先週末ロンドンのロイヤル・アルバート・ホールでソロ公演を2日行い、ブラーのグレアム・コクソンやデ・ラ・ソウルとの共演も果たしたデーモン・アルバーンだが、エボラ出血熱対策のために行われているバンド・エイド30がはたしてチャリティ・プロジェクトとして適当なものなのかどうかと問いかけている。
今回のバンド・エイド30には発起人のボブ・ゲルドフとミッジ・ユーロのほか、ワン・ダイレクション、サム・スミス、エド・シーラン、エミリー・サンデー、エリー・ゴールディング、バスティル、エルボー、さらにコールドプレイのクリス・マーティンやU2のボノらが参加し、"ドゥ・ゼイ・ノウ・イッツ・クリスマス?"をカヴァーしている。レコーディングは11月15日に行われ、イギリス時間の11月17日にダウンロード・リリースされている。
しかし、アフリカ音楽に造詣が深く、アフリカのアーティストとさまざまなコラボレーションやリリースを手がけてきているデーモンはイギリスのチャンネル4ニュースの取材に応え、アフリカが恒常的に援助が必要な土地だという固定観念を助長することにもなるとこうしたチャリティへの疑問を語っている。
「アフリカのいろんな国を訪ねてみて、いろんな人と出会ってみてわかるのは、なんかいつもこっちの見方は一つしかないってことなんだよ」
さらに一緒に取材に応えたマリのミュージシャン、アフェル・ボクムはバンド・エイドの存在など聞いたこともなかったことをデーモンは説明し、「アフリカではこの活動について誰でも知ってるに違いないって思い込まれているところもあるんだよね」と語っている。
「どういうことが役立つのかというぼくたちの見方や考え方、なにがよくてなにが悪いのかというぼくたちの考え方は必ずしもほかの文化圏では共有されてるわけじゃないんだよ。ぼくたちのチャリティについての考え方にも問題はあって、特にこういうなんにもないところから突然風船を膨らませてメディアを煽るようなやり方だと本質的なコミュニケーションが失われるし、だんだん金さえ出せばすべて解決するような気になってくるんだけど、現実には金を提供することでまた別な問題が発生したりするんだよ」
さらにデーモンはバンド・エイド30の参加アーティストに一度アフリカに行ってみることを勧めている。
「あれをやってる人たちみんなね、スケジュールを調整して午後に時間を作った人たちも一度アフリカに行ってみて、アフリカを経験して、あの魔法のような気持ちを一度味わえば、帰って来た時に人生観も多少は変わっているはずだと思うよ」
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