the telephones @ 六本木ニコファーレ

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the telephones @ 六本木ニコファーレ
昨年はラフォーレ六本木で開催された、the telephonesの恒例年末ライヴ。チケットの確保が困難、という声を受け、今回は六本木ニコファーレで、「文明の利器を使って(石毛 輝・Vox/Guitar/Synthesizer)」『ニコニコ生中継』によるインターネット配信を敢行するという企画である。360°のLEDスクリーンに囲まれたフロアには、幸運なる300名の来場者が詰めかけ、スクリーン上を流れる「自宅 de DISCO!!!」「会場うらやま」「TOISU」といった『ニコ生』コメントに心を踊らされながら、視聴者オーディエンスと共に開演を待ち侘びる。それぞれに色違いの、アフロのヘアピースを装着したテレフォンズの4人(一瞬で脱ぎ捨てたが)が登場し、大歓声を浴びたところで、いよいよ年内最後のワンマン『SUPER DISCO Hits!!! “nico nico”』が幕を開けた。

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「年に一度の祭典へようこそー!! 今年はおうちのパソコンの前で、そして会場で、踊ろうぜー!! Are you DISCOォォォー!?」と石毛の甲高い第一声と共に切り出されるのは、大らかな和メロで歌声を導くまさかの“odoru ~朝が来ても~”だ。個人的にはライヴのクライマックスでしか聴くことが多かった曲だったのだけれど、この親密さとスケール感がもたらすオープニングにはなるほど、と唸らされる。そして“DISCO AGE MONSTERS”から本格的に、テレフォンズらしい揉みくちゃの狂騒ライヴへと突入していった。岡本 伸明(Synthesizer/Cowbell/Shriek) a.k.a.ノブはステージ狭しと飛び回ってカウベルを打ち鳴らし、跳ね上がる気温に対抗するかのように、ニコファーレの空調も本気の冷風を送り込んでくれる。

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会場を満たすオーディエンスの歌声+スクリーン上のシンガロング・フレーズに包囲されるという異様な一体感は、ニコファーレならではの光景。そして“Urban Disco”で多種多様な電話機が2足歩行でうごめくというCGアニメーションや、“Baby,Baby,Baby”でステージ袖に身を隠したノブが辺り一面に増殖しつつ、どアップで踊り狂う映像演出など、一曲一曲のヴィジュアル効果もめちゃくちゃ派手で力が入っている。「We are fuckin’ DISCOOOOOOO!!!」と叫びながら前のめりに“D.E.N.W.A”を披露した石毛は、改めて挨拶しながら「待ってました。この日をね。倒置法です(笑)」と語ったりもしていたけれど、そんな彼にはニコ生を通して「石毛さん 今日は倒れないでね」といった優しいコメも届けられるのだった。現場に参加することが出来た人の数は限られているけれど、空間を超えたコミュニケーションが確かに成立している。

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ストライプ模様の星々がスクリーンに飛び交う“Wooo Hoooo”でまたもやシンガロングにまみれた後、本編中盤のハイライトとなったのは“90's Drama Life”→“Romantic Disco”→“A.B.C.DISCO”と続いた一幕だろう。がっちりと整えられた歌心とアレンジ、そして音と映像のドラマティックな効果を最大限に引き出す、素晴らしいパフォーマンスであった。“A.B.C.DISCO”ではフロア一面にスウェイが広がるだけでなく、スクリーン上にも「ノシノシノシ」と手が揺れていて楽しい。「明日はクリスマスだぜみんなー!」と告げ、汗に濡れた髪を額や頬に張り付かせながら歌う石毛を目の当たりにしては「石毛の色気がハンパない件」といったコメも流れてくる。さて、昨年の『SUPER DISCO Hits!!! RETURNS 〜THE BEST DISCO PARTY NIGHT〜』では鮮やかな金髪姿を披露していた松本 誠治(Drums)だが、今年はグリーンやらオレンジやらが混じった、もの凄い色彩になっている。そこで、彼の新しいヘアスタイルのネーミングを、投票によって決定するという趣向が繰り広げられた。候補は以下の5つ。

①「ドラゴンフルーツ」
②「北浦和の志茂田景樹」
③「ぽっちゃりインコ」
④「熱帯魚が深海魚になっちゃった」
⑤「いろんなカビがはえた豚まん」

余りにあんまりな候補も見受けられるが、45.7%の投票を獲得した②「北浦和の志茂田景樹」に決定である。更に「もうひとつの恒例」ということで、未発表の新曲もここで披露される。男子の狂おしいまでの恋心を、ハイ・ヴォルテージなレイヴ・ロック・サウンドと共にぶっ放す、華やかなナンバーであった。今から音源化が楽しみだ。そして、月曜祝日(第1週ではないけど)のパーティにぴったりな“It's Alright To Dance (Yes!!! Happy Monday!!!)”や、長島 涼平(Bass/Chorus)の粘っこくパワフルなベース・プレイに、ノブが高速ダンス・パフォーマンスを繰り出しながらイタズラっぽく纏わり付く“electric girl”と、アッパーなDISCOタイムは続く。

the telephones @ 六本木ニコファーレ
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「ニ〜ッコニコどうが〜♪ ニ〜ッコニコみんな〜♪ ニ〜ッコニコDISCO〜♪ もうすぐ今年も終わりです。今、時を止めてます。体感では8年ぐらいあります。みんなで8年先へいこうぜ! ワールドカップとかオリンピックとかすっ飛ばして! 今から更に、会場のみんなと、PCの向こうのみんなの体力を奪いにいく! その先に本当の体力がある!!」と、既に理屈の向こう側に行ってしまっているノブのMCに焚き付けられ、スクリーンの色彩ごとレッドゾーンに突入する“I Hate DISCOOOOOOO!!!”からはまさに必殺曲の連打。“A A U U O O O”から“D.A.N.C.E to the telephones”にかけては賑々しくハンド・サインが広がり、歌声と共に文字列も飛び交う。「会場がんばれー!」といったコメントにも背中を押され、フロアでは“HABANERO”の一斉ジャンプや“Monkey Discooooooo”の《new disco》のシンガロングが巻き起こるのだった。大詰め「We Are DISCO!!」コールの一幕では、ミラーボール・シャツを脱ぎ捨てたノブが会場の声量にダメ出し。石毛も「画面上の方が“O”が多いぞみんな! 語尾伸ばしてこうぜー!!」と煽り立て、“Love&DISCO”に向かう。最高潮でスクリーンを埋め尽くす「88888888888」の弾幕と、「伝説のライブ!」といったコメと共に、万感の大団円である。

the telephones @ 六本木ニコファーレ
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「やっぱ、このシステム凄いよね(石毛)」「今、バイト終わったとか、そういうのかも(ノブ)」といった調子でアンコールに応える4人。「クリスマスですけど、自分たちの曲ではそういうの無いんで(笑)。でも、人様の曲だったらあるかも!」と、披露されるのはコンピ盤『ディズニー・ロックス!』に提供した“ハイ・ホー[白雪姫]”だ。これは嬉しい。スクリーン上にも「肺胞!」といった風に歌声が広がり、テレフォンズの面々はテナー×バリトンのコーラスでムード一杯に締め括ってくれるのだった。ダブルアンコールでは“Don't Stop The Move, Keep On Dancing!!!”のPV衣装にお色直しして再々登場。誠治の赤いジャケットは、暑いからかノースリーブになっている。スクリーン一杯にPVを映し出しながら、この曲をパフォーマンスする彼ら。シングル曲連発で“Keep Your DISCO!!!”までを駆け抜けると、「ここに来られなかった人たちもいるから、その人たちにも拍手を!(ノブ)」「『ニコ生』、初の試み、大成功だったと思います!(石毛)」とフィニッシュする。

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で、『ニコ生』での中継はここまでだったのだけれど、更にトリプル・アンコールが行われてしまった。「ここにいるみんなで、埼玉の歌を歌おうと思います!」と青空の映像に囲まれながらプレイされた“Four Guys From Saitama City”。そして、金色の紙吹雪や無数の打ち上げ花火の映像で視界が埋め尽くされる、まさに有終の美でしかありえない“Congratulations!!!”。全27曲を、息切れすることもなく弾け飛び、高らかに歌い上げるライヴ。表現のレンジを押し広げた楽曲群も、そしてパフォーマンスの抱擁力も、2013年の集大成をDISCOヒッツと共にまざまざと刻み付けてくれたテレフォンズであった。(小池宏和)

セットリスト
01 odoru ~朝が来ても~
02 DISCO AGE MONSTERS
03 Urban Disco
04 RIOT!!!
05 Baby,Baby,Baby
06 D.E.N.W.A
07 Woooo Hoooo
08 90's Drama Life
09 Romantic Disco
10 A.B.C.DISCO
11 (新曲)
12 It's Alright To Dance (Yes!!! Happy Monday!!!)
13 electric girl
14 SAITAMA DANCE MIRROR BALLERS!!!
15 I Hate DISCOOOOOOO!!!
16 A A U U O O O
17 D.A.N.C.E to the telephones
18 HABANERO
19 sick rocks
20 Monkey Discoooooo
21 Love&DISCO
encore
01 Heigh-Ho [Snow White and the Seven Dwarfs]
02 Oh my DISCO!!!
encore-2
01 Don't Stop The Move, Keep On Dancing!!!
02 Keep Your DISCO!!!
encore-3
01 Four Guys From Saitama City
02 Congratulations!!!
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