「宇宙ツアーズvol.2」大成功! 宇宙まおの愛情に応えた井上苑子、wacciと共に作る夢の時間!
2015.06.15 21:20
2015年6月12日、宇宙まおによる自主企画「宇宙ツアーズvol.2」が、TSUTAYA O-nestにて開催された。RO69では、この模様をライヴ写真とレポートでお届けする。
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開演時間を迎えると、鳴り響くのは『スター・ウォーズ』のテーマ曲。ツアーコンダクターを装った宇宙まおが挨拶しつつ、フロア後方から姿を見せる。オーディエンスの合間を縫って、彼女がコロコロと引っ張ってきたキャリーバッグは……なんと、ガチャガチャとテーブルに早変わり(普段は家具などを手掛けている、武蔵野美術大学時代の友人が作ってくれたらしい)。「皆さんを、最高の宇宙旅行へお連れしたいと思います!」とテーブルの上で巨大なアルバム(パスポートを模したものだろうか)を広げると、そこには今回の共演者であるwacciと井上苑子の名前が。昨年10月以来となる、宇宙まおの自主企画「宇宙ツアーズvol.2」が幕開けである。
●井上苑子
トップバッターを務めるのは、若干17歳のシンガー・ソングライター=井上苑子。白ブラウスにリボンという制服のような衣装を当たり前に着こなし、5ピースのバンド編成で鮮烈なガールズロックを切り出す。キュートな歌声がバンドサウンドを牽引し、背伸びして盛り上がるフロアを見渡しては、はち切れんばかりの笑顔を浮かべていた。「宇宙まおさんと、何か共通点がないかと思って探したんですけど、小6でギターを始めたってこと以外、見事になかった(笑)」と歯に衣着せぬMCを届け、スピードに乗ったまま《一生側に居たいだなんて 大それたことは思ってないの》と瞬間を生きる、“青とオレンジ”のロックスピリットがまた痛快だ。「みんな踊られへんか!?」とハンドマイクで追い込みをかけるスカパンクチューン“Stay with Me”まで、片時も熱を逃がさないステージであった。彼女は7/1にミニアルバム『#17』でメジャーデビューを果たし、東名阪ツアーも予定されているので、ぜひ注目して欲しい。
〈セットリスト〉
1. グッデイ
2. ハレトケ
3. 青とオレンジ
4. Fly Away
5. 線香花火
6. Stay with Me
●wacci
続いては、メジャー3年目を迎えている男性5人組バンドのwacci。いきなりドゥーワップ風の上質なハーモニーが繰り出される“キラメキ”といい、橋口洋平(Vo・G)がヴィブラートを利かせて熱唱する郷愁のソウルバラード“東京”といい、メンバー全員の高いスキルにもの言わせたポップソングの世界にどっぷりと浸らせてくれる。普通なら、辣腕プロデューサーやベテランのサポートミュージシャンを迎えることで成立するようなクオリティの音楽を、DIYレヴェルでこなしてしまう5人組なのである。こういうバンドがいてくれると、シーンは本当に面白い。好反応を示すオーディエンスの様子に喜びながらも「みなさん、こんばんわっち! もうお気付きかも知れませんが、宇宙ツアーズ初の男性添乗員ですね。あ、それに関しては極端に拍手が少ないですね」と笑わせ、二の腕エクササイズの振り付けをレクチャーする華やかなディスコファンク“Weakly Weekday”がまた、恐ろしく盛り上がった。楽しい。
〈セットリスト〉
1. キラメキ
2. じゃあね
3. 東京
4. Weakly Weekday
5. 羽田空港
●宇宙まお
というわけで、トリを飾るのは宇宙まおである。喝采の中で“ブルーナ”を届けて来るというオープニングだ。けたたましいシンセフレーズが走るアンサンブルで展開し、続けて手拍子を求めながら披露される“ロックの神様”や“つま先”といった代表曲も、バンドの推進力を活かす形でアレンジが進化している。フロアからは自発的なOIコールも加わってバンドを後押ししていった。あらためて挨拶し、オーディエンスや、wacciと井上苑子、会場のO-nestに感謝の言葉を伝えると、「もっともっと大きくなりたいです」と語りながら、人々の夢に寄り添う応援歌として“無限の力”(J2水戸ホーリーホック応援ソング)を披露。チャントの如き歌声を誘い、スポーツの枠を越えて胸を熱くさせられるナンバーだ。
“あの子がすき”では、恒例のコール&レスポンスの場面で「wacciがすき!」「苑子がすきだ!」といったフレーズも飛び交う。「あの2組のようにポップミュージックの要素が欲しいなと思って、作った曲です」と披露されたニューシングル曲“夢みる二人”は、確かに「食」という普遍的なテーマを題材にした、宇宙まお史上屈指の耳馴染みの良さを誇るモータウンポップだ。それでも、《ナイフ! フォーク!》という中毒性の高いフックをオーディエンスと分かち合うところは流石(わざわざナイフとフォークを絵柄にした小道具を用意し、掲げるファンの姿も)。更にはO-nestのフードが美味しいということで「タイハーブ入り揚げ春巻き!」とか「鶏と野菜のグリーンカレー!」といったふうにメニューを詰め込むコールも巻き起こされていた。
こちらも食をテーマにした“おいしいごはん”をじっくりとソロ弾き語りして本編を締め括ると、アンコールではあらためてwacciと井上苑子を呼び込み、30代(wacci)、20代(まお)、10代(井上)が揃い踏みのセッションで賑々しく“宇宙ツアーズのテーマ”が放たれる。そして再会を約束する壮大な弾き語りナンバー“百年の夢”を届けて、今回のイベントは幕を閉じた。ポップミュージックのエネルギーを、全身に注ぎ込まれる一夜であった。(小池宏和)
〈セットリスト〉
1. ブルーナ
2. ロックの神様
3. つま先
4. 無限の力
5. あの子がすき
6. 夢みる二人
7. おいしいごはん
(アンコール)
1. 宇宙ツアーズのテーマ
2. 百年の夢
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