - キュウソネコカミキュウソネコカミ
TOKYO METROPOLITAN ROCK FESTIVAL 2014(1日目)@新木場 若洲公園 - miwamiwa
TOKYO METROPOLITAN ROCK FESTIVAL 2014(1日目)@新木場 若洲公園 - THE BAWDIESTHE BAWDIES
昨年はMANNISH BOYS名義で出演していた斉藤和義。1曲目“やさしくなりたい”のイントロが鳴らされると歓喜の声でWINDMILL FIELDがいっぱいになる。このフェスにお似合いの“メトロに乗って”も演奏された。この日の出演者は若手アーティストが多いかったこともあってさすがの貫録。サポートメンバーとともに、音でコミュニケーションを取っているかのようなセッションを見せてくれた。ミュージックステーションのテーマ曲に乗って入場し、「ここが日本で一番小さいミュージックステーションだー!」と吠えるなど登場からネタを仕込んできたキュウソネコカミは、満員のNEW BEAT SQUAREを恐るべき即効性で以て盛り上げる。日が傾いてきて、涼しい風が時折吹きぬけるSEASIDE PARKではmiwaの透明感溢れる歌声がバンド編成のサウンドに乗ってキラキラと弾ける。小柄な彼女に対して会場からは「かわいい!」という声も多数飛ぶが、バンドを率いてステージの真ん中に立つ姿は凛としていて頼もしい。コール&レスポンスやタオル回しでオーディエンスも大盛り上がりのSEASIDE PARKだった。WINDMILL FIELDに戻ると、THE BAWDIESが登場。「初めましての方もお久しぶりの方も、どの角度から見ても我々がTHE BAWDIESです!」とROY(Vo・B)が言っていたが、シャウト混じりの歌声、キレのあるギターアンサンブル、曲をドライヴさせていくリズム隊、どの角度から見てもロックンロールな演奏で聴き手との距離をあっという間に縮めてしまうのだった。
TOKYO METROPOLITAN ROCK FESTIVAL 2014(1日目)@新木場 若洲公園 - アルカラアルカラ
TOKYO METROPOLITAN ROCK FESTIVAL 2014(1日目)@新木場 若洲公園 - [Alexandros][Alexandros]
NEW BEAT SQUARE、初日のラストを飾るのはアルカラ。サウンドチェックにX JAPANの“紅”を混ぜるなどサービス精神も旺盛な彼らが、渾身の奇天烈ロックでNEW BEAT SQUAREを沸かせるなか、「この前デビューしたばっかの新人なのにこんなに集まってくれてありがとうございます!」と笑うのは2ヵ月前にバンド名を変えた[Alexandros]。昨年秋からのツアーも残すところあと1公演というバンドが熟しているタイミングでの出演、こちらはSEASIDE PARK初日のトリである。新曲を披露しようとしたときに機材トラブルに見舞われるものの、とっさに曲を変えて演奏するなど、アクシデントをも逆手に取ってしまう姿はさすが。「最高!」と何度も叫ぶメンバーも楽しそうだが、もちろんオーディエンスも沸き上がり、コール&レスポンスも合唱もモッシュも後ろの方まで発生していた。
TOKYO METROPOLITAN ROCK FESTIVAL 2014(1日目)@新木場 若洲公園 - 9mm Parabellum Bullet9mm Parabellum Bullet
さて、WINDMILL FIELDにはオーディエンスがわんさか集まってきた。漆黒の空を背景にして真っ赤な照明を浴びて登場したのは、この初日を締めくくる9mm Parabellum Bulletだ。“Cold Edge”“ハートに火をつけて”など、芝生の上で踊るロック・キッズだけではなく、遊具で遊んでいた子供たちまでもノリノリにさせてしまうアッパーチューンもいいが、夜の野外というシチュエーションも相まって、“黒い森の旅人”“カモメ”の壮大かつどこか幻想的な響きが素晴らしかった。祭囃子のリズムを土台に9mm流歌謡ロックを繰り広げた新曲や、初めて出したCD『Gjallarhorn』の1曲目である“(teenage) Disaster”なども披露した。世界を相手にワールドワイドな活躍を見せるアーティストや「今アツい」と言われる若手アーティスト、そして既に今年も多数のフェスへの出演が決定している実力派アーティストまで、豊富なラインナップによって初日から様々な色のライヴを体感することができるMETROCK 2014は、梅雨を目前に控えたこの時期、夏フェスを待ちきれずにウズウズしているオーディエンスを快く迎え入れてくれるようなフェスだった。レポートは2日目へ続くので、そちらもぜひチェックを。(蜂須賀ちなみ)
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