WANIMA/豊洲PIT

WANIMA/豊洲PIT - All photo by 瀧本JON...行秀All photo by 瀧本JON...行秀


●セットリスト
1.Call
2.LIFE
3.枯れない薔薇
4.Cheddar Flavor
5.昨日の歌
6.夏の面影
7.TRACE
8.THANX
9.1106
10.Faker
11.となりに
12.終わりのはじまり
13.つづくもの
14.BIG UP
15.ネガウコト
16.SHADES

(アンコール)
EN1.ONCE AGAIN
EN2.月の傍で
EN3.花火
EN4.離れていても(新曲)


これこそがパンクロックの意味、これこそがライブの意味だということを一瞬の体験として理解させる、とんでもない説得力のパフォーマンスだった。緊急事態宣言に伴う公演の振替がありながらも、全国21公演(+追加公演)がスケジュールされた「Cheddar Flavor Tour 2021」の18本目、東京・豊洲PIT初日。もちろん、感染症対策として大幅に動員数が抑えられ(座席制)、シンガロングや大きな発声の自粛が求められるなど、制限の多いライブではあったけれど、それを補って余りある思いと熱量を込め、WANIMAは今回のツアーに臨んでいたのだ。なお、彼らは出演を予定していた「京都大作戦2021」2週目の中止(延期)を受けて、急遽8月31日にツアーの京都公演を開催することをアナウンスしている。

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最新登場SE“Brand New Day”に乗って姿を見せる3人を、総立ちの拍手で迎えるオーディエンス。KENTA(Vo・B)は、開演を待ちきれない、とばかりに生歌をSEに被せる。そして“Call”の歌い出しから、とてつもなく感情質量の高いパンクロックの音塊が、こちらのどてっ腹めがけて投げ込まれた。間髪入れずに“LIFE”、“枯れない薔薇”と続く曲順はミニアルバム『Cheddar Flavor』と同様だが、昨年末の「Boil Down 2020」では演奏されなかった待望のライブ披露ということもあって、凄まじい瞬発力でオーディエンスを焚き付け、視界一面をバウンスさせる。ただ「速い」だけではない、強力なメロディのうねりをもって、オーディエンスの心と身体を呑み込んでゆく手応えだ。驚異的なスピード感の中でも、歌とサウンドががっちりと手を取り合い、ブレることなくまっすぐに届けられるのである。

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今の自分たちのライブが、どれだけ熱狂的なものになるかを理解しているのだろう。KENTAはMCの場面となれば笑顔でオーディエンスに着席を促し、語り、そして落ち着いた口調であらためて「Cheddar Flavor Tour、開催します!」と告げる。熱狂が過剰にならないよう配慮し、しかし確実にオーディエンスの胸の奥にタッチしながら、「セイヤ!」のサンプリングボイスが挿入されたFUJI(Dr・Cho)のドラムソロへと繋いでいった。電飾が施されたドラムセットや巨大アンプは華やかに目に映るけれど、3人は必要以上にステージ上を動き回ることもない。それぞれに粒だったサウンドと歌に注力し、何よりも楽曲に込めた思いや熱量を正確に伝えるために、並々ならぬ努力を払ってきたことが窺える。

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『Cheddar Flavor』以降の作品群が、こんなふうにWANIMAのより一層真摯な音楽との向き合い方を引き出してきたのだろう。“TRACE”や“THANX”、そして彼岸のソウルパートを織り込みながら傾れ込んでゆくドラマティックな構成の“1106”など、歌心がかつての数倍に膨れ上がって響いている気がした。KO-SHIN(G・Cho)による幽玄のギターサウンドが鳴り響くソロがまた美しい。静と動、抑と揚を自在に行き来しつつ、オーディエンスの分も歌ってやろうとする3人の結束力が見える。“Faker”の、堰を切ったように溢れ出す激情もすごい。

息を切らせて、正座の姿勢で最新の3部作と今回のツアーに込めた思いを語るKENTA。『Chilly Chili Sauce』からは、“ネガウコト”なども届けられる。そして「久々の生音どうでした? 体にバーンと当たるでしょ」と告げながらのアンコールでは、長らく音源化が待たれる(デビュー前のデモに収録)“ONCE AGAIN”や、初めて触れても歌が染み渡る新曲“離れていても”が披露された。ライブの掛け替えのなさを、音楽の響きそのもので証明するということ。あなたが次に会う時にも、WANIMAはきっとそれを伝えてくれるのだろう。(小池宏和)

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