The Mirraz @ 赤坂BLITZ

The Mirraz @ 赤坂BLITZ
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The Mirrazのシングル「ラストナンバー」リリースツアー『ぶっちゃけ2日だけ好きにやっちゃって ~2011』。東名阪それぞれの会場で2DAYSずつ、計6公演で構成されるこのツアー。オフィシャルサイトのツアー特設ページには「※ぶっちゃけ2日間同じことはいたしません!」と書かれている通り、2日間まったく違うセットリストで、計50曲ぐらいやるという。じゃあ2日間とも観てやろう!というわけで、ファイナルの赤坂BLITZ2DAYSに両日足を運んできた。ちなみに10月14日はドラム・関口塁の誕生日。一体どんな仕掛けがあるのだろう?とワクワクしながら会場に向かった私を待ち受けていたのは、驚くほど、いつも通りのミイラズだった。

バンド名やツアータイトルをでかでかと掲げたような横断幕、なし。目立った装飾といえば、ステージ背後に正方形に敷き詰められた13枚のライト板が時々ピカピカと光る程度。2日間ともステージセットに大きな変化はなく、ただひたすらに「ライブをやるスペース」として設けられただけの、シンプルなステージだった。大きな違いは、1日目のアンコールでは塁のためにバースデーケーキ型の鮭のお寿司(塁は甘いモノが苦手で鮭が大の好物らしい)がサプライズで用意され、2日目の前説は塁が「今日は俺の誕生日だー!」と挨拶したぐらい。もちろんセットリストは大きく違っていたし、事前にやる曲の一部が公開されるなどの仕掛けは施されていたけれど、だからと言って「2日間まったく違うことをやる!」という過剰な意識を感じさせない、むしろ「それがどうした?」と言わんばかりの、ニュートラルなアクトだった。
The Mirraz @ 赤坂BLITZ
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で、それがすごくよかった。1日目は「HIP HOP DAY」として、アッパーチューンを畳み掛ける序盤と終盤の間に中盤のバラードセクションを挟みこむメリハリの効いた構成。2日目は「ROCK DAY」として、随所にスローナンバーを織り交ぜながらダーティーなロックチューン多めのセットリストで攻め立てていく構成。と、だいぶ印象は違ったけれど、フロア全体をでっかく揺らしていく牽引力は、どちらも圧巻。世間にツバを吐きかけるようなルードなナンバーも、ピュアでナイーヴな心情を綴ったナンバーも、なんのギミックも演出もなく放たれることにより、曲そのものが持つ濃密な空気感が雑味ゼロで伝わってくる。
なにより古い曲も新しい曲も一緒くたにすることで、ミイラズがデビュー当初から貫いてきたブレない芯が浮彫りになっていたのが、よかった。自らが洗礼を受けた90~00年代の洋楽ロックをベースとしながら、サウンドのみの興奮に頼らず、心の中にうごめく絶望や怒りすらも容赦なしに吐き出そうとするミイラズの楽曲群。そのひとつひとつが、「やっぱロックはこうあるべき!」と力強く告げているみたい。その有無を言わせぬ展開が、ミイラズの強い野心とひたむきさを象徴していてたまらなく感動的だった。

なお、今回は新曲“I WANT YOU”も披露された。メロディアスな旋律に乗って《I want you そう それだけで》とシンプルに歌い上げるこの曲は、“観覧車に乗る君が夜景に照らされてるうちは”や“ラストナンバー”など、最近のシングルの流れを汲んだ、超ストレートなラヴソング。シニカルでひねくれたロックンロールを鳴らしてきたミイラズが、健全で開かれたポップチューンを鳴らすバンドへと確実にシフトチェンジしたことを、強く印象づけるナンバーだ。だからこそ、闇の中へズブズブと足を踏み入れていくような過去の楽曲とのコントラストが、より一層浮かび上がる。「こんなに昔の曲をやるって、なかなかない」とか「もっとデカイところへ行きたいから、これからもヨロシク!」とか畠山は言っていたけれど、さらに大きなバンドとなるべく変化を恐れず突き進む覚悟を決めた今のミイラズにとっては、こうやって過去の曲を総ざらいすることで、改めて自らのルーツを確かめることが必要だったのだろう。光の中へまっすぐ飛び込んでいくような“ラストナンバー”の豊かな響きが、それを力強く物語っていたように思う。

『ぶっちゃけ2日だけ好きにやっちゃって』というツアータイトルから、どんだけはっちゃけた内容になるのかと予想していた今回のツアー。もちろんコアな曲も含めて好き放題やっていたんだけど、ただひたすらに曲をやるという潔いほどシンプルな構成で、ミイラズというバンドのコアを過剰なまでに堪能できる内容となっていたことが、たまらなく嬉しい。これを原動力として、彼らはさらに力強く歩を進めていく。そんな決意を感じさせる、とても重要な意味のある2日間だった。(齋藤美穂)
The Mirraz @ 赤坂BLITZ

セットリスト
1日目
1.勇者になりたいさまようよろいは今日も一人で考える
2.Let’s go DISCO、そしていつもキスを
3.アナーキーサヴァーヴァー
4.サーチアンドデスとロイとグローリアとアレとソレとコレと
5.ああん
6.なんだっていい/////
7.走れ魔法使い
8.なんでもない、なんでもないよ
9.ウザイあいつ
10.5.5.5st.
11.給付金貰って何買おう?
12.神になれたら
13.We Are The Fuck’n World
14.hey girl!
15.僕はスーパーマン
16.Make Some Noizeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeee!!!!
17.ハイウェイ☆スター(仮)
18.check it out! check it out! check it out! check it out!
19.CANのジャケットのモンスターみたいのが現れて世界壊しちゃえばいい
20.I WANT YOU
21.観覧車に乗る君が夜景に照らされてるうちは
22.TOP OF THE FUCKI’N WORLD
23.Let’s Go!
24.ラストナンバー
アンコール1
25.ハッピーアイスクリーム
26.ミラーボールが回りだしたら
アンコール2
27.WAAAAAAAAAAAA!!!!!!!!!!!!

2日目
1.勇者になりたいさまようよろいは今日も一人で考える
2.あーあ
3.正式にはフランケンというのは博士の名前である
4.レディース&ジェントルメン
5.ふぁっきゅー
6.WAAAAAAAAAAAA!!!!!!!!!!!!
7.君の料理
8.今にも落ちてきそうな空の下で
9.ラストダンスとファンデーション
10.hey, girl!!
11.ウザイあいつ
12.Let’s go DISCO、そしていつもキスを
13.ゾンゾンゾンビーズ
14.愛なんかよりももっといいもんがありそうな気がしてきた
15.いつまでたってもイスタンブール
16.ただいま、おかえり
17.ぶっこ
18.I WANT YOU
19.僕はスーパーマン
20.CANのジャケットのモンスターみたいのが現れて世界壊しちゃえばいい
21.check it out! check it out! check it out! check it out!
22.観覧車に乗る君が夜景に照らされてるうちは
23.ラストナンバー
アンコール1
24.シスター
25.イフタム!ヤー!シムシム!
アンコール2
26.足りないもんなど何もないよ
27.ソシタラ ~人気名前ランキング2009、愛という名前は64位です~
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