サム・スミス、アカデミー賞受賞スピーチ批判を受けてしばらくネットから消えると宣言

サム・スミス、アカデミー賞受賞スピーチ批判を受けてしばらくネットから消えると宣言

『007 スペクター』の主題歌"Writing’s On The Wall"でアカデミー賞歌曲賞に輝いたサム・スミスは、受賞スピーチが批判を浴びた後、しばらくネットから消えることを宣言している。

サムはアカデミー賞のスピーチで、自らゲイだと認めていたイギリスの名優イアン・マッケランがかつて「公に自分をゲイと認めている役者でアカデミー賞に輝いた者はいない」と語ったことを引き合いに出して、「それが事実でなかろうとも、そうであろうとも、今回の受賞は世界中のLGBTコミュニティーに捧げたいと思います」と述べ、「ぼくは今夜ここに誇りを持ったゲイの男として立っていて、いつかみなさんと同等の存在として立てる日が来ることを願っています。どうもありがとうございます」と締め括ってみせた。

ある意味でゲイだと公にしている人物では自分が初めてアカデミー賞を受賞したのだとも受け取れる発言になってしまったが、実はイアン・マッケランの発言は、あくまでも主要な役者や主要な部門という範囲内で、ゲイであることをおおっぴらにしている人物が受賞したことはないという意味だったことが判明。その後、脚本家で自他ともにゲイであることを認めているダスティン・ランス・ブラックが自分は2009年に『ミルク』で脚本賞を受賞したとツイート。さらにダスティンは、自分のフィアンセでイギリスの飛び込み選手やテレビ司会者として有名なトム・デイリーがサムの友人でもあるのに自分を隠れゲイ扱いしていたのかと不快感を露わにし、途端に物議をかもすことになった。

その後、サムは「ゲイであることを公にしている人物として2番目の受賞だろうと、3番目だろうと、100番目だろうとそれがいいたかったわけじゃないんだ……ぼくの狙いはぼくがこれほど愛しているLGBTコミュニティーにいくばくかの光を当てたいということだったんだ」ともツイート。しかし、その後、次のようにしばらくネットやSNSから消えることを宣言した。

「しばらくログアウトするから。かき混ぜるのではなくてシェイクしたマティーニの類は確実に必要とされてるんだよ」

マティーニのくだりは007シリーズの主人公、ジェームズ・ボンドの名言として有名なセリフをもじったもので、マティーニというのは分量のジンとヴェルモットをピッチャーで冷やしながらかき混ぜて作るのが正しいレシピなのだが、ジェームズはマティーニをオーダーする時に次のような注文をつけることで知られている。曰く、ジンを量りに3杯のほか1杯はウォッカにしてキニーネ入りのリレ(ワイン・リキュール)を加え、シェイカーでシェイクしてきんきんに冷やし、カクテル・グラスではなく平たいシャンパン・グラスに注いで(鉄則のオリーヴではなく)レモン・ピールを添えるようにと。つまり、これはもうほとんどマティーニではないのに、しかし、それをあくまでもマティーニと呼ぶジェームズの型破りな性格を表したエピソードなのだが、そういう変化がこれからは必要だということをサムはこの言葉に託したのだろう。
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