何が大収穫って、3バンドともガチだったのだ。超大雑把なジャンル分けをすると、RIZE=ヘヴィ・ロック寄りのミクスチャー、ACIDMAN=ギター・ロック、10‐FEET=メロコア寄りのミクスチャーであって、ファンはある程度かぶってるだろうけど、モロにはかぶっていないのですね。で、3バンドともこのイベントを、「自分達のファンに友達のバンドをプレゼンする」場として考えていなかったのです。「3バンドの中で勝つ」「圧勝する」「優位に立つ」「そして他の2バンドの客を奪う」真剣勝負の場として、ステージに上がっていたのです。リング、もしくはオクタゴンに上がるように。
他の2バンドにはない「アンプから音が出た時点でもう外人」な、重低音とディストーション・ギターと打ち込み、及びラップと歌を自在に行き来するJESSEの声で場を制圧しようとするトップのRIZE。他の2バンドにはない超高速ビート、及びクサくてあったかい言葉とやさしいメロディで、興奮と感涙のシンガロングを巻き起こそうとするトリの10-FEET。
特に「偉い!」と思ったのが、2番手だったACIDMAN。他の2バンドへの対抗心のあまりか、「あのー、こんなにラウドで激しいバンドだったっけ?」と言いたくなるような、「音とメロディとリズムの洪水」みたいなことになっていた、すっかり。で、見事にファン以外のオーディエンスも巻き込んでいた。
3組ともMCで「楽しいねー」みたいな陽気なことは言わず、一貫してシリアスだったのもよかった。で、そのMCの時はお互いへの敬意や親近感を口にしたりもするんだけど、ひとたび曲が始まるとその尊敬する相手の顔面に容赦なく正拳突きを入れるみたいな、そして逆に顔面に前田日明ばりのニールキックを食らいもするみたいな、次のMCでにっこり笑ったら前歯折れてるみたいな、そんなテンションだった。
アンコールの最後、全員ステージに上がって、マイクを使わずに、満員のフロアと一緒にアカペラで“上を向いて歩こう”を合唱しておしまい、というほのぼのとしたエンディングも、そのガチな真剣勝負のあとだったゆえに、ギャップがあってよかった。
ロック・シーン全般に、去年くらいから対バンツアーってやたら増えてるけど、こういうツアーなら、やる意味あるなあと思いました。(兵庫慎司)