MAN WITH A MISSION @ 日本武道館

上げ潮状態の中での初の武道館ワンマンとあって、間違いなくスペシャルでスペクタクルな一夜になると期待値のメーターを振り切って九段下に赴いたものの、開始早々に思い知らされることとなった。完全にオオカミたちを過小評価していたことを――。まさか、ここまでエンターテインメントを極めたものになるとは! まだ沖縄ファイナルを残しているので曲目はじめライブの詳細については極力触れないでおこうと思いますが、MCでJean-Ken Johnny(以下、ジャンケン)が「始動シテ3年チョイ、ココ武道館デ、コレマデノヒトツノ集大成ヲブチマケタイト思マス!」と語っていたとおり、それはマンウィズ・ヒストリーにおいて間違いなくマイルストーンとなるべき記念的にして圧巻の150分だったのだ。

まず氷山を模した荘厳なステージセットに驚き、「究極の生命体と日本アニメの革命児による夢のコラボが実現!?」と事前に告知され話題となっていたオープニング・ムービー by 手塚プロダクション(!)に度肝を抜かれ、ライヴ開始後もレーザーがビュンビュン飛び交うわ、スモークが濛々と焚かれるわ、ハラハラと雪が降りだすわ、ブワッと火柱が上がるわ、ズゴゴゴゴッと氷山が真っ二つに割れるわ……って、実際にご覧になってない方は「いったい武道館で何が!?」と混乱されるかもしれませんが、目にも鮮やかな特効や仕掛けには幾度も「ジーザスメーン!」と叫ばずにはいられなかったし、そんな演出面のみならず、夢の舞台でのライヴとあっていつもにも増して血の気の多いオオカミたちもパフォーマンスにも大興奮。で、アリーナから2階席の最上段まで埋め尽くした9,000人のガウラーたちの盛り上がりがまたスゴくて、「アナタ達ヒトリ残ラズ、カカッテコイヤー!」とのアジテーションには熱烈なモッシュ&ダイヴで応戦。別の場面では誰もが跳び上がってダンスエブリバディ!と、武道館には終始、数百人キャパのライブハウスさながらの濃密な熱狂とアドレナリンが渦巻いていた。

もちろん、マンウィズのワンマンではおなじみのショート・ムービーも前後編で上映。飼育好男とジャンケンが挑んだミッションに場内大爆笑となる一方、「武道館ノステージニ立タセテクレテイルノハ、ココニイルアナタ達ト、ココニハイナイケドイツモ応援シテクレテイル人達ノオ陰デス。本当ニアリガトウゴザイマス!」といった変わらず律儀で謙虚なアティチュードには惜しみない賞賛の拍手が贈られた。また、「信ジ続ケレバ夢ハ叶ウダトカ、ソンナ青臭イコトヲト言ウ輩モイマスガ、愚直ニ夢ヲ信ジ続ケテキタ結果、コウシテヒトツノ夢ヲ叶エタオオカミ達モイマス」という熱血的なMCに胸が熱くなる場面も――。要するに間口の広いフィクショナルな世界観と、どこまでもアッパーでダンサブルな楽曲、そして生身の熱いメッセージが相まったマンウィズ独自の訴求力で観る者を歓喜の果てへと導いていったのだった。ライヴ終盤、客席一面にマンウィズ・タオルが掲げられ、場内にオオカミ愛が溢れ返ったシーンは本当に感動的で、ちょっと余談めくけれど、武道館の通路にずらーっと並べられたお祝いの献花にもオオカミたちの人柄(厳密にいえば狼柄?)を感じました。

アンコール前には「緊急告知!」として7月1日にBudweiserとコラボした配信シングル「Wake Myself Again」をリリースすること、さらに横浜アリーナ単独公演を含む秋ツアー「『Wake Myself Again TOUR 2013』Supported by Budweiser」を行うことが明らかに。とどまるところを知らないオオカミたちの進撃に今後も期待!(奥村明裕)