奥田民生「ひとりカンタビレ」完全実況! @ 渋谷DUO

奥田民生「ひとりカンタビレ」完全実況! @ 渋谷DUO
奥田民生「ひとりカンタビレ」完全実況! @ 渋谷DUO
奥田民生「ひとりカンタビレ」完全実況! @ 渋谷DUO - pics by TEPPEIpics by TEPPEI
奥田民生の公開ひとり多重録音レコーディング・ツアー、「ひとりカンタビレ」初日なのですが、これ、公式サイトで、リアルタイムで配信されています。で、本日の渋谷DUO、私が今いる2階はすべて関係者席・取材者席になっていて、あちこちでパソコン開けてカチャカチャやっている人がいる。どうやら、観ながら書いていいみたいです。
じゃあこれ、ここで全部書いていって、それをそのままアップしてもいいのかな。いいよね。生で全世界に配信してるんだから、伏せておく必要ないよね。
なので、リアルタイムで書いていきます。終わったら、会社に戻ってアップします。

18:25
開場&開演5分前。客席にはテーブルとイスがズラーッ。全員のテーブルの上に紙とペンが置かれていて、「民生に質問しよう!」とか書いてある。で、かわきもののお菓子が置かれたテーブルが何箇所かにある。煮物(イカ大根、豚角大根、肉じゃがの3種類)のカウンターもある。自由に食べてよいようです。
ステージの上には、ドラムセット、アンプ各種、ソファーとテーブル、ギターとベース、でっかいパソコンが2台(これで録る)とスピーカー、サポート・エンジニアと思しきスタッフが1名。メイン・エンジニアは、本人。
ステージ後方にはスクリーンがあって、パソコンの画面(ミキサーになっている)を映したり、ステージ上を映したりする。OTは既にステージにいて、パソコンをいじったり、スタッフと話したり、コンビニのものと思われる弁当を食ったりしています。

18:30
開場&開演。OTはそのままステージの上で、ドラムのキックをドンドン踏んでみたり、パソコンをいじったり、そのパソコンでAC/DCの“BACK IN BLACK”をかけたりしている中、お客さんがゾロゾロ入ってきて、着席していく。みんな、ステージ上のOTには気づいてるんだけど、誰も歓声は発さない、大変に妙な雰囲気。

18:46
だいたい客席が埋まったので、OT、あいさつ(やっとここで歓声と拍手)。まず、このライブの趣旨を説明する。あと、「ざわざわしゃべってても大丈夫なんで。レコーディングしてるとはいえ、客席の音はあんまり入らないんで」とか、いろいろと前もって説明する。で、「最後に、言うことがあるとすれば、あんまりじろじろ観ないでください。緊張するんで。それでは、ご歓談ください」で、しめくくる。
と思ったら、「ドラムから録ります」「歌は2時間後くらいかも」「なんならその間パチンコに行ってもらっても」などと言いつつ、パソコンからドンカマ(リズムマシン)の音を出し、それをヘッドホンで聴きながらドラムを叩き、それを録るところから、作業、本格スタート。
昨日観に行ったそうで、応接セットのテーブルの上では、AC/DCのツノが赤く点滅しています。ギターを録る時は、頭に装着するそうです。

18:58
ドラムの1テイク目、終了。客席から拍手が上がり、OT、「いやいやいや」とうろたえる。で、パソコンの前に移動し、今録ったドラムをチェック。で、「……OKだって、誰が決めるんだろう?」とひとこと。客席、失笑。OT、2階に向かって、「テッチ、どっか(ミス)あったっけ?」と大声できく。テッチ、2階から「大丈夫、大丈夫」と答える。私の位置からは見えませんでしたが、おそらくSPARKS GO GOのテッチだと思います。で、OT、「ドラム、終わり」と宣言。客席、拍手。

19:00
続いてベースのレコーディング、スタート。ここで音色から作っていると、はてしなく時間がかかるので、あらかじめ決めておいたそうです。ベースは赤いリッケンバッカー、ピック弾き。場所は、パソコンのモニターの前。座って弾く。
ただし、ドラムとベースだけだと、自分が曲のどこをどう弾いているのかわからなくなるらしく、前もって録っておいた仮のギターの音を小さく出しながら、ドラムに合わせて録り始める。が、1コーラスくらいで「間違えました」と中断。
再び最初から弾き始める。後半、かなり激しく動くベースライン。で、弾ききれず、「ダメだこりゃ」「これってほんとはボーカルとかと一緒に盛り上がるもんだよね。ひとりだとむなしくなる」とか言いながら、パンチイン(間違えた部分だけ弾いて録り直すこと)の作業に入る。でもやっぱり弾ききれなくて、途中でやめて、「あーっ!!」とか叫ぶ。
その後、数度のやり直しや、細かいパンチインや、パソコン画面上での姑息な修正の後、2階席に向かって「いいかなあ、ネギちゃん!」と叫ぶ。ネギちゃんこと根岸孝旨、「大丈夫!」と返事。OT、「なんだよ、みんな来るんだったらやればいいじゃないか。みんなが忙しいと思ったから、この企画にしたのに」とブツブツ言いながら、19:18、ベース録り終了を宣言。

19:20
ギター録りの作業スタート。ギターは黒いセミアコ(たぶんグレッチ、違ったらごめんなさい)、アンプは「昨日AC/DC観たから」と、マーシャル2台をセレクト。グッズの孫の手(そんなもん作るのがいかにもOTです)で、背中をかいて宣伝したあと、AC/DC“BACK IN BLACK”のリフをつまびいたりしつつ、サウンドチェック。
で、クリックを聴きながら録り始めようとした時、客席に「(AC/DCの)ツノは?」とつっこまれ、「あ、忘れてた」と、赤いヘッドホンと共に、ツノを頭に装着。録音、スタート。
ちょっとAC/DCっぽい、かっちょいいリフを弾くOT。にしても、ギターが入ると、この段階で、「音」が「曲」の形になる気がしますね。おもしろい。
あ、でも、ギターのチューニング、ちょっと甘いかも。と思ったら、本人もそう思ったらしく、途中でやめてチューニングを直し、最初からやり直す。
最後まで弾ききり、2本目のギターを入れようとしたところで、「……ここの箇所、ドラムの奴が失敗してるね」と、気になりだすOT。「どうしよう……まあいいや、次のギター入れよう」ということに。

19:37
OT、2本目のギター、アンガス・ヤングと同じ、ワインレッドのギブソンSGを手にする。チューニングしながら「今から、アンガス・ヤングのお兄さんの方です(マルコム・ヤング。AC/DCのサイド・ギター)」と説明。「1本目よりも、もうちょっと軽い音で……こう、コキタネイティヴ。知ってますか、コキタネイティヴ。業界用語です」とか言って、客席を困らせたのち、さっきからステージにいるエンジニアが、民生の仕事でおなじみの宮島哲博氏であることを紹介。
そして、2本目のギターの録音スタート。今度はツノのみでヘッドホンなし。
しかし、途中までいい感じだったが、フットスイッチを踏もうと立ち上がったところ、そのフットスイッチの場所まで行くとパソコン横のスピーカーの音がきこえなくなることに気づき、立って弾きながらしばらくまごまごしたあと、演奏を中断。ヘッドホンをして、立って弾いて、録り直す。
何度かミスってやり直したり、録らなくていいとこを誤って録ったので、そこを消したりしながら、19:53、2本目のギター録り、終了。

19:54
次は歌か、と思ったら「もう1本ギター。ソロみたいな。みたいなみたいな」と言い出すOT。で、「ギター選ぶから休憩! 休憩の時ってCM流れたりするんじゃなかったっけ?」と要求、画面でキューンレコードのネット番組『はみでろ! キューン』が流れる中、休憩タイムに入る。お客さんがお菓子を取りにいったりする中、OT、ギターとアンプを選んだり、タバコを喫ったりする。
画面では、POLYSICSのフミちゃんが、例の「こないだのアメリカツアーで食べた食事の総額クイズ」の話や、武道館の宣伝コメントをしています。武道館、昨日終わったタイミングなのが、惜しいところです。
本日のオフィシャルカメラマンのひとり、TEPPEIは、2階の隅でパソコンを広げ、ここまで撮った写真のチェックをしています。ちょっと顔が痩せた気がします。忙しくて食ってないんでしょうか。貧乏なんでしょうか。後者であることを望みます。

20:06
OT、「準備ができました」と、休憩を終了。ギターは、レッド・サンバーストのギブソン・レスポールをセレクト。で、イントロなど、曲のポイントポイントに、エフェクトを効かせた音で、単音弾きのリードギターをかぶせていく。曲の全体に入れるわけではないので、サクサクと「録っては聴き、次の箇所へ」という作業の繰り返しが進み、15分とかからず作業が終了。

20:20
次はいよいよヴォーカル。本人、「ここにきてやっと、どういう曲かわかる時がきましたよ」と発言。と思ったら、「あ、違う。キーボードだ。さっきの音がしてないところ(後半で長いブレイクがある曲なのです)に入れるんだ」と訂正。そして、「このために買ったんです」と、ピアニカみたいに小さいキーボードを出す。で、パソコン上の何かを苦労して調整したり、煙草を喫ったり、2階の斉藤有太に話しかけたりしながら、キーボードの音色を設定。
「うまくいったら1回で終わりますが……」と前置きして、そのブレイクのところのキーボードを録る。完奏! と思ったら、まだブレイクが終わらず、OT、「あっ、まだあった!」。客席、大笑い。最初から録り直すが、途中でなんかプチッと音が入って、またやり直し。3回目で見事成功、会場、大拍手。開演2時間にして、初めて場がひとつになった瞬間でした。

20:33
これで鍵盤が終わりかと思ったら、音を変えてもう1回鍵盤。メロトロンを模した音に変えて(前もって用意しておいたそうです)、さっきのキーボードのところの後半にかぶせる。なんかブチブチノイズが入るのを気にするOT。でも、聴き直してみたら大丈夫で、作業終了。

20:38
いよいよヴォーカル、かと思ったら、さらにまたキーボード。さらにまた音色を変える。
2階の私、ふと横を見ると、TEPPEI、撮らずにまだパソコンの前でなんかやっている。
「何してんの?」「いや、即出し用の写真、もう選んでるんです」だそうです。レコード会社が、スポーツ新聞とかに貸すやつだと思います。うちにも貸してください。
ステージ上では民生、今度はブレイクのところではなく、曲のさらに後半の盛り上がるところに、キーボードをかぶせる。若干プレイをミスりつつも「どうせきこえねえよ。ちょっと(キーボードのボリュームを)下げる?」とか言いつつOKを出し、「キーボード、ほんとはもう1つあるんですけど、めんどくさくなったんで、事前に用意しといたやつを使います」と宣言。客席、温かい失笑の渦に包まれる。

20:46
いよいよ本当にヴォーカル録り。OT、ソデで「うあーっ!!」とか叫んでコンディションを整える。で、ヘッドホンして、パソコンの前にマイクを出して、座ったままマイクチェックをし、歌入れスタート。あたりまえだけど、客席のステージへの集中度、今この瞬間、ピークを記録する。
と思ったら、コーラスで歌うのをやめ、「さみしいからエコーかけていい?」とパソコンを操作、深いエコーを施すOT。で、最初から歌い始める。
おおおおお。こういう曲だったのかあ。OT王道のハードででっかいタイム感のロックンロール。「日本人が、日本語で、こんなことを……」って、バンド小僧が最も絶句する、そしてあこがれるタイプの民生曲です。歌詞も、意味深かつメッセージ性が強そうで、いい感じ。あと、メロディのパターンや展開が多くて、壮大。アルバムの最後に入っていそうな曲、といえます。
OT、最後まで歌いきるが、「ではもう一度」と、もう一回頭から歌って録る。あ、2回目のほうがいい、声がよく出ていて。そりゃそうか。歌い終わったあと、拍手がわきました。
で。頭から全部聴いてみるOTと客席。
聴き終わると、OT、「ちょっと、嫌いなとこだけ直していいですか?」「ちょっとウウッ!って言い過ぎて、空回りしてるとこがある」。
で、1箇所歌い直して録り、すぐリプレイ。OK。で、もう1箇所歌い直してリプレイ。NG。もう1回歌う。OK。これにて、メイン・ボーカル録りが終了した。

21:11
そして、そのままコーラス録りに突入。まず、曲の後半で、「ダブル」っていってもう一回同じように歌うパートを録る(これを二重でスピーカーから出すのです)。2テイク目の頭をちょっと歌い直して、OK。

21:17
さらに後半のコーラス、今度は主旋律より低いパートを録る。途中で力尽きてやめて、「違うって! このあとも続けるはずだったの! ……パンチインしよう」と、誰に言うでもなく言って、また作業に戻る。何度かミスって、歌い直し&録り直しを重ねる。続いて、さらに今度は高いパートのコーラスも重ねていく。すべての「録り」作業が終了したのは、21:30でした。

21:30
OT、「というわけで、ほぼ音は入ったはずなんです」と宣言。一瞬の、妙な間のあと、客席、拍手。OT、「なので、音のバランスをとってからお聴かせしますので、しばしご歓談ください」。
また画面に『はみでろ! キューン』が映しだされる中、しばし休憩。本人はミックス作業。

21:47
ミックス終了、再開。で、「質問シートのことを忘れてましたんで」と、いくつかの質問に答えるOT。「ギターの音の歪みはアンプによるものですか?」とか、「そもそもパソコンのソフトの種類はなんですか?」とか、「いつもこの作業はどのくらいの時間でやってるんですか?」とか(家で計ってみたら5時間もかかっていたそうです。もっと早いもんだと思っていて、だからこのツアーをやろうと思ったので、ゆえに今、後悔しているそうです)、とか、「キーボードに使っていたシンセのソフトはなんですか?」とか、「この曲は配信だけでCDにはしないんですか?」とか、そういう質問に答える(ツアー終わったらアルバムにしたいそうです)。
で、完成した曲を、全員で聴く。いやあ、なんかすごい達成感。って何にもしてないけど俺。観てて聴いてて書いてただけだけど。なんでだろう。
曲が終わり、大拍手の中、OT、「いやあ、なんとなく形になりましたね」。今日は5分以上ある曲だったのと、楽器の多いアレンジだったので、長めになったそうです。

というわけで、22:00ぴったり、初日、無事終了しました。

なお、この曲“最強のこれから”は、レコ直ですぐに配信をするそうです。うまくいけばこの3時間後くらい、つまり25時くらいには配信スタートするそうです。すごい。(兵庫慎司)
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