9mm Parabellum Bullet@Zepp Namba

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「『9mm全然ライヴしねえな』って思って、みんな待ってたと思うんですけど。俺たちも思ってたから。こないだまで死んでたようなもんだったよ、俺たちは。今生き返った!」と呼びかける菅原卓郎(Vo・G)の言葉に応えて、満場のZepp Nambaに湧き上がる大歓声!――9mm Parabellum Bulletの自主企画ワンマン「カオスの百年 vol.11」。「カオスの百年」初の大阪開催であり、バンドのライヴとしては実に約半年ぶり(卓郎ソロ弾き語りツアーなど個別活動はあったが)、しかも昨年末に足を骨折した滝善充(G)の完全復活公演!ということもあって、開演前からクライマックス状態のフロアの期待感を、9mm渾身の熱唱とアンサンブルが痛快なまでに凌駕していった、圧巻の名演だった。

9mm Parabellum Bullet@Zepp Namba
 いきなり“Answer And Answer”で熱狂空間と化したZepp Nambaを“Discommunication”でさらに揺らし、“Sleepwalk”“Wanderland”とミステリアスな楽曲を織り重ねていく4人。NIRVANA“Territorial Pissings”〜“どうにもとまらない”のカバー曲連打あり、インストサーフロック“The Revenge of Surf Queen”あり、4thアルバム『Movement』の名曲“Scenes”あり……レア曲、コア曲も含む「カオスの百年」ならではの選曲を、誰もが歌い踊り拳を掲げ全身で謳歌していく。

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 ここで「覚えきれないんで……」とおもむろにカンペを取り出し読み上げる卓郎。「《『9mmの日』・9月9日にクアトロA-Sideシングル『反逆のマーチ/ダークホース/誰も知らない/Mad Pierrot』が発売決定しました》。クアトロ、つまり4つA面だってことですね」という発表に、フロアが感激と驚きに沸く。「俺たち、半年ぐらいずっと作曲作業してました。えー(カンペを見る)、《今回のシングルは四者四様、メンバー4人が作曲・プロデュースを手掛けた4曲を収録しております》」の説明に続けて、その4つの新曲を連射! スパニッシュ×ラテン的な妖気を放つ滝曲“反逆のマーチ”。ソリッド&エモーショナルな中村和彦(B)曲“ダークホース”。ハードエッジな3拍子と珠玉のメロディが絡み合う卓郎曲“誰も知らない”。ツーバスのシャッフルビートが光る、詞曲:かみじょうちひろ(Dr)のロックンロール“Mad Pierrot”……それぞれの個性が四方向に咲き乱れた楽曲が、この日初めて聴いたはずのオーディエンスをごっそり狂騒の彼方へと導いていった。

9mm Parabellum Bullet@Zepp Namba
 “Butterfly Effect”“キャンドルの灯を”“カモメ”と曲調もサウンドもまるで異なる楽曲を惑星直列させて至上の流れを生み出していくのは9mmならではの醍醐味だし、メタルもパンクもロックンロールもラテンも歌謡も取り込み血肉化して「9mmにしか描けないロックのカタルシス」へと結実させるという唯一無二の闘志の在り方が、この日のステージから改めてリアルに伝わってきた。「9mmとしてライヴしてないと、『俺って何者なの?』って感じになってきて。風呂入って鏡とか見てても『誰だこの人?』みたいな。で、『そんな感じなんだよね』って言ったら、和彦も同じようなこと言ってた(笑)。『俺って何なんだっけ?』『何のために生きてんだっけ?』って」と、半年ぶりのライヴの充実感と開放感を露にする卓郎に、フロアから惜しみない拍手が湧き起こる。

9mm Parabellum Bullet@Zepp Namba
 「みんなの半年分のくすぶってた気持ちも、俺たちが火をつけて……」(卓郎)と突入した“ハートに火をつけて”でマイクスタンドが倒れるほどの爆演ぶりを見せた滝の姿も、「9mmが帰ってきた感」をいっそう強く感じさせるものだったし、“Black Market Blues”“Living Dying Message”“Talking Machine”へ続く怒濤の終盤はさながら歓喜の衝撃映像集のようだった。本編ラストでは、9mm最速ビート&最重量サウンドを擁した“The Silence”を、パンクロックのような衝動感で叩きつけていた。現時点での最新作にして最高傑作『Dawning』も、完全に彼らの肉体の一部になった、ということだろう。

9mm Parabellum Bullet@Zepp Namba
 アンコールでは、暗闇に青く光るスティック(!)で爆裂ドラム・ソロを披露し銅鑼を轟かせたかみじょうに続き、10月の「カオスの百年TOUR 2015」の強豪ゲストバンド=MEANING/UNISON SQUARE GARDEN/androp/BLUE ENCOUNT/SPECIAL OTHERS ACOUSTIC/Nothing's Carved In Stone/東京スカパラダイスオーケストラ/the band apart/NAMBA69/アルカラを卓郎が発表。むせ返るような高揚感がさらに熱を増したところへ、3曲連射で凄絶なフィナーレ! 9mmの熱い季節が再び始まった――そんな確かな手応えが、痺れるような余韻とともに胸に残った。(高橋智樹)

[SET LIST]

01.Answer And Answer
02.Discommunication
03.Sleepwalk
04.Wanderland
05.Territorial Pissings ※NIRVANAカバー
06.どうにもとまらない
07.The Revenge of Surf Queen
08.Scenes
09.反逆のマーチ ※新曲
10.ダークホース ※新曲
11.誰も知らない ※新曲
12.Mad Pierrot ※新曲
13.Butterfly Effect
14.キャンドルの灯を
15.カモメ
16.ハートに火をつけて
17.Black Market Blues
18.Living Dying Message
19.Talking Machine
20.The Silence
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