4月29日に待望の新作『ザ・マジック・ウィップ』をリリースするブラーだが、グレアム・コクソンは新作制作のおかげでデーモン・アルバーンとの関係の埋め合わせをすることができたと語っている。
グレアムとデーモンは友人としては長い付き合いにはなるものの、バンドの作業では対立することが多く、2003年の『シンク・タンク』制作中にはグレアムが脱退。その後09年の再結成ライヴで初めて復帰することになった。新作はそんなグレアムとデーモンの関係を体現するアルバムになっているとグレアムは次のようにNMEに語っている。
「デーモンとぼくはこのアルバムのおかげでお互いへの敬意をもっと強くすることができたと思うし、お互いにその敬意を表することになんのためらいも感じてないんだよ。ただ、ぼくたちはこれまでに長い歴史を潜ってるし、ぼくたちの友情も、どんなバンドの二人の人間の間における友情とも同じように、いろんな出来事を経験してきてるんだ。さまざまな試練もあったし、お互いに相手のことを失望させたこともあったんだよ。このアルバムはね、『この20年間、こんなやりにくいやつで本当に悪かったね』ってお互いに詫びるものになってるんだよ」
収録曲中、特に"マイ・テラコッタ・ハート"についてグレアムは自身とデーモンとの関係についての楽曲だと次のように明らかにしている。
「これはとてつもなく悲しい曲調の作品になるとはわかってたから、それでああいう泣きのギターも入れたんだよね。ただ、その時点でぼくにわかってなかったのは、歌詞がデーモンとぼくについての内容になるということで、ぼくたちの長い友情と、その間の山あり谷ありについての話だっていうことだったんだ」
なお、ブラーは3月25日にロンドンのモードというクラブで限定フリー・ライヴを敢行し、新作から全曲を披露することになった。また、ライヴを締め括ったのは『パークライフ』からの"トラブル・イン・ザ・メッセージ・センター"で、バンドにとってこの曲をライヴで取り上げるのは20年ぶりのことだったとか。このライヴの模様はビーツ・バイ・ドレーによって2回限定でストリーミング配信された。
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