ザ・フー、ピート・タウンゼントが「50周年ツアーをもって別々の道へ」と表明
2015.06.29 12:09
活動50周年を記念する「ザ・フー・ヒッツ50」ツアーに乗り出しているザ・フーだが、ピート・タウンゼントは今年でバンドを離れる意思をあらためて認めている。
ピートはこれまでもこれが最後のツアーになることを語ってきたが、ただやめるのはロジャー・ダルトリーとの確執のせいではないと、最近のメディアへの取り上げられ方に不平を漏らしている。モジョ誌の取材にピートは次のように説明している。
「ロジャーと俺とで、イギリスのプレスが俺たちは対立し合っていると決めつけたことにすごく腹が立ってね。ものすごい大見出しで『ロジャーとタウンゼントの確執』と報じたりしてさ。っていうのは、そういうことじゃまったくないからなんだよ」
ただ、ピートは「今年が終わったら、俺はもうやめることになると思う」と一線から退くつもりであることを明らかにしている。
「このツアーが終わったら、俺たちはそれぞれに別な道を歩むことになると思う。だから、これは特にこの顔触れの集団も年老いることはあるんだと世に示すためのツアーなんだよ。必ずしも優雅で品のよい形ではないけど、優雅でない形で年老いるというか、俺たちのやってることがなんであれ、そういうことはできるんだということだね」
さらに今回道を分かつとしても、これはごく友好的な別れで、ロジャーとの関係はいまだかつてなくいいものになっていると次のように語っている。
「それぞれの過剰さと違いをお互いに受け入れていくようになったことで、本当に純粋でお互いを思いやる関係に至ったわけで、これはもう愛としか呼びようがないものなんだよ。で、これはやっぱり世にこういうこともあるんだよと見せていくべきもので、それはどうしてかっていうと、俺たちはもうロッキング・チェアーがお似合いなじじい二人だからなんだ。ロジャーも言ってるけど、俺たちはどっかの老人ホームに入れられてないだけ幸せなんだよ、今でもこういう活動ができるだけね」
さらにロジャーとのコラボレーションはこれからも続けていくつもりだと次のように語っている。
「ロジャーと俺とで折に触れてなんかやっていくことになると俺は思うよ。いつかね、ロジャーに合った、いい曲をアルバム分書いてあげたいし、それをレコード会社がファッキン・フーと名付けたがらなきゃいいんだけど、そこはなんか怪しいよね」
「俺がいい曲を一塊ロジャーのために書いたとしてもさ、きっと俺たちのマネージャーは、『これザ・フーって名付けちゃったら? きっとレコード、倍は売れるよ!』とか言い出すんだろうなあ」
なお、ザ・フーは6月28日にグラストンベリー・フェスティヴァルへのヘッドライナー出演を予定していて、その後7月5日にはロイヤル・アルバート・ホールで王立交響楽団とロンドン・オリアナ合唱団との共演で『四重人格』の特別公演を予定している。
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