ジュリアン・カサブランカス、新作『ティラニー』は「未来に行きすぎているかも」
2014.10.10 19:13
ザ・ヴォイズを率いてのセカンド・ソロ作『ティラニー』を10月15日にリリースするジュリアン・カサブランカスだが、新作について実験的な音楽を普及させるための試みだと語っている。ザ・ガーディアン紙との取材でジュリアンは新作について次のように語っている。
「ぼくはもっとエッジーで刺激なものをメインストリームなものにしたいんだよ。変なものを作りたくてやってるわけじゃないんだ。ぼくはかっこいいことをやりたいわけで、それは普通だったらアンダーグラウンドなものをみんなの知ってるものにするとか、そういうことなんだ。ぼくのやることの大半は、かっこいいものをまだ旬の内にみんなの知ってるものにするっていうことなんだよね。でも、自分を新しくとか人より違った存在として見せたいわけじゃないんだ。昔も今も同じで、クリエイティヴな思いつきが閃いたら、それを実践したくなるということなんだ」
実験的といっても、ロック史上究極の実験アルバムとして有名なルー・リードの『メタル・マシーン・ミュージック』などのような内容を目指したわけではまったくないとジュリアンは次のように説明している。
「目指すものがあったとしたら、それは『ティラニー』を刺激的でかつキャッチーにするということだったんだ。一部の人たちの感性にはちょっと未来に行きすぎちゃった内容かもしれないけど、でも、ぼくとしてはこれは完全にメインストリームに慣れきった耳を訓練するための作品なんだよ」
また、ジュリアンは妻ジュリエットと息子キャルを連れてニューヨーク市街から郊外へと居を移したことでも知られているが、その理由を次のように説明している。
「街が高級化していくことは別に構わないんだけどね。曲がり角ごとに銀行があるのが目に入ってきても特に気にはならないんだけど、問題はそれがもたらす間接的なおぞましさなんだよ。個人的に言わせてもらえば、イケてるスポットはどんどんまばらになってるよ。それでもニューヨークはまだ刺激的な街だと思うけど」
また、ジュリアンはファレル・ウィリアムスがザ・ストロークスの2011年作『アングルス』に関わる予定になっていたことを認めていて、「ファレルはぼくと会ってそれからバンドとも話をしたんだけど、みんなはあんまり乗り気じゃなかったみたいだね」と振り返っている。
なお、ザ・ストロークスのアルバート・ハモンド・ジュニアは次のようにストロークスの活動再開の見込みを先頃NMEに語っている。
「うまくいけばストロークスとしての活動が年末までずっと続くことになって、ひょっとしたら新年にアルバムが出来ているなんてこともあるかもしれないよね。ま、それは一つの願望だけど。そういうことになるとぼくは言ってるんじゃないよ。でもね、間違いなく、全員がそんなことを考えてはいるとは思うよ」
(c) NME.COM / IPC Media 2014