ブレット・フォー・マイ・ヴァレンタイン @ Zepp Tokyo

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オープニングを飾るのはカナダ発の5人組、プロテスト・ザ・ヒーロー。メタルのみならず、エモ、パンク、そしてプログレまでをも取り込んだコンセプト・アルバム『フォートレス』を引っさげて、昨年のPUNKSPRING以来の来日である。荒削りな部分はありながらも、気持ちのこもったアクトに観客は早くも熱狂。

PTHが終わると、ステージの前面に白いスクリーンが張られる。そして、客電が落ち、スクリーンにフロント3人のシルエットが投影されると、その熱狂は最高潮に。いよいよブレット・フォー・マイ・ヴァレンタインの登場だ。最新アルバム『スクリーム・エイム・ファイア』がここ日本でもオリコン洋楽チャート1位に輝き、いまやUKのみならず世界的に新世代メタルの旗手となったBFMV。そのアルバムの表題曲“スクリーム・エイム・ファイア”から始まったライブは、ツイン・ギターの迫力、美しいメロディと地響きのようなスクリーム、勢いのあるバンドとはこういうものかいうパワーに満ちていた。

新世代メタルといわれているアヴェンジド・セヴンフォールドやBFMVだが、ライブを観ていつも驚くのは、その客層である。いわゆるコアなメタル・ファンはもちろんだが、エモ・キッズやパンク・キッズまで飲み込んだファンベースの裾野はかなり広い。年代も性別もバランスがよく、すごくオープンな雰囲気なのだ。そしてバンドに対する熱がすごい。この日のハイライトも、主役は観客だった。前作『ザ・ポイズン』からの楽曲“ハンド・オブ・ブラッド”では、マット(Vo/G)が客席に「歌詞が分かる奴いるか?」と呼びかけ、ふたりのファンを選抜。ボーカルを任せてしまった。で、ステージに上がった彼らも完璧に歌えてしまうし、それをほかの観客はものすごい歓声でサポートするし、会場いっぱいの人間がひとつのヴァイブを作り上げるとこんな迫力なのか、と驚かされる。

バンドのほうもいい感じだったのだろう。アンコールも2回、ホールを覆った熱気は一瞬たりとも冷めやらぬまま終演を迎えた。いま、ファンとバンドがいちばんピュアかつダイレクトに繋がっているのって、このあたりのシーンなのかもしれないな。(小川智宏)
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