ウルフルズ @ 日本武道館

ウルフルズ @ 日本武道館 - ウルフルズウルフルズ
ウルフルズ @ 日本武道館 - ウルフルズウルフルズ
バンド結成20周年記念、そして一昨年のワーナーへの移籍以降の「仕切り直してこのバンドの存在をもう一回どーんと世に問うぞ!」期間に入って以降の集大成となる、久々の日本武道館ワンマン。「シングル全曲やります!(そうね、だいたいね)」というサブタイトルが付いており、開演時刻は17:00に設定されており、ってことはいつぞやの渋谷公会堂みたいに5時間ぐらいやるのかと思っていたら、2回のアンコールを含めて全28曲、3時間ちょっとで終了した。その分、やたら濃くて、やたら充実したライヴだった。

何がよかったって、「20周年の特別なライヴです!」って感じじゃなく、演出も演奏も基本的にいつものウルフルズで、ただいつもと比べるとシングル曲だらけだから、よりキャッチーな内容になっていて、そしてそこにおいて圧勝している内容だったこと。

よけいなことはしなくていい、バンドがすばらしくて、演奏とパフォーマンスがすばらしくて、曲がすばらしいから――そういう感じだった、ほんとに。特に印象的だったのが、“泣けてくる”“ええねん”“笑えれば”あたりの、比較的最近の曲たちが、どれも、初期の代表曲に負けず劣らずすばらしく輝いていたこと。浮き沈みとか好不調とか、山あり谷あり色々あってここまで続いてるバンドだけど、一貫していい曲を作り続けてきてるんだなあ――と、今さらですが、思いました。

ただし、本人たち的には「いつもの」じゃなかったそうで、終演後の楽屋挨拶でトータスは「シングルばっかりやから、どれもキー高いし、テンション上げなあかんし、もう大変やった! こんなライヴは二度とやらん!(笑)」とおっしゃっていました。そのあとケーヤンと話したら「いやあ、大変やったあ。長かったあ……」と疲れきってました。

大変すぎて、一回段取り間違えたそうです。1曲終えた時、ギターを置くべきじゃないタイミングで間違えて置いちゃって、ローディに「違う違う、岩本さん!」と指摘されて慌ててまたギターを持ったそうです。

というようなバタバタが全然うかがえない、いいライヴだったと断言できる夜でした。

蛇足。この「シングル全曲やる」という企画を知った時、古くからのファンはみんな思ったはずだ。「あの2曲どうすんの?」と。ウルフルズには、禁断のシングルが2枚あるのです。1993年、デビュー翌年にもかかわらずレコード会社クビ寸前状態に陥ったドン底の低迷期、タイアップとかいろんな都合で、バンドの意に沿わない形でリリースされることになった2枚のシングル“マカマカBUNBUN”と“世の中ワンダフル”。「歌いたくない言うてるのに歌詞まで書けとは何事や!」とトータスがブチきれて代わりにケーヤンが歌詞を書き、レコーディングの時もどうしても歌えずに、ヘッドホンをしたままブースでトータスはしゃがみこみ――そんな、ほとんどトラウマと言ってもいい記憶、それがこの2曲なのです。ってわりに、今聴いても全然悪い曲じゃないと思うけど。

その2曲どうすんだろ。(そうね、だいたいね)っていうのは暗に「その2曲はやらないよ」ってことを言ってるのかな。などと思っていたら、11曲目のメドレーに織り込んで、ちゃんとやりました。どっちもワンフレーズ歌うだけで、13秒とかそのくらいで終わらせてたけど。とにかく、ちゃんと触ったのは偉いと思った。そんな誉め方されてもうれしくないと思うけど。(兵庫慎司)


セットリスト
1.ガッツだぜ!!
2.トコトンで行こう!
3.ツギハギブギウギ
4.たしかなこと
5.かわいいひと
6.借金大王
7.ヤングソウルダイナマイト
8.夢
9.それが答えだ!
10.明日があるさ
11.メドレー サンキュー・フォー・ザ・ミュージック〜あそぼう〜マカマカBUNBUN〜まかせなさい〜世の中ワンダフル〜がむしゃら〜両方For You〜サンキュー・フォー・ザ・ミュージック
12.サムライソウル
13.暴れだす
14.ワンダフル・ワールド
15.そら
16.やぶれかぶれ
17.しあわせですか
18.泣けてくる
19.すっとばす
20.SUN SUN SUN’95
21.大阪ストラット PART2
22.バカサバイバー
23.ええねん

――アンコール1――
24.四人
25.情熱 A Go-Go
26.事件だッ!
27.笑えれば

――アンコール2――
28.バンザイ〜好きでよかった〜
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