サニーデイ、15年ぶり渋公ワンマン。”若者たち”、”東京”ーー名曲が描く15年に感慨

  • サニーデイ、15年ぶり渋公ワンマン。”若者たち”、”東京”ーー名曲が描く15年に感慨 - all pics by 石垣星児

    all pics by 石垣星児

  • サニーデイ、15年ぶり渋公ワンマン。”若者たち”、”東京”ーー名曲が描く15年に感慨
  • サニーデイ、15年ぶり渋公ワンマン。”若者たち”、”東京”ーー名曲が描く15年に感慨
  • サニーデイ、15年ぶり渋公ワンマン。”若者たち”、”東京”ーー名曲が描く15年に感慨
  • サニーデイ、15年ぶり渋公ワンマン。”若者たち”、”東京”ーー名曲が描く15年に感慨
  • サニーデイ、15年ぶり渋公ワンマン。”若者たち”、”東京”ーー名曲が描く15年に感慨
  • サニーデイ、15年ぶり渋公ワンマン。”若者たち”、”東京”ーー名曲が描く15年に感慨
  • サニーデイ、15年ぶり渋公ワンマン。”若者たち”、”東京”ーー名曲が描く15年に感慨
  • サニーデイ、15年ぶり渋公ワンマン。”若者たち”、”東京”ーー名曲が描く15年に感慨 - all pics by 石垣星児
  • サニーデイ、15年ぶり渋公ワンマン。”若者たち”、”東京”ーー名曲が描く15年に感慨
  • サニーデイ、15年ぶり渋公ワンマン。”若者たち”、”東京”ーー名曲が描く15年に感慨
  • サニーデイ、15年ぶり渋公ワンマン。”若者たち”、”東京”ーー名曲が描く15年に感慨
  • サニーデイ、15年ぶり渋公ワンマン。”若者たち”、”東京”ーー名曲が描く15年に感慨
  • サニーデイ、15年ぶり渋公ワンマン。”若者たち”、”東京”ーー名曲が描く15年に感慨
  • サニーデイ、15年ぶり渋公ワンマン。”若者たち”、”東京”ーー名曲が描く15年に感慨
  • サニーデイ、15年ぶり渋公ワンマン。”若者たち”、”東京”ーー名曲が描く15年に感慨

サニーデイ・サービスが、今月27日に渋谷公会堂にてワンマンライヴを開催した。サニーデイ・サービスが渋谷公会堂に立つのは2000年に行われた「LOVE ALBUM TOUR」以来、15年ぶりとなる。

最新アルバム『Sunny』からの曲はもちろん、これまでの名曲も披露された同公演をRO69では写真と共にレポートで紹介する。

-------------------------------
渋谷公会堂でのワンマンは15年ぶりというサニーデイ・サービス。2008年に再結成してからはマイペースにイベントなどに参加、シングル2枚、アルバム2枚もリリースし、気が付けばデビュー20周年を迎えていて、感慨深い気持ちにもなる。それを見越したように、飾り気ないステージに登場したサニーデイサービスは、バンド名を冠した4作目収録の“baby blue”からスタートした。

呼吸をするようにギターを鳴らし曽我部恵一(Vo・G)はゆったりと歌い出す。そこに田中貴(B)のベースと丸山晴茂(Dr)のドラムが入って大らかなリズムを作り出すと,ああこれがサニーデイだと胸が熱くなった。続いた曲は3rdシングル“恋におちたら”、4thシングルカップリングの“花咲くころ”。曲は懐かしいがノスタルジックではなく,歌も演奏も今の彼等ならではの味わいに溢れている。3人が出す音は行間を読ませるような空気を含んでいて,互いを邪魔せず引き立て合うのだ。曽我部と田中が向き合って始めた“あじさい”“雨の土曜日”も初期の曲だが,気持ち良さそうに歌う曽我部の歌を軸に、この3人ならではの味を出していた。

「今日はいろんなところから来て下さって有難うございます。富山とか金沢とか。北陸新幹線開通おめでとうございます。それにちなんで“スロウライダー”を」と言った曽我部の脇で爆笑する田中。鈍行列車に乗る曲なのだからそりゃ笑うが、ひとたび演奏が始まると、田中のコーラスで歌が膨らみ、途中で曽我部はギターを弾かずに歌うほど熱が入る。ソロで弾き語りも頻繁にやっている曽我部が熟知する楽器に頼らない歌の力が、ここでも生かされている。イントロをやり直した“虹の午後に”についで、ようやく最新作『Sunny』から“おせんべい”“アビーロードごっこ”。引き算で音を組み立てるストイックなバンド・サウンドが生み出す絶妙な響きこそ、今のサニーデイサービスなのだ。

曲毎に拍手は大きくなり、曲に合わせて頭や身体を揺らす人が多くなってバンドも暖まって来たと言うように、“恋人の部屋”“夜のメロディ”とレアトラックを続け、“シルバー・スター”“NOW”もシンプルな演奏でしっかりと歌を届けた。その演奏の中に、グランジやオルタナティヴ、ポスト・ロックにオルタナ・フォークと様々な要素が織り込まれて来た事が見えるのが面白い。ブルージーな演奏とコーラスがゴスペル風にも聴こえた“成長するってこと”から“胸いっぱい”、“青春狂走曲”と軽快な曲が続いて客席もリラックスしてくる。田中が身体を揺らし丸山も動きが大きくなって、曽我部の歌にもギターにも力が入って盛り上がって来た終盤、“白い恋人”“旅の手帖”と時を遡り、最後は1stアルバムから“若者たち”。シンコペーションのリズムでラップするユニークなスタイルは今も新鮮だ。間奏で曽我部はハープを吹き、田中と向き合いジャムって盛り上げた。

ファースト・アンコールの“ここで逢いましょう”は、ひときわアグレッシヴな演奏で、曽我部は田中と向き合ってニール・ヤングかと思うほどノイジーなギターを掻き鳴らし、長いジャムを繰り広げた。ここらで総立ちになって欲しかったのだろう。田中が鍵盤に向かい曽我部がアコースティック・ギターに持ち替えたセカンド・アンコールで“東京”を演奏をした後、曽我部が「最初にわーっと皆が立って、『まあ座って』とかなると思ったのに」とボヤくと、田中が「『立つな』オーラ出してたんじゃない?」と茶化す。確かに後半の彼等から「立っていいよ」オーラが出ていた気がして、なあんだ、という空気が客席にも流れたところで最終曲“コーヒーと恋愛”。田中と丸山がカズーを吹いたこの曲は立派にバンド・サウンドで、盛大な歓声に包まれた。深く頭を下げ手を振りながらステージを降りる3人に、オーディエンスは総立ちで拍手を送っていた。

■セットリスト

01.baby blue
02.恋におちたら
03.花咲くころ
04.あじさい
05.雨の土曜日
06.スロウライダー
07.虹の午後に
08.おせんべい
09.アビーロードごっこ
10.恋人の部屋
11.夜のメロディ
12.シルバー・スター
13.NOW
14.星を見たかい?
15.24時のブルース
16.ふたつのハート
17.成長するってこと
18.胸いっぱい
19.夢見るようなくちびるに
20.青春狂走曲
21.いつもだれかに
22.白い恋人
23.旅の手帖
24.若者たち

(encore)
25.ここで逢いましょう

(encore 2)
26.東京
27.コーヒーと恋愛
-------------------------------
公式SNSアカウントをフォローする

人気記事

フォローする