デヴィッド・ボウイは新作制作時にケンドリック・ラマーを聴いていたとプロデューサー語る

デヴィッド・ボウイは新作制作時にケンドリック・ラマーを聴いていたとプロデューサー語る - pic by Jimmy Kingpic by Jimmy King

来年1月8日に新作『★(ブラックスター)』をリリースするデヴィッド・ボウイだが、新作制作にあたってケンドリック・ラマーをよく聴いていたことが明らかになっている。

デヴィッドは新作からの最初のシングルで、およそ10分近いかなり実験的な内容となっている"★(ブラックスター)"を11月20日にリリースしたが、今回もデヴィッドと一緒に作業にあたったプロデューサーのトニー・ヴィスコンティは次のようにケンドリックからの影響について語っている。

「一緒にケンドリック・ラマーをよく聴いてたんだよ。別にケンドリック・ラマーっぽい作品には少しもならなかったけど、ケンドリックがなんでもやってやろうという気持ちで取り組んでいて、がちがちのヒップホップ作品を作ってこなかったところがものすごく気に入ったんだ。ケンドリックはすべてのものをあの作品に放り込んできたわけで、デヴィッドもそういうことをやりたがってたんだよ。だから、新作の目標はいろんな意味でロックンロールを避けることだったんだ」

レコーディングには昨年リリースされたベスト盤『ナッシング・ハズ・チェンジド』に収録された新曲"スー(オア・イン・ア・シーズン・オブ・クライム)"にも参加したドニー・マッカスリンとそのバンドがデヴィッドに呼ばれて作業にあたったとトニーはローリング・ストーン誌に語っている。

ドニーとバンド一行はジャズ・バンドとして活動していて全員が強者ミュージシャンだったため、デヴィッドがクラウトロックからヒップホップ、ポップやジャズとさまざまなモチーフをバンドに投げていくとすぐにそれに肉付けしていくことができて、「かなりヘンテコなコードとかをぼくたち(デヴィッドとトニー)の方から指示しても、ジャズ的な発想ですべてを鳴らせるんだよ」とトニーはレコーディングについて振り返っている。また、アルバムは音楽ソフトで仕上げることになったが、レコーディングそのものはヴィンテージ機材を使ったかなり即興的なものだったことをトニーは明かしている。

さらにシングル"★"についてはもともと11分あった音源だったが、アイチューンズが10分を超える音源についてはシングル販売しないというのでわざわざ9分57秒まで縮めたという。

「まったくくだらないよね。でも、デヴィッドはどうしてもこの曲をシングルにしたがってたし、それとシングル・ヴァージョンとアルバム・ヴァージョンと分けるのも煩雑だからそれも嫌がってたんだ」

なお、デヴィッドは12月7日からニューヨークで上演される『地球に落ちてきた男』をベースにしたミュージカル劇『Lazarus』の製作や楽曲アレンジにもアルバム制作と同時進行で携わっていたとのことで、とても元気で旺盛に活動しているという。

また、シングル"★"でデヴィッドは繰り返し「1本の蝋燭」というフレーズを歌っているが、ドニー・マッカスリンはこれについて「デヴィッドはあれはISISのことなんだと言ってたよ。とにかくものすごい曲なんだ」と語っている。

その一方でアルバムにはジェームス・マーフィーも参加しているが、もともとはプロデューサーとしても参加する予定だったという。ただ、スケジュールが折り合わず、2曲でパーカッションを担当するのにとどまったそうだ。

ここ10年以上、デヴィッドがまったく取材を受けていないことについてトニーは「今のデヴィッドは自分が書いた作品が自分について明かしていることなんだよ」と語っている。

「曲を書く人の多くは、『自分について知りたいんだったら自分の歌詞をよく読みこんでくれ』と思ってるもんだと思うよ。だから、もうインタヴューをやらなくなったんだよ。過去のインタヴューでデヴィッドはいろんなことを明かしてきたけれども、今のデヴィッドの人生はデヴィッドのアートを意味してるんだよ。万事がデヴィッドの今やっていることを意味しているんだ」

"★(ブラックスター)"のビデオはこちらから。
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