ASIAN KUNG-FU GENERATION @ 日本武道館 - ASIAN KUNG-FU GENERATIONASIAN KUNG-FU GENERATION

ASIAN KUNG-FU GENERATION @ 日本武道館

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「今日は……(チケットが)同じ金額だったら、俺だったらキレる席があるね」「どうですか? 端っこの人は」とゴッチがMCで申し訳なさそうに言わずにいられないくらい、2階席のステージ袖ぎりぎりまでオーディエンスで埋め尽くされた日本武道館。アジカンの『Tour 酔杯(suicup)2008〜THE FINAL〜』のラス前、武道館2Daysの2日目となるこの日のアクトは、それこそオアシスとか大物洋楽アーティストの来日公演を観に来たようなダイナミックな手応えを与えてくれるものだった。終演後の会場打ち上げでキヨシが「『THE FINAL』と銘打ってあるんですけど、これは『解散ライブをやるとしたらどんな感じになるだろう?』っていうことでいろいろ考えていったからで。でも、考え始めるとスタッフも含めてみんなノってきちゃって……」と言っていた通り、それこそアンコールまでの中でシングル曲は“ワールドアパート”以外全部やるし、ということはデビュー当時から今に至るまですべての時期を網羅する内容になっているということだし、“Hold me tight”のような初期の激エモーショナルな楽曲も盛り込んであるし……という、1曲1曲イントロを聴いていくごとに1万人のテンションが音を立てて上がっていくようなセットリスト。最新アルバム『サーフ ブンガク カマクラ』のストレートでラフなギター・ロック・モードと地続きの、バンド・サウンドの熱さと攻撃性を4人で謳歌するようなサウンド。さらに、『NANO-MUGEN FES.』とかアリーナ・ライブなどではわりとコンセプチュアルなステージ装飾を施していることの多いアジカンだが、この日の半円形ビジョンを駆使した大規模なアートワークは、ロックのスケール感と、いい意味でのイケイケ感を味わわせてくれるものだった。合唱し拳を突き上げジャンプするオーディエンスのおかげで、武道館は徹頭徹尾ぐらんぐらん揺さぶられまくりだ。「シングルほぼ全曲」ということで、当然“サイレン”も披露。1stアルバムをいきなり20万枚売り上げたルーキーがその直後に出すにはあまりにヘヴィでダークなシングル曲だった“サイレン”……『君繋ファイブエム』で色めき立つシーンを尻目に、早くもロックの「その先」を描こうと切磋琢磨していたアジカン。デビュー間もないあの時すでに、アジカンはシーンを背負う覚悟を持っていたバンドだった……ということを、この日の“サイレン”の格段にでっかく逞しくなった4人のアンサンブルを聴きながら思い出した。「海外のバンドって、ワイヤレスでいろんなとこ行くでしょ? リハの時、『山ちゃん、あっちの袖のほうまで行けば?』って言ってたじゃん。なんで行かないの?」とMCでは相変わらずメンバーをいじりつつ、それでも演奏に移ると切れ間なく曲を畳み掛け、武道館の大きな空間をソリッドなロックで満たしていく。アンコールではキヨシがカメラ持って登場。「うちの大将(キヨシ)がカメラ買いまして、みなさんを撮りたいって……」とゴッチ。「はい、チーズ!」のキヨシの声に、フロアに一斉に突き上がるピースサイン! それを見ていたゴッチ、「あんなん絶対撮れてないから。だいたいわかる。次のツアーでは絶対持ってこないから!(笑)。一級船舶の免許もとったけど、船の話聞かないよね? でも、キヨシみたいなのがいるから景気よくなるんだよね? なんだか、給付金で12000円くれるっていうけど、キヨシにあげればすぐ使っちゃうよ」。散々いじった挙げ句、1曲後のMCで「……人前で人のことをディスっちゃいけないって思いました。でも、キヨシのことを言ってたのは、愛があるから!」と微笑ましくフォローしてみせるあたりアジカンらしいなあ、と思わずニヤリとさせられる。2時間強のメニューを全力で駆け抜けるような体感速度のサウンドスケープを描き出して、この日のアクトは終了。18日の大阪城ホール公演を残しているので、具体的な曲順は割愛。というか、曲順云々ではなく、あたかもアジカン自身が、ロックに夢見てロックに胸躍らせる少年時代の自分たちに向けたかのような内容だったことに、なんだか感激してしまった――そんなライブだった。『〜THE FINAL〜』のファイナルとなる大阪城ホール公演ではさらに趣向を凝らす予定、とのこと。観る人はお楽しみに。というか、観れる人が純粋に羨ましくて仕方がない。(高橋智樹)
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