今週のRO69ニュースROUND UP:夏到来前にチェックせよ!要注目新人のデビュー・アルバム3+1選

今週のRO69ニュースROUND UP:夏到来前にチェックせよ!要注目新人のデビュー・アルバム3+1選 - ゲンガー『A Dream Outside』6月15日(月)発売ゲンガー『A Dream Outside』6月15日(月)発売

年間を通して、アルバムのリリースが多い月と少ない月は、実はかなり傾向がはっきりしている。ここ数年、ひとつの基準となっているのが夏フェスだ。

夏フェス出演をプロモーションとしたいアーティストは5〜7月のリリースを好み、逆に夏フェスを新曲のウォームアップの機会にしたいアーティストは9〜11月のリリースを目指す。逆に夏フェス真っ最中の7月後半〜8月はほとんどリリースがない。特に新人のデビュー・アルバムは、夏フェス前にリリースされることが多い印象だ。今年も注目の新人のデビュー・アルバムがこの6月、7月に立て続けにリリースされる。

まず最初にご紹介するのが北アイルランド・デリー出身の新人シンガー・ソングライター、ソーク。6月24日(水)に日本リリースされるデビュー・アルバム『ビフォー・ウィ・フォガット・ハウ・トゥ・ドリーム』は既にNPRで全曲試聴がスタートしている。

◆18歳の新人SSWソーク、デビュー・アルバムの全曲試聴がスタート(2015/05/28)
http://ro69.jp/news/detail/124755

メランコリックなフォーク&エレクトロと、性別未分化で無垢なヴォーカルが絡まり合うソークのサウンドは、キャット・パワーやホープ・サンドヴァルとも比較される。でも、何しろ彼女はまだ18歳なのだ。この先にもしかしたらビョークのような変化を遂げるかもしれないというポテンシャルを、少年のような少女である彼女の歌には感じる。

現時点でソークの持ち味が最も凝縮されたナンバーと言っていい“Sea Creatures”
SOAK - “Sea Creatures”

昨年のグラストンベリーでの“Be a Nobody”のライヴ映像
SOAK - “Be a Nobody” at Glastonbury 2014

ソークはユニークなカヴァーの数々でも際立っている。ツェッペリンの独自解釈すぎる“移民の歌”のカヴァーも話題になった。

◆18歳の新人SSWソーク、レッド・ツェッペリン“移民の歌”のカヴァー音源を公開(2015/05/25)
http://ro69.jp/news/detail/124583

こちらはテイラー・スウィフトの“Shake It Off”をカヴァーしたBBC「Live Lounge」でのセッション映像。スマホで歌詞をカンニングしながら歌うこの新世代感!
SOAK - “Shake It Off” (by Taylor Swift) - Radio 1's Piano Sessions

続いて紹介するのはウルフ・アリス。ロンドン出身、紅一点のエリー・ロウゼルを擁する彼女たちのデビュー・アルバム『マイ・ラヴ・イズ・クール』も6月24日(水)にリリースされる。

ウルフ・アリスのサウンドの特徴はずばり90Sオルタナ感。グランジ前夜のノイジックなギター・サウンドやスマッシング・パンプキンズを彷彿させるメランコリィ、はたまたリズ・フェアやライオット・ガールたちの血脈を受け継ぐエリーのヴォーカル&ビジュアルもドンピシャ。たとえばコートニー・バーネットの登場にがつんとやられたようなあなたにおすすめ。

現時点での最新シングル“Bros”のミュージック・ビデオ。
Wolf Alice - “Bros”

“Giant Peach”のKEXPセッション映像。スタジオ・ライヴにしてこの熱量!
Wolf Alice - “Giant Peach” (Live on KEXP)

ウルフ・アリスの場合は何と言っても楽しみなのは、サマソニでいち早くその真価をチェックできること。新オルタナ・クイーン誕生の瞬間を見逃さないで!

昨年のグラストンベリーでの“Moaning Lisa Smile”、既に大観衆を集めている模様。
Wolf Alice - “Moaning Lisa Smile” at Glastonbury 2014

ソークとウルフ・アリスに共通してるのは、両者ともUK新人の登竜門と呼ばれるBBCの新人リスト「Sound Of 2015」にエントリーしたアーティストである点だ。そしてソークやウルフ・アリスを抑え、「Sound Of 2015」の1位に輝いたのがイヤーズ&イヤーズだ。彼らのデビュー・アルバム『コミュニオン』は7月10日(金)にリリースされる。

Kitsunéから初期数枚のEPをリリースした後にメジャーに移籍するという、ある意味非常にオーソドックスなクロスオーヴァー界の出世街道を突き進んできた彼らは、そのサウンドもまたエレクトロ×R&Bという非常に今っぽいそれ。ただし、彼らの場合は何よりも、ディプロ以降のクロスオーヴァーな感性に、ユーロ・ポップとでも形容したくなるベタなフックを惜しげもなく乱発する腹の据わったポップ・ソング・メイカーとしてずば抜けている。「う、売れそう!」……と思わず唸らざるを得ないのだ。

『コミュニオン』からの最新ミュージック・ビデオ“King”
Years & Years - “King” (Official Video)

最新シングル“Shine”音源
Years & Years - “Shine”

BBC2の「Later…with Jools Holland」にも既に出演済み。朴訥に淡々と歌うサム・スミス等と比べるとわりとリアクション大きめなヴォーカルのオリーに注目。
Years & Years - “Desire” - Later... with Jools Holland - BBC Two

年期の入ったTLCのTシャツを着る、という一周して今っぽいセンス。
Years & Years - “King” (Live at the Future Festival 2015)

最後に、超個人的なレコメン新人がロンドン出身の4ピース、ゲンガー。デビュー・アルバム『A Dream Outside』を6月15日(月)にリリースする彼らは、テンプルズやチャイルドフッドの後を次ぐべきエクスペリメンタル/ポップ・サイケの新星だと思ってるんですがどうでしょう!? バンドロゴの時代錯誤感も含めて推したい。

Gengahr - “Heroine”

Gengahr - “She's A Witch”

Gengahr - “Powder”

これまでにも一夏でブレイクしたニューカマーの姿を何度も目撃してきたけれど、今年も既に熱戦は開幕しています!(粉川しの)
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