先陣を担ったのは、USレコーディングから帰国して間もないグッフォー。満場のオーディエンスの沸き立つような歓声に迎えられ、「渋谷、久しぶり! ロックしようぜ〜!!」とU-tanがアジテート、先のスプリットからの“PERFECT FUTURE”で一気呵成にライブをキックオフ! 2曲目“Maximize”では、新ドラマー・SUNEのドカドカ突っ走るビートがさらにクアトロのケツを蹴りあげ、袖で ALLiSTERも見守るなか盛大な熱狂を作り上げていく。好きだった女の子にふられた直後でもケロッと笑顔にならずにはいられないくらい、底抜けにポジティブで、徹底的にアグレッシブな4人のパフォーマンスがクアトロをみるみる絶頂へと持ち上げていくのだった。
MCではU-tan、「ウェルカム・トゥ・ジャパン!」とALLiSTERを歓迎。「1ヵ月半くらい前から次のアルバムのレコーディングやっとって、いちびってポートランドにボーカル録りに行ってきて、いちびって帰ってきて、で、いちびって ALLiSTERとツアーやってます!」と近況報告(関西弁丸出し!笑 ちなみに“いちびって”とは、「調子に乗って」みたいな意味合いです)。「2002年やったな? ALLiSTERが最初に大阪に来たとき、俺ら大好きやったから楽屋に行って『聴いてくれ!』ってCD渡して。で、2006 年にELLEGARDENとALLiSTERのツアーの時に俺らも一緒にやらせてもらって、そん時に『あの時もらったCDの曲、今日やるの?』って言ってくれて、めっちゃ聴いてくれとったんやと! うれしかったなあ」と、ALLiSTERとの思い出話も開陳。(「全部言われてもぉたわ……」と何故か悔しそうなTanny・笑)。終盤も「渋谷、まだまだイケんちゃうん!? みんなたまってんちゃうん!? 全部出したらエエんちゃうん!!??」とTannyがアジって、ラストには袖から勢いよくALLiSTERの4 人が飛び出してグッフォーと共にシャウト!スコットは水鉄砲でピュー!ピュー!)。これ以上ないくらいクアトロをフィーバーさせてライブを締めくくったグッフォーだった。
しばしの転換後、いよいよALLiSTERが登場。「ただいま、トーキョー! アガッてこうぜ!」とスコットが得意の日本語でご挨拶。そしてオープニングの“Scratch”からティムは熱烈にジャンプするわ、カイルはぶんぶんギター振り回すわ、初っ端から暴れる!暴れる! 昨日グッフォーと食い上げたちゃんこ鍋の効能もあって(?)、エネルギッシュに畳み掛けるALLiSTERである。袖ではTanny とU-tanがノリノリで観戦するなか、まばゆい陽光の降り注ぐようなメロディック・チューンを解き放ち、グッフォー同様、フロント3人がステージ狭しと動き回る機動的なステージングでぐいぐいテンションを押し上げていくのだった。
ブレイクでは「ただいま! もう3年半ぶりですね。ホンマに来てくれてありがとうございます! GOOD 4 NOTHINGとツアーができてすごく嬉しい!」とスコットが流暢な日本語で語りかける。するとティムが、ミネラル・ウォーターをグビッと飲んで「ニホンの水は、ホンマうまいわぁ~!」と明らかにグッフォーの入れ知恵と思われる日本語でMC(場内、大爆笑でした!)。そして「先月『Countdown to Nowhere』っていうニュー・アルバムを出したばかりで、聴いてくれてる?(「イェー!!」と盛大にフロア)次はそのアルバムから、知ってたら歌って!」(スコット)と“All We Needed”を披露。リリース直後にも関わらず、クアトロは盛大なシンガロングで応えていた。
終盤も、グッフォーのそれと共振するようなポップでタフな享楽性をエンジンとして、右肩上がりの熱狂を立ち上げていく ALLiSTER。本編ラストの“Somewhere On Fullerton”では、お返しとばかりに今度はグッフォーが飛び入り。MAKKINはスコットからベースを託され、U-tan はティムと肩組んでシャウト! お腹に「I ♥ アリスター」とマジックで書き込んだTannyは珍妙な腹踊りを披露し、燃え盛るようなクライマックスを立ち上げたのだった。「心からありがとう! このツアーは3公演だけだったけど、人生でもいちばんって言えるくらい楽しい日々だったよ。あとちょっと、やっちゃっていい??」と、アンコールではスピッツのカバー“チェリー”で再びクアトロをヒート・アップ。「“ALLiSTERは期間限定”ってどっかで読んだんだけど、それは違います。ALLiSTERも僕のソロも、どっちも続けていきたいと思ってます。これからよろしくお願いします!」とスコットが今後の決意も語っていたので、近い将来の再来日を今から心待ちにしております!(奥村明裕)