9mm Parabellum Bullet @ 日比谷野外音楽堂

9mm Parabellum Bullet @ 日比谷野外音楽堂 - 9mm Parabellum Bullet9mm Parabellum Bullet
奇しくも同じ週末にさいたまスーパーアリーナで開催されているメタル/ハードコアの祭典『LOUD PARK 08』を中抜けして駆けつけた日比谷野音のステージで、ボーカル・マイクをぐるりと囲むようにマーシャルのアンプが5つセッティングされていたのを見た時、一瞬「デジャブか?」と思った。が、そんなはずは当然なく、初の野音ワンマン・ライブ『暁の野音』に挑む9mm Parabellum Bulletの気合いの現れに他ならない。

あたりがすっかり暗くなった18:06、4人がステージに登場すると同時に湧き上がる、怒号のような歓声! 「アルバム『VAMPIRE』が初登場デイリー・チャート1位!」とにわかにお茶の間レベルの話題にもなっている9mmだが、そもそも彼らを支えているのは圧倒的なライブ・パフォーマンスと、それに伴うライブ・シーンでの圧倒的な人気である。ということが誰の目にもわかる。それを見たギター滝善充、意気揚々と飛び上がり、早くもステージを転げ回る。

まずは会場の熱気の手応えを確かめるように、“The World”をじっくりしっかりと披露。そして、「踊ろう!」という卓郎の声をきっかけに、“Vampiregirl”で一気に加速! 誰もが堰を切ったように踊り、跳ね、歌い出す。異常にキャッチーな滝のギター・フレーズと、中村和彦(B)&かみじょうちひろ(Dr)の強烈なビートが、会場に渦巻く巨大な衝動にでっかい形を与えていく。最高だ。

メタル/ハードコア/パンク/ロックンロールなどを独自の方法論で融合したエクストリームなロック、という、9mmというバンドに対しての当初の位置づけは、もはやこの日の9mmには当てはまらなかった。“Vampiregirl”のギター・フレーズにしても、ブラスト・ビートでカオスの果てへ突き進む“Hide & Seek”の構成にしても、2分20秒で壮絶なドラマを描く“Wanderland”にしても、ロシア民謡か昭和歌謡かってくらいの“Living Dying Message”のフレーズにしても、他のどのバンドも手にしないような音楽のパーツを片っ端から手に入れて、次々にロックの爆発力に変えてしまう。そんな奇跡のようなサイクルの中に、今の9mmはいる。『VAMPIRE』の楽曲が、そのことを証明するかのようにいちいち刺激的に、破壊的に、東京のど真ん中で鳴り響いていた。

「『暁の野音』へようこそ! こうやって大都会の真ん中に森があって、ビルがどーんとあるとさ、『VAMPIRE』のジャケットみたいでいいね。『VAMPIRE』の世界に迷い込んでください!」と卓郎のMC。座席付きの会場でのライブは珍しい9mmだが、続けて卓郎の「席はあるけど、席があるとかないとか関係ないでしょ? 目隠しされてても大丈夫だよ! 『楽しむ』ってのは最強の概念だから。悲しいことがあった人でも、『私ってなんて悲しいのかしら!』って楽しむことができるから」という天然MCが、会場をさらなる笑いと熱気に包んでいく。

“Supernova”のイントロでは滝がピアノを弾いてみせたり“砂の惑星”のメイン・フレーズをシンセに置き換えたり、“Talking Machine”の導入で滝&和彦のドラム対決があったり、と音楽的な遊び心に溢れていたこの日のアクト。アンコール含め27曲を2時間弱で一気に駆け抜けた9mmの4人。「なんとかっていうチャートで1位になったんですよ。俺らがドブの水飲むくらい落ちぶれても応援してください!」と卓郎は冗談めかして言っていたが、1つ1つのアクションがすべてロックの「歴史」になっていく、そんな衝撃と輝きが、野音のステージに立つ9mmの4人の姿にはあった。(高橋智樹)

1.The World
2.Vampiregirl
3.Trigger
4.Keyword
5.Psychopolis
6.Sleepwalk
7.Sundome
8.Hide & Seek
9.Battle March
10.The Revenge of Surf Queen
11.Supernova
12.Wanderland
13.Wildpitch
14.farther
15.Faust
16.次の駅まで
17.悪いクスリ
18.砂の惑星
19.Discommunication
20.We are Innocent
21.Living Dying Message
22.Talking Machine
23.Punishment

アンコール
24.少年の声
25.Termination
26.marvelous
27.sector
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