毎年、さすがに翌日っていうのはキツいだろうよと思うのだが、つい足を運んでしまうのがこのアフターパーティである。ライブハウスで観ると雰囲気もがらりと変わるし、バンドの違った魅力を確認することができる。今回みたいにフォーカスがはっきりしていればなおさらだ。
ホワイト・ライズ、ザ・コーティナーズ、そしてフォールズという、今年デビューしたUKの新人バンド3組が集結した今回はまさにそれ。音楽性はまったく違うが、それぞれに個性がはっきりした有望株である。
トップバッターとして真っ黒な衣装で登場したホワイト・ライズは、ダークな世界観と肉厚なサウンド、そしてVo.ハリーの深みのある声が魅力だ。ヒット・シングル“アンフィニッシュド・ビジネス”を軸に据えながらも、ドライビンな楽曲あり、ノイジーな楽曲ありと、いろいろな側面を見せてくれた。ミューズとスミス、普通なら一緒にならないバンドを一緒にしてしまったようなスタイルで、もっと大きな会場で観てみたいと思った。これからの進化、スケール・アップに期待がもてる。まずは現在鋭意製作中というアルバムがますます楽しみだ。このエネルギーをうまく注ぎ込めれば、いいロック・アルバムになるはずだ。
続いて、デビュー・アルバム『セイント・ジュード』のジャケットをかたどったバックドロップを背に出てきたのはマンチェスターの新星ザ・コーティナーズ。苗場での(グリーン・ステージ!)ライブが上出来だったので楽しみにしていたのだが、今日も出だしこそ少し不安定だったが、徐々に調子があがってきて、最後には土曜日のパフォーマンスをも超えているとすら感じた。前回のジャパン・ツアーで同じハコで観たときに比べても演奏がきっちりまとまっているし、Vo.リアムも歌えている(とくに恒例の弾き語りコーナーに顕著)。歌詞の随所に「トーキョー」という一語を挟むと、歓声が巻き起こった。フジでも「フジ」と歌っていたが、こういう細かいところに彼らの生真面目さが現われているように思う。北部訛りのMCも微笑ましいし、やっぱり応援したくなる、いいバンドである。
そしてトリはフォールズ。スタイルの違いこそあれど正面突破のギター・ロックである前2組と並ぶと、彼らの異端ぶりが際立つ。UKの若手でアフロ・ビートとか言ってるのはこのバンドだけである。だが、何度かライブを観て思うのは、フォールズは決して頭でっかちのインテリ集団ではないということだ。いや、実際インテリだしナードだしギターは超ハイポジだし、やっているのもものすごく思考的な音楽なのだが、そこにパンク的な暴力性が感じられるのが素晴らしいのだ。今日だってヤニスはステージに出てくるなりドラム・セットによじ登ってマイクをぶんぶん振り回していたし、曲が始まればぴょんぴょんとステージを暴れ回っていた。そういうバンドなのでもちろん盛り上がりは鉄板。最初の一音からアンコールの最後まで、破格の高揚感がフロアを支配する、最高のショウとなった。
冒頭にも書いたが、さすがに昨日の今日ということで客足は芳しくなかった。しかし、3つの個性が全力で競り合うテンションは、フェスの開放的な空気とは別の心地よさだった。(小川智宏)
FUJI ROCK ’08 AFTER PARTY @ リキッドルーム恵比寿
2008.07.28