yonige/Zepp Tokyo

yonige/Zepp Tokyo - All photo by Viola Kam (V'z Twinkle)All photo by Viola Kam (V'z Twinkle)
●セットリスト
1. 女の子の日
2. ワンルーム
3. スラッカー
4. バッドエンド週末
5. おうまさん
6. あのこのゆくえ
7. our time city
8. 各駅停車
9. バイ・マイ・サイ
10. サイケデリックイエスタデイ
11. とけた、夏
12. しがないふたり
13. 恋と退屈
14. さよならバイバイ
15. さよならプリズナー
Encore
1. さよならアイデンティティー
2. アボカド


yonige/Zepp Tokyo
全てが攻めのライブだった。お客さんを女子だけに限定にしたことも、メジャー一発目のライブとして立つ会場にZepp Tokyoを選んだことも、それをフリーライブにしたことも。yonigeには攻めの姿勢がよく似合う。9月20日にアルバム『girls like girls』でメジャーデビューした彼女たちが一夜限りで開催した「女の子の逆襲」。それは、女であることをとうの昔に受け入れながら、いかにかっこいいロックバンドであるかに全神経を注ぐyonigeの姿そのものが、集まった女子たちの勇気になるような、強くて美しいライブだった。

yonige/Zepp Tokyo
yonige/Zepp Tokyo
SEはThe SALOVERSの“ビオトープ -生物生育空間-”。会場に詰めかけた女子たち(一部、女装した男子も)の黄色い歓声に包まれて、牛丸ありさ(Vo・G)とごっきん(B・Cho)がステージに現れると、オープニングを飾ったのは、今回のイベントのタイトルにもなっている1stデモ音源『女の子の逆襲』に収録の“女の子の日”だ。牛丸の「いっせーの!」を合図に、集まった女子たちが「死ね」と叫ぶ。このイベントにこれ以上ないほど相応しい始まりだった。サポートドラムをひとり迎えて、ごっきんが繰り出す歪んだベースと、牛丸が掻き鳴らす鋭利なギター、そしてハスキーな歌声。その音は潔くて迷いがなかった。小さなライブハウスを大切に活動するyonigeだが、Zepp Tokyoという広い会場にもその音楽はよく映える。

yonige/Zepp Tokyo
「メジャーになってから最初のライブです。ありがとうございます、立ち会ってくれて」。牛丸の言葉に温かい拍手が湧くなか、『girls like girls』の収録曲はもちろん、“バッドエンド終末”など過去の楽曲も織り交ぜながらライブは進んでいった。「メジャーデビューって言われても、寝屋川の片田舎から出た女の子ふたり……ねえ。Zeppでワンマン、大層な話やで、夢あんなあ」と、ごっきんのゆるいMC。続けて牛丸も『girls like girls』が非常に制作期間が短いなかでの制作だったことを明かすと、中盤からはよりディープな曲たちでyonigeだけの特別な空間を作り上げていく。ギリギリの感情を繊細な言葉で綴った印象的なミディアムテンポ“各駅停車”、ステージの照明を暗めにして、牛丸がひとりギターを弾きながらファルセットで歌い始めた“サイケデリックイエスタデイ”、次第に熱を帯びていくバンドサウンドにポエトリーリーディングで言葉を綴った“とけた、夏”。ごっきんが長い髪を振り乱しながら激しいプレイを見せる傍らで、牛丸が1曲ごとに丁寧に感情を込めてゆくスリリングなステージからは、一瞬たりとも目を離すことができなかった。

yonige/Zepp Tokyo
「今日は節目ですよね。インディーズのときは自分たちがかっこよければ、絶対に売れると思ってたけど、ちょっと大きくなったら、大人のちからも必要だなってわかってきた。私たちのことを集客ゼロのときから見つけてくれた大好きな社長、遅刻をしても全く嫌な顔をしないで、私たちの尻ぬぐいをしてくれるスタッフのみなさん、ありがとうございます」と、ごっきん。特別な日だからこそ、いつものように飾らない言葉で伝えた感謝の気持ちは、とても胸に響くものだった。ライブの締め括りに用意されていたのは“さよならバイバイ”や“さよならプリズナー”といった疾走感の溢れる「さよなら二部作」。フロアには明るい光が降り注ぐなか、しっかりとお客さん巻き込んでライブは幕を閉じた。 

yonige/Zepp Tokyo
アンコールでは、「またいつかお金をとって、Zeppでやるので」と、牛丸。あまりにもストレートな言い方だったが、yonigeらしい再会の約束だ。「みんなの好きな曲を最後にやって終わろうと思います」と披露されたのは、“さよならアイデンティティー”と“アボカド”だった。自分の心を抉りながら、かたちのない感情に名前を与えるように紡ぐyonigeの歌は、決して私たちが素通りしていくことを許さない。女子であることに執着することもなく、ましてや捨てることもなく、女子のままに、女子を生きる。そんなyonigeの音楽に惜しみない拍手と喝采が送られたフィナーレ。同性にこそ好かれる女子は本当にかっこいい。(秦理絵)

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終演後ブログ
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