ブラック・サバスのトニー・アイオミ、がん治療とオジーの励ましを語る

ブラック・サバスのトニー・アイオミ、がん治療とオジーの励ましを語る

オリジナル・メンバーが3人揃ったアルバムとして35年ぶりとなったアルバム『13』を昨年リリースしたブラック・サバスだが、トニー・アイオミは自身のがんの予後について語っている。

ブラック・サバスは2011年11月にオリジナル・ラインナップを揃えて新作を制作し、ツアーに臨む予定であることを発表し、アルバム制作に入ったが、その後、トニーがリンパ腺腫を患っていることが判明。バンドはトニーのがん治療のため当初制作を行っていたロスアンジェルスからロンドンに制作の場を移し、トニーの治療と併行しながら『13』を仕上げていくことになった。その後、トニーはがん治療がいったん終了したことを明らかにしているが、今も用心は欠かせないことを次のように説明している。

「毎日、身体中をさすってしこりや腫れを探してるんだよ。胃が差し込んだりするといつも『ああ、がんだな』って思っちゃうんだよね。ほんとにしんどいよ。夢にまで出てくるくらいだからね。でも、それが今の俺の生活なんだよね。外科医の話では、完全になくなったとは思っていないって話でさ。おかげで人生の見方も変わったよ。10年後も生きてるかもしれないけど、来年までかもしれない。これだけはもうわからないんだよ」

トニーが自身の下肢のリンパ腺腫に気づいたのは2011年のことで、当初前立腺を患っていたことからそのせいだと考えたいたそうだが、オジー・オズボーンと話し合ってみた後に病院で本格的に検査を受けることを思い立ったという。

「医者にがんにかかっていると言われた時にはこれで一巻の終わりかと思ったよ。俺の知ってる限りじゃがんは死を意味するものだったからね」

この診断結果に対してオジーの励まし方はかなり変わっていたともトミーは振り返っている。

「オジーは部屋に入ってきてやぶからぼうに『その病気って誰それが死んだやつだよね?』とか訊いてきて、正直あんまり聞きたくない話題だったんだよ。『その有難迷惑な元気さをありがとう』って思ったよ。でも、完璧なオジーそのものな振る舞いだったからね、なんか憚られるようなこともすぐに口にしちゃうんだよね」

さらに診断後は仕事も生活もすっかりライフスタイルが変わったと次のように説明している。

「昔はね、スタジオでもどこを振り返ってもコカインが用意してあったもんだったけどね。今回は紅茶やコーヒーを飲むだけで、それと食餌療法に従わなくちゃいけなかったから、妻のマリアが作ってくれた健康ドリンクとか飲んだりするだけだったよ」

さらに夜の7時には床に就くというかなり規則正しい生活にあらためることになったが、赤ワインをグラス1杯だけ飲むという習慣だけは今も続けているという。

自身の今後についてトニーは次のように語っている。

「時々、もっと落ち着いた生活をした方がいいのかなとも思うけど。でも、そう考えると『病気になにかを強いられるのも癪だな』って思えるんだよね。それになんだかんだいって、今の自分の生活は満喫できてるからね。コヴェントリー大学では名誉学位を授かってから客員講師としても迎えてくれてるんだよ。何年か前にそんなことを持ちかけられてたら絶対に断ってただろうけど、いろいろ経験してそこからも学習したからね、そういうことを下の世代に伝えていくのもいいなと思ってさ」
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