坂本龍一、新作は平和な沖縄を希求するチャリティシングル。UA&Coccoも参加
2015.08.24 04:00
坂本龍一が、沖縄民謡女性4人グループ「うないぐみ」とコラボレーションしたチャリティシングル『弥勒(みるく)世果報(ゆがふ) - undercooled』を2015年10月7日(水)にリリースすることが明らかになった。
オリジナルは2004年に発売された坂本龍一のアルバム『CHASM』に収録された楽曲“undercooled”。数年前、この曲に古謝美佐子~うないぐみサイドから「沖縄語の歌詞をつけて唄いたい」と坂本に依頼、昨年から歌と三線の録音がスタートし、坂本の病気による中断を経て今夏ようやく完成したという。
オリジナル“undercooled”は 9.11アメリカ同時多発テロ事件、その後に続いたイラク戦争などを憂慮し「冷やし足りない」という意味を持つタイトルに「いまの世界はまるで頭に血が上ったかのような状態。もっと冷静になろう。」とのメッセージを込めて制作された楽曲。沖縄の基地問題に大きな懸念を持つ坂本龍一とうないぐみが、冷静(undercooled)に優しく、かつ強く、音楽と歌の力で平和な沖縄、平和な日本、そして戦争の無い世界の実現を希求し制作したのが本作となっている。
うないぐみの結成は2014年で、坂本龍一のアルバム『NEO GEO』『BEAUTY』、各アルバムリリースに際して行われたワールドツアー、「オペラLIFE」などのプロジェクトに参加した古謝美佐子を中心に、同じく初代ネーネーズの宮里奈美子、比屋根幸乃に島袋恵美子が加わった。間奏ではUAとその子供たちがつぶやきで参加、アートワークに使われている絵は、主旨に賛同したCoccoが提供している。
なお、本楽曲の売上げからレーベルサイドの手数料や諸経費をのぞいたアーティストの収入は全て辺野古基金に寄付される。
本作に関して、坂本龍一よりコメントが寄せられている。
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「undercooled」という曲は2003年、アメリカが大量破壊兵器があるという虚偽の理由でイラクに攻め入った頃、もっと頭を冷やせ、という気持ちを込めて作った曲です。少し前に、長年の友人である古謝美佐子さんたちが結成した「うないぐみ」サイドからこの曲に歌詞をつけて歌いたいという話しがあり、去年その録音が送られてきました。何度もそれを聴きぼくに何ができるかを考え始めていた頃、ガンに罹患していることが分かりました。1年が過ぎ体力も少し回復してきたので、歌をひきたたせる最小限の音を入れることにしました。また、UAさんには「つぶやき」を、Coccoさんには、カバーのためにご自身の絵を快く提供していただきました。ぼくもうないぐみのみなさんもアメリカ軍基地の辺野古移設で沖縄の海と貴重な生態系が壊されることに反対ですので、この曲の売上げからレーベルサイドの手数料や諸経費をのぞいたアーティストの収入のすべてを辺野古基金に寄付することにします。
坂本龍一
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リリース情報は以下の通り。
●リリース情報
『弥勒(みるく)世果報(ゆがふ) - undercooled』
発売日:2015年10月07日(水) *配信は9月16日より先行でスタート
形態:SINGLE
品番:RZCM-59982 POS:498806459982/0
定価:1,000円(税抜) /1,080円(税込)