ロビン・シックとファレルの"Blurred Lines"をめぐる裁判に一時的な決着

ロビン・シックとファレルの"Blurred Lines"をめぐる裁判に一時的な決着

ロビン・シックの大ヒット曲でファレル・ウィリアムスがプロデュースした"ブラード・ラインズ"がマーヴィン・ゲイの"黒い夜"の盗作だとして争われていた裁判で、ロビンとファレルを訴えていたマーヴィンの娘のノーナ・ゲイら遺族側が勝訴と賠償金740万ドル(約9億円)を勝ち取っている。

1984年に他界したマーヴィンは77年にダンス・シーンやディスコを意識した作品として"黒い夜"をリリースし、大ヒットしたことで晩年の代表作のひとつとなったが、"ブラード・ラインズ"は2013年にリリースされた当初からサウンドやアレンジ、ベースラインなどが"黒い夜"に酷似していると一部で指摘されてきた。3月10日に行われた判決で陪審がノーナ側についたため、今回"ブラード・ラインズ"は盗作と判断された。

公判でファレルは自身が育ってきた過程でマーヴィンの音楽を聴き込んできたことを認めながら、"ブラード・ラインズ"については"黒い夜"から一切なにも借用していないと主張していた。ファレルは"ブラード・ラインズ"については2012年の半ばにおよそ1時間程度の作業で書き上げたと公判で明らかにするとともに、ロビンは作曲については一切関わっていないと証言していた。ファレルは楽曲を書き上げた際に他人の楽曲を借用していないという誓約書にも署名していて、著作権侵害が問題となった場合には自身が責任を負うことにもこの書類で同意しているというので、控訴しない場合には賠償金はファレルの負担になるものとみられている。

ファレル側の主張に対してノーナらマーヴィンの遺族側はファレルの主張が虚偽だと反論していたが、陪審団は両曲の音源の部分部分を聴き較べて吟味したうえで、今回の結論に達したという。ファレル側の弁護団はノーナらの訴えに対して、今後アーティストがほかのアーティストへのオマージュとして作品を作るようなことができなくなると公判の中で警鐘を鳴らしていたという。マーヴィンの遺族側は賠償金支払いが済むまでは"ブラード・ラインズ"の販売も一切禁止することを裁判所令としてとりつけるつもりだということも明らかにしている。

判決後にファレルとロビンは「ひどい先例を作ることになってしまう」と訴える声明を発表しているが、こうした音楽事情に精通している関係者などは"ブラード・ラインズ"はあくまでも雰囲気をどこまでも似せたものであって楽曲そのものを借用したところがあるとは言えないとしているともザ・ガーディアン紙が伝えている。盗作であるという今回の判断は、今後似たようなケースなら賠償金目当てにやみくもに訴訟に持ち込まれるなどして禍根を残すことになりかねないと危惧されている。また同紙では、基本的に音楽については素人の陪審団が判断することなので、こうした案件で陪審に結論をゆだねるとなるとどうしても裁判の行方はまったく見えないものになってしまうとも論じている。
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