WHITE ASHJ-WAVEにて毎週月曜から木曜の深夜(26:00〜27:00)、ロック・プログラムとして放送されている『THE KINGS PLACE』の、番組の枠を飛び出して行われるライヴ企画第5弾。現在、番組ナビゲーターを務めている、ゲスの極み乙女。(月)、WHITE ASH(火)、KANA-BOON(水)、KEYTALK(金)の4組が揃い踏みのステージである。前回Vol.4(2013年12月27日開催)では、この顔ぶれのうちWHITE ASHのみが出演を果たせなかったということで、のちにその理由も明かされることになる。会場に足を踏み入れると、直近の2週にわたって『KINGS MEETING VOL.23「キンプレ プチ総会MEETING ラジオ体操部」』を担っていた面々である、体操着姿の山さん(WHITE ASH)、セーラー服の小野武正(KEYTALK)、そしてメインボーカルを張る飯田祐馬(KANA-BOON)らが、オーディエンスと一緒に「いこか様〜!!」とほな・いこか(ゲスの極み乙女。)を執拗に呼び出しているという、シュール&カオスな爆笑空間がさっそく出来上がってしまっていた。
●ゲスの極み乙女。
ゲスの極み乙女。“ノーマルアタマ”のSEに、休日課長(B)、ちゃんMARI(Key)、ほな・いこか(Dr)、川谷絵音(Vo・G)が横一線に並んで振り付けを踊る、という楽しいオープニング。4月2日にその“ノーマルアタマ”も収められたミニ・アルバム『みんなノーマル』でメジャー・デビュー(川谷はindigo la endの『あの街レコード』でも同日メジャー・デビュー)を果たしたばかりの彼らが、“パラレルスペック”で悶々とした思いを抱えながら走り出す。「ヒップホッププログレバンド」を自称するだけに高度なアンサンブルが繰り出されるわけだが、難解さを突き抜けるポップ求道精神でオーディエンスを巻き込んでゆくさまが痛快だ。
ゲスの極み乙女。“ドレスを脱げ”でがっちり歌声を誘うと、幻惑的なピアノ・フレーズの中、川谷がハンドマイクでエモーショナルな歌を吐き出す“サカナの心”へ。“キラーボール”では、ただでさえ強靭なバンド・グルーヴが一旦ブレイクしたのち、ちゃんMARIがピアノで鮮やかに弾き倒すショパンも決まってオーディエンスを沸騰させる。そのちゃんMARIの「コポゥ!」コールは、「いつ終わるのか分からない」と川谷に怒られてしまっていたけれども、あらためてメジャー・デビューを報告して“餅ガール”と“song3”で完璧な狂騒にタッチしてフィニッシュである。あと、「痩せてた頃の課長の写真」は、予告通り、公式ツイッター上で再アップされました。
●KANA-BOON
KANA-BOON盛大な「ワン・ツー!」コールに後押しされる“ないものねだり”から、まんまとフロアをカチ上げる2番手はKANA-BOONだ。《ゆらゆらゆらゆら僕の心》の歌詞を無理矢理《KIN KIN KIN KIN KINGS PLACE〜》と変えてオーディエンスに歌わせてしまう。続く“ウォーリーヒーロー”は、こんなにも迫力に満ちたサウンドだったっけ、というぐらい、ライヴ・バンドとしてもメキメキとスキル・アップする4人の姿を映し出していた。
KANA-BOON飯田祐馬(B)が、渋谷の街頭でティッシュだと思って受け取ったものが化粧品サンプルで、「捨てるのもなんか勿体ないと思って。今日おれ、いつもと違うと思わへん? 涙袋んとこ(笑)。そういうわけで、いつもと違うKANA-BOONでお届けします!」と笑いを挟み込みつつ、キラキラ度が増した(気がする)“結晶星”を披露してゆくのだった。一方、谷口鮪(Vo・G)は、WHITE ASH・のび太の結婚を祝福しつつ、「結婚パーティのお誘いみたいなメールが来たんだけど……無視してもうて(笑)。のび太のくせになまいきだ、って(笑)」と語り、またもや間の手に支えられた“1.2. step to you”から“盛者必衰の理、お断り”と、面白いように秀逸な歌詞フレーズが弾け回る、鮮烈な日本語ロックのパフォーマンスを繰り広げてくれた。
●KEYTALK
KEYTALK小野武正(G・MC・Cho)を先頭に躍り出て来るKEYTALK。巨匠・アーロン寺中こと寺中友将(Vo・G)が「いらっしゃい! 俺らがもっと楽しませます!」と意気込みを露にすると、首藤義勝(Vo・B)からの華麗かつエモーショナルなヴォーカル・リレーで走り出すのは目下の最新シングル“パラレル”だ。そして巨匠のリフ×小野の眩いギター・フレーズで急展開してゆく“UNITY”。この時点で早くもフロアは揉みくちゃである。長いロックンロールの歴史の中で隅々まで探求されたはずの、もうこれ以上は進めませんよ、という崖っぷちから恐れずにもう一歩を踏み出し、そうしたら誰にも見えていない道があった、みたいな、そういう『インディ・ジョーンズ』的な(喩えが古くてすみません)スリルと興奮が、KEYTALKの音楽にはある。
KEYTALK小野がやたらにヴォルテージの高いコール&レスポンスを繰り広げつつ「僕らがレギュラーになって、2度目の開催です! ありがとうございます!」と告げると、昂るメロディとハーモニー、雄々しい歌声に満たされる“コースター”が披露されていった。首藤の記憶から生まれ来る歌に、メンバーもオーディエンスも一様に跳ね上がる“fiction escape”ののちには、5/21にリリース予定のアルバム『OVERTONE』が告知される。巨匠は「最高傑作という言葉は使いたくないんですけど、本当に面白い曲が詰まってる」と熱っぽく語っていた。そして“太陽系リフレイン”から始まったラストスパートは、“夕映えの街、今”の胸を焦がすような爆走で締め括られるのだった。
●WHITE ASH
WHITE ASHというわけで、今回トリを務めるのはWHITE ASHである。のび太(Vo・G)×山さん(G)のフォーキーにしてエモーショナルなギターの絡み合いから、剛(Dr)の突き刺さるようなスネア音と彩(Ba)の妖艶にうねるベース・ラインにも支えられた“Casablanca”、そして華々しいレーザーにまみれながらオーディエンスの嬌声を誘う“Number Ninety Nine”と、昨年末のアルバム『Ciao, Fake Kings』の冒頭を思い起こさせるオープニング。ここで「ありがとうございまーす!」と、左手の指輪を披露しながらあらためて挨拶するのび太に、ひときわ大きな歓声が上がる。「僕ら、前回出られなかったのには理由がありまして……年末だったんですけれども、どうしてもバイトのシフトが……鏡餅の上にこう、ミカンを乗せるっていう仕事が……」。ここで山さん、「あ、俺その頃、だし巻き巻いてた」と追い打ちをかける。かっこいいロック・サウンドの奥義だらけみたいなステージの最中に、思いっきり生活のリアルとブルースを突きつけられる感じだ。それらを燃料にするかのように、“Paranoia”〜“Velocity”とノンストップで、まったく手を緩めずにWHITE ASHのロックが炸裂するさまは凄まじいものがあった。結婚を祝福する声には「人生、なにが起こるか分かりませんねえ」「幸せ!?」「幸せ」と言葉を交わしつつ、「ラジオ大好きだったんですよ。永遠の5年生、っていう話は置いておいて、高校生のときとか。聴くときはだいたい一人じゃないですか。リスナーの投稿とか聴いて、面白いこと言うなあって、一人だけど、みんないるみたいな感じが好きで。今日も、一人だけど、実際にはこんだけの人がいる」「入学式とか、入社式の人もいるんですかね。新しい事を始めるみんなにとっていい歌が歌えたらいいな、なんて思って、みんなのことを思いながら作った歌があるので、聴いてください」と告げるのび太。ここでフロアを温かく包み、照らし出すような“(Y)our Song”は、紛れもないハイライトの一曲であった。
アンコールに応え、まず一人で姿を見せた山さんは、イヴェントのオープニングで自身が来ていた体操着に今回の出演者全員にサインを貰った、と告げる。これは、4/8(火)放送の『THE KINGS PLACE』でキーワードを発表した上、抽選でプレゼントされるそうなので、ぜひチェックを。そして4人で最後に“Stranger”をダイナミックに披露すると、ひたすらに熱いエネルギーを振り撒く全4組のステージは幕を閉じた。この日の模様は、J-WAVEにて4/20(22:00〜22:54)にオンエアが決定しているそうなので、こちらもぜひチェックを。(小池宏和)
set list
●ゲスの極み乙女。
01 パラレルスペック
02 ドレスを脱げ
03 サカナの心
04 キラーボール
05 餅ガール
06 song3
●KANA-BOON
01 ないものねだり
02 ウォーリーヒーロー
03 結晶星
04 ミミック
05 1.2. step to you
06 盛者必衰の理、お断り
●KEYTALK
01 パラレル
02 UNITY
03 Sympathy
04 コースター
05 サイクル
06 fiction escape
07 太陽系リフレイン
08 夕映えの街、今
●WHITE ASH
01 Casablanca
02 Number Ninety Nine
03 Paranoia
04 Velocity
05 Jails
06 (Y)our Song
07 Crowds
EN Stranger