きゃりーぱみゅぱみゅ @ 渋谷公会堂

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「100% KPP WORLDTOUR 2013」

いまや日本での人気と知名度は言わずもがな、海外でも「クール・ジャパン」の筆頭として熱狂的な支持を受け、2月9日のベルギーを皮切りにヨーロッパ、北米、アジア、果ては国内のZeppを回る世界13都市を股にかけたワールドツアー「100% KPP WORLDTOUR 2013」を実施してきた、きゃりーぱみゅぱみゅ。そのファイナルとなる渋谷公会堂が行われた。2月に放映された『情熱大陸』でも欧州公演の成功が大々的に報じられるなど、音楽シーンの枠を超えた国民的なトピックとして大きな注目を集めてきた本ツアー。その凱旋公演というだけあって、開演前から場内は大変な賑わい。ピンク色の幕で覆われたステージの全貌を見ることはできないが、これから始まるライヴへの期待度はみるみる高まるばかりだ。

きゃりーぱみゅぱみゅ @ 渋谷公会堂
開演時刻ちょうどの18時半、ステージ袖からアコーディオンを弾く羊が登場し、ピンクの幕上に「KYARY PAMYU PAMYU」の文字が映し出されてスタートしたライヴ。そのまま“ぱみゅぱみゅレボリューション”へ流れると、左右に開いた幕の先に、芋虫やリンゴやきのこを象ったパネルに映像モニターをはめ込んだ特大オブジェが姿をあらわす。さらにダンサーが登場し、ステージ前方でスモークが噴出したところで、オブジェの上に設置されたミニステージから「イエーイ!」と、きゃりーぱみゅぱみゅ見参! 鮮やかなイエローとグリーンのスカートをなびかせながら“ふりそでーしょん”“CANDY CANDY”を披露すると、客席のあちこちでカラフルなスティックライトが振られていく。さらに周囲を見渡せば、母親に抱っこされて手を振る赤ちゃん、手の込んだコスプレで決めた女の子、スーツ姿で思い切りジャンプする男性、オペラグラス越しにステージを見つめる白髪の男性など、その客層は実にさまざま。その光景を見ただけで、地域や世代の枠を超えて広く愛されるきゃりーぱみゅぱみゅが、世界各地で見せた雄姿を容易に想像することができる。

最新シングル“インベーダーインベーダー”では、曲前に行われた振り付け指導によって観客全員が踊りまくり。さらに“みんなのうた”ではコール&レスポンスも決まり、場内の一体感はうなぎ上りに高まっていく。ステージ演出も照明も楽曲もダンスもとにかく眩いほどにカラフルでキャッチーで、それだけで会場をひとつにする圧倒的なポテンシャルに満ちているんだけど、その中心にいるきゃりーぱみゅぱみゅ自身の「楽しませたい」という想いがパフォーマンスの隅々から溢れていることに、たまらなくワクワクする。前述した振り付け指導しかり、「今回はZepp公演から演出を少しずつ変えているので、皆さんに楽しんでいただけると思います」という最初のMCしかり、“スキすぎてキレそう”の前で「次は、ある人を好きすぎてストーカーみたいになっちゃった女の子の気持ちを綴ったラブソングを歌いたいと思います」と告げられた楽曲説明しかり。そのキッチュな見た目からは想像もできないほど、真摯な言葉と仕草で観客を手厚くもてなす彼女の姿には、観る者の胸を大きく揺さぶる感動があった。

きゃりーぱみゅぱみゅ @ 渋谷公会堂
そして、個人的なハイライトだったのが、ワールドツアーを追ったドキュメント映像を挟んで、白い総レースのゆったりとしたワンピースに着替えたきゃりーぱみゅぱみゅが現れた、中盤のセクション。“Point of view”を終えて各国の思い出を長いMCで振り返り(その中には「ワールドツアーが決まったときは不安だらけで乗り気じゃなかった」とか、「ベルギー公演の直前にプレッシャーに押しつぶされそうになって日本にいる親や友人に電話をかけた」とか、ネガティヴな思いに苛まれていたエピソードもあまさず語られた)、「実は私はメチャクチャ人見知りで。そんな私の性格を歌った歌です」と次に披露された“unite unite”が、本当にすばらしかった。≪本当は自信がなくて 人と話すのも苦手≫という歌い出しに始まり、≪unite unite all original 誰にも負けないモノ≫≪スーパースターになれたらいいのに≫というサビに帰結する、剥き出しの歌。己のコンプレックスと闘いながらも自分にしかできない表現を追い求めようとする彼女の意志が、ステージ両脇から放たれるミラーボールの閃光と相まってダイナミックに放たれていく。続けて歌われた“100%のじぶんに”や、モデルとして駆け出しの頃の思い出を歌った“ぎりぎりセーフ”とともに、彼女の表現を支える根源的なエネルギーをストレートに実感できる時間だった。

そして、ダンサー陣によるパフォーマンスコーナーを挟んで、“つけまつける”から怒涛の終盤戦へ! ファーをふんだんにあしらったモコモコのミニドレスに着替えたきゃりーは、休むことなく歌いまくり踊りまくり、メインステージとミニステージを目まぐるしく移動しながら、観客の視線を釘付けにしていく。そして、場内を色彩豊かな照明が駆け巡った“にんじゃりばんばん”、赤・青・金のテープがイントロで勢いよく発射した“ファッションモンスター”、「♪アンアンアアンアン」のコーラスと手をキツネの形にした「ぱみゅぱみゅ」ポーズで場内を満たした“きゃりーANAN”と、無敵のシングル連打でディズニーランドばりのワンダーランドを作り上げ、“ちゃんちゃかちゃんちゃん”で本編終了。アンコールでは、きゃりーぱみゅぱみゅ初となるホールツアーを秋に開催することを発表し、“キミに100パーセント”と“PON PON PON”を披露して、終始カラフルな光と音に埋め尽くされた2時間弱のステージは幕を閉じた。

アンコールで、きゃりーぱみゅぱみゅはこんなことを語った。今まで行ったことのない地方会場も沢山サーキットする秋のホールツアーでは、もっと作り込んだ世界観を楽しんでほしいということ。昨年11月の武道館公演を観にきた知人の子供に「きゃりーちゃんは妖精だね!」と言われて嬉し恥ずかしかったこと。そして「最近ひとつ夢ができました」として、「そういった小さい子供たちが、いつまでも夢を見ていられるようなアーティストになりたいと思います!」と告げると、客席から温かな拍手が上がった。この日のライヴを総括するならば、そんな彼女のアーティストとしての覚悟が、頼もしいほどに力強く放たれたライヴだったと思う。ワールドツアーで得た自信を胸に、自らの夢とファンの夢を乗せて、更なる魔法のような熱狂を生み出していこうという自覚に芽生えた、きゃりーぱみゅぱみゅ。その尽きぬ想いは、6月26日にリリースを控えたセカンド・アルバム『なんだこれくしょん』、それを引っ提げた秋のホールツアーで、さらに大きな渦となって世界中を巻き込んでいくことだろう。その動向に世界中がまだまだ目を離せない。(齋藤美穂)

セットリスト
1. ぱみゅぱみゅレボリューション
2. ふりそでーしょん
3. CANDY CANDY
4. インベーダーインベーダー
5. みんなのうた
6. ピンポンがなんない
7. スキすぎてキレそう
8. きゃりーのマーチ
9. Point of view
10. Unite Unite
11. 100%のじぶんに
12. ぎりぎりセーフ
13. おやすみ
14. つけまつける
15. でもでもまだまだ
16. にんじゃりばんばん
17. ファッションモンスター
18. きゃりーANAN
19. ちゃんちゃかちゃんちゃん
アンコール
20. キミに100パーセント
21. PON PON PON
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