キャスリーン・ハンナの活動を称え、米ボストンで「ライオット・ガールの日」制定

4月9日にアメリカのボストンでパフォーマンスと講演を予定しているキャスリーン・ハンナだが、ボストンのマーティ・ウォルシュ市長はキャスリーンの活動を称えてこの日を「ライオット・ガールの日」に制定したとか。

ビキニ・キルやル・ティグラ、ジュリー・ルインなどのプロジェクトで知られるキャスリーンの活動は、女子や女性が受ける抑圧や差別、暴力を作品化していくアーティストの潮流として注目され、90年代前半から「ライオット・ガール」と呼ばれるムーヴメントとして知られることになっている。今回ボストンでパフォーマンスと講演を行うにあたって、キャスリーンはウォルシュ市長の政策ブレーンであるジョイス・リネハンに前説をお願いし、ジョイスの根回しで市長によるライオット・ガールの日の制定が決定したという。ちなみにジョイスはキャスリーンの古くからの友人で「その昔、バンドがツアーでボストンに来た時にはよくうちに泊めてたのよ。インディ・ロックの世界でお互いのことを知ってたの」とボストン誌にキャスリーンとの馴れ初めを語っている。

今回の制定に当たって、ウォルシュ市長は制定宣言も発表したが、宣言はかつてキャスリーンが発表したライオット・ガール宣言を部分的に借用したもので、その一部の内容は次のようなものになっている。

「ライオット・ガールの思想が今ほど重要に思われたことはありません。女性蔑視はあらゆるカルチャーの側面ではびこっているのです。ライオット・ガールは女性に使われる言語の再定義に取り組み、形を変えては蘇ってくる父権主義の最新の形と闘っています。そうした闘いを通してライオット・ガールはある元議員が間違って披露した知恵が皮肉にも正しかったことを証明しているのです。つまり、『女性の身体にはそうしたものを排除できる力がある』と。これは真実なのです。こうした経験を語る女性の声は、確かにそうしたことを排除できるのです」

ちなみにこの元議員というのは共和党のアメリカ議会議員のトッド・エイキンで、強姦が原因となっている妊娠中絶を是とするかどうかというテレビでの討論で次のような失言をしたことで知られている。

「まあ、みんなすぐにそういうことを問題にしたがるものなんですけどね、ここをどう判断するかが倫理的にもとても難しいところなんですね。ただ、医者からもわたしはいろいろ聞いているんですけど、そういうこと(強姦によって妊娠すること)は非常にまれだということなんですね。もし、まっとうな強姦が行われたとするなら、女性の身体にはそうしたものを全部ひっくるめて排除できる力が備わってるんですよ」

エイキン議員のこの「まっとうな強姦」という発言が、強姦は場合によってはまっとうなのか、あるいは強姦で妊娠した場合にはそれは被害者の女性が虚偽の訴えをしていて実は和姦だったということになるのかなどと、放送直後から大問題となり、また、その後、強姦では合意に基づいた性交渉と比較して2倍の妊娠率があるという医学的なデータなども発表された。この後行われた2012年の選挙でエイキン議員は議席を失った。
公式SNSアカウントをフォローする

人気記事

最新ブログ

フォローする