2013年5月8日に五十嵐隆(Vo・G)ソロ(実質はsyrup16g)で行ったNHKホールでのライヴ「生還」の時も、再始動アルバム『Hurt』をリリースして行った東名阪ツアーの東京公演=2014 年9月22日@東京国際フォーラムホールA「再発」の時も、ライブが始まる前、あるいは始まってしばらくしてからも、客席は異様な緊張感に包まれていたが、今回はそのようなことはなかった。SEで“songline(Interlude)”が鳴り響き、3人が出てきて、“冷たい掌”でライヴがスタートしてすぐ「あ、緊張とか必要ないわ」ということがわかった。
曲間が空くたびに客席から飛ぶ声、去年までは「お帰りー!」とか「待ってたよー!」が多かったが、今回は「最高!」一辺倒になっていた。五十嵐がすばらしい歌を歌った時はみんなうっとりしたし、超絶なギターソロをキメた時は「おおっ!」と盛り上がったし、ミスった時には「ああもう!」と突き放した。なお、アンコールでは、五十嵐と客席で「オーイェー!」のコール&レスポンスまで巻き起こった。
「あたりまえに活動している」と言っても、年に1回リリースと短めのツアーがあるだけだ。でも、それで充分だと思う。syrup16gが動いていて、待ってさえいれば新しい曲が聴けて、その曲たちも過去の曲たちもやるライヴを観ることができる。ということの価値を、我々は知ってしまっているので。
余談。
客席、去年や一昨年に比べて、若いファンが増えていたように思った。特に男の子、格好や雰囲気がplentyの江沼っぽい子を何人も見た。コスプレとかじゃなくて、趣味嗜好が近いのだと思う。
なんか納得した。で、そういう世代もsyrup16gを観に来るようになっているという事実を、うれしく思った。(兵庫慎司)
●セットリスト
01 冷たい掌
02 生きているよりマシさ
03 To be honor
04 HELPLESS
05 Stop brain
06 My Song
07 明日を落としても
08 正常
09 Everything is wonderful
10 吐く血
11 Share the light
12 天才
13 真空
14 パープルムカデ
15 神のカルマ
16 Thank you
(encore 1)
17 vampire’s store
18 落堕
(encore 2)
19 生活
20 リアル