【コラム】雨のパレード、1stフルアルバム『New generation』で生み出す「触れたことのない音楽」の魔法

【コラム】雨のパレード、1stフルアルバム『New generation』で生み出す「触れたことのない音楽」の魔法

どこまでも透き通った深淵の風景のさらに奥へと導かれるスリルと悦楽。あふれんばかりのエモーショナルな探究心すらも濾過して美の極致に迫ろうとする意志――。雨のパレードの音楽世界は、どれだけ曲を聴き重ねても、何度その楽曲を聴き込んでも、「触れたことのない音楽」「見たことのない景色」を鮮やかに感じさせる魔力に満ちている。

そのサウンドテクスチャーを細かく因数分解すれば、ポストロック/エレクトロ/シューゲイザー/アンビエントなど既存のフォーマットと相通じる部分はいくらでも散見できる。が、「この新車は前の型と同じネジやパーツを使用しているから、いくら走りや性能が向上しても新しくはない」という物言いをナンセンスに感じるのと同じように、雨のパレードの音楽を旧来型のジャンルの枠で語ろうとすると、まるで自分自身をイビツな型に押し込めようとするかのような居心地の悪さを感じる。それはひとえに、雨のパレードという共同体が鳴らす音楽が「これまでの音楽の成功体験」を超えた何かを求めているからに他ならない。

ファッションデザイナーやペインターといった異分野のクリエイターをメンバーに擁している「創造集団」としても話題を集めてきた4ピースバンド=雨のパレードだが、メジャーデビュー作となる1stフルアルバム『New generation』(2016/3/2リリース)から浮かび上がってくるのは、その「アートな深淵」の美しさももちろんだが、聴く者すべてをその世界の奥底へと誘っていこうとする、福永浩平(Vo)の決然とした意志そのものだ。

雨のパレード - Tokyo

雨のパレード - new place

既存の音楽の「パート2」「パート3」が描き出せるのは、あくまで「どこかで見たことのある快感」でしかない。「未知の世界に踏み入れるアートであること」と「ライヴアクト越しに共有可能なポップな表現であること」を両手に携えながら、着実に前へ先へと歩み続けてきた雨のパレード。インディーズラストシングル『Tokyo』や、過去2作のミニアルバム『sense』『new place』からの楽曲など既発曲/新曲含め、結成以来の足跡と現在地を高純度凝縮した『New generation』。恐るべき透度と深度を備えた雨のパレードという表現に、音楽のさらなる可能性を信じる人すべてに気づいてほしい。切に願う。(高橋智樹)
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